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丹後の沿岸域の一部では、7月頃になると、エゴノリ漁が解禁されます。エゴノリは丹後では「うご」と呼ばれ、宮津市や伊根町の一部地域でのみ利用されています。豊凶の差が激しいエゴノリは、たくさんとれた年に乾燥させて保存しておき、トコロテンのように煮固めて寒天状にして食べます。トコロテンと違うところは、煮出した海藻を濾さないところです。なお、寒天状態の製品も「うご」と呼ばれています。うごは、祝い事や仏事には欠かせない料理です。ここでは、エゴノリが漁獲されてから製品になるまでを紹介します。
エゴノリはホンダワラ類などの大型海藻の一部に絡みつくようにして生えており、比較的波あたりの弱い場所に多くみられます。海藻に絡みついたエゴノリは、船の上からカギ状の漁具によって引っかけるようにして漁獲します。
漁獲されたエゴノリには、絡みついていたホンダワラ類の欠片や付着生物等の異物が大量に付いていますので、大きなゴミは手でできるだけ取り除きます。その後、海水が付いたまま天日乾燥させ、保存します。
乾燥したエゴノリには小さな貝等が大量に付着しているので、調理する前にこれらを木槌で叩いて落とし、水できれいに洗います。エゴノリをお湯で煮溶かし、煮汁を冷却すること「うご」ができます。
うごは地元ではショウガ醤油で食べたり、白和えにしたりして食べられます。基本的に、エゴノリの乾燥品はほとんど販売されておらず、煮固めた「うご」が、ごく僅かに、地元の魚屋やスーパーマーケットで販売されています。大変貴重な丹後の郷土料理ですので、見かけられた場合は是非ご賞味ください。
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