ニギスの丸干しの作り方
丹後では、底曳網漁業が解禁になる9月1日~5月31日にかけてニギスが漁獲され、特に9、10月は最盛期となります。また、ニギスは解禁直後である秋を代表する魚として、丹後・旬のさかなに選定されています。比較的安価で流通しているため、沿岸部では庶民のおかずとして親しまれているようです。ここでは、ニギスを使った丸干しの作り方を紹介します。
調理手順等はあくまでも一例ですので、参考として御利用下さい。
下処理
- ニギスは鮮度の低下が速い魚のため、スーパーや魚屋さん等で、できるだけ新鮮なニギスを入手します(入手方法については、京都(丹後)の魚の入手方法をご覧ください)。
- ニギスのウロコは大変弱く、漁獲時にほとんどとれてしまいます。まれに、いくらかは残っていることがありますが手で簡単に取り除くことができます。ニギスの尾側から頭側へ向かって、親指の爪で擦るようにウロコを取ります。
- 流水で、ウロコををきれいに取り除き、キッチンペーパー等で水気をふき取れば下処理は終了です。ニギスの内臓は比較的苦みが少ないので、この状態で塩を振って「塩焼き」、酒、醤油、みりんなどで煮込んで「煮付け」にすることもできます。気になる方は、他の魚の下処理と同様に内蔵を取り除いてください。
塩味をつける
- 干物に塩味をつける方法として、「振り塩(直接塩を振りかける)」と「立て塩(あらかじめ作った塩水に漬ける)」がありますが、今回は「立て塩」で味をつけていきます。
- 魚の種類や脂ののり方によって塩分濃度や時間は変わります。目安は5~15%(1リットルの水に塩を約50~150g)で、20分~1時間ですが、基本的に、脂が多い魚ほど塩が回りやすく、脂が少ない魚ほど回りにくいため、色々な濃さで試行錯誤してみましょう(今回は約15%で30分漬けました)。
- 漬け終わったら水道水で軽く表面を洗い、キッチンペーパーなどでしっかり水気を拭き取ります。
干す
- 干し網の上に重ならないように並べていきます。干し網はひさしのあるベランダなど、直射日光が当たらない風通しのよい日陰に干します。なお、干し網を使うことで、ハエやカラス、猫から干物を守ることができます(ホームセンターや釣具店などで販売しています)。
- 表面乾いたら裏返し、目玉がへこんできたら完成です。
- 出来上がった丸干しは、乾燥を防ぐためにラップなどに包んで冷蔵庫に入れ、2~3日以内に焼いて食べましょう。食べきれないときは、冷凍庫で1~2週間は保存できますが、できるだけ早く食べましょう。
- 今回は、一夜干しよりもやや長めに乾燥させました。好みもあると思いますので、自分好みの干し加減を模索して下さい。