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きれいな丹後の海から水揚げされる新鮮な魚介類を、いきいきした旨さのまま安心とともに消費者の皆さんにお届けするため、鮮度維持や殺菌処理のための施設を整備しています。
ここでは、その施設について一部を紹介します。
ご存じのとおり、水産物は畜肉などと比べて鮮度の低下が速いものです。鮮度の低下を防ぐためには、漁獲後に素早く冷やすなどの温度管理が重要となります。
京都・丹後の基幹漁業である定置網漁業では、大量の漁獲物を効率良く冷やすための「殺菌流動氷」等が導入され、鮮度の維持が図られています。
殺菌流動氷とは、読んで字のごとく「殺菌された」「流動する(固まっていない)」「氷」のことで、具体的には、シャーベット状になった殺菌された海水氷のことを言います。
通常、漁獲された魚を氷で冷やす場合、氷が触れている場所だけが冷えるなど冷え方にムラができ、時には氷で魚に傷がつくこともあります。また、氷が溶ければ溶けるほど塩分が低下し、この影響で魚が変色したりすることもあります。
流動氷はエラにまで入り込んで急激に魚全体を冷やすため、冷えムラがほとんどありません。また、元々海水をシャーベット状に凍らせてあるため、溶けても塩分が低下することもありません。さらに、海水には腸炎ビブリオなど、様々な食中毒菌が含まれていることもありますが、紫外線等によって殺菌しているため、衛生的にも安心です。
丹後の一部の漁業会社では、四方を壁で囲まれた荷捌き施設を整備することで、魚を狙う野鳥や、雨やゴミといったものの飛来を避け、より衛生的な環境で水揚げ・選別作業を実施しています。
他にも、荷捌き所で魚を運ぶフォークリフトの多くは排気ガスやオイル漏れの悪影響を避けるため、エンジン駆動のものから、近年、電動のものに変わってきているなど、更に高いレベルでの衛生管理が行われています。
丹後の夏の味覚として人気があるイワガキは、生食用と加熱用があることをご存じでしょうか。よく、「生食用のカキは鮮度が良いもので、加熱用は鮮度が悪いもの」と勘違いされることがありますが、これは鮮度の違いによるものではありません。
生食用のカキは、食品衛生法によりその規格基準が定められています。詳しい内容については割愛しますが、この基準をクリアしたカキが生食用として流通します。丹後の場合、イワガキは、主に舞鶴市場にある殺菌海水を使った浄化施設で、十分に浄化してから生食用として出荷します。
安全な生食用イワガキを消費者の皆さんに提供するため、この他にも、ノロウィルスや貝毒(貝が食べたプランクトン由来の毒)が含まれていないか等の検査が、定期的に行われています。
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