ふるさとトピックス!福知山、舞鶴、綾部
更新日:2025年2月26日
ここから本文です。
1996年生まれ、綾部市出身。高校卒業後に上京し、3年間役者として活動した後にUターン。「地元で何か楽しいことがしたい」という想いから、2020年に綾部市味方町紫水ヶ丘公園交流広場にて、アート・ダンス・フードが楽しめるイベント「サクラチルヤ」を開催。20代が集まるアーティストコミュニティ「A組」の代表を務める。
高校卒業後、上京し役者として活動していた田中さん。養成所や事務所には所属せず、様々なオーディションに応募し、舞台やエキストラに出演していました。東京で刺激がある日々を過ごしながらも、ふと思い出すのは綾部の豊かな自然が織りなす風景や人のあたたかさ。「故郷を離れ改めて地元を見た時、実は綾部ってたくさんの可能性を持つ場所なんじゃないか、そこでもっと楽しいことができるんじゃないかと考えるようになりました。一度地元を離れたことは、綾部の魅力を再発見する良いきっかけになったと思います。」
3年間の東京での生活を終え、21歳の時に綾部市にUターンします。現在は介護士として施設で働く田中さん。ゼロから経験を積み、今では介護福祉士の資格取得に向けても前向きです。人材不足の現状や今後さらに必要とされる職業であること、利用者の方とのふれあいを通して、介護の現場ではさまざまな学びを得たと言います。
仕事をしながらも「綾部で何かおもしろいことをしたい!」という想いを胸に抱えていた田中さんは、綾部市のまちづくりに関するグループワークに参加します。
「これからの綾部には何が必要か、というテーマでのグループワークだったのですが、僕は『若者がもっと楽しめるイベントがあってもいいんじゃないか。』と発表したんです。人前で発表することにより、実際にそんなイベントをやってみたいという想いが強くなっていきました。」生まれ育ったこの街を盛り上げたい、何かおもしろいことをやりたい…漠然と頭の中に思い描いていたものが、一歩前に進んだ瞬間でした。
綾部市を盛り上げたいという想いを持つ田中さんの同級生と、画家として活動していた同級生の吉田有花さんの3人でイベント開催に向けて話し合いを重ねるも、さまざまな問題に直面し、結局イベントの話は頓挫してしまいます。
しかし、諦めきれなかった田中さんは再度イベントを企画。桜の木の下、ライトアップされている吉田さんの絵を展示して多くの人に見てほしいという想いから、「サクラチルヤ」というイベントを企画し、動き出します。
田中さんがイベント開催に向けて多くの人と関わりを持つにつれ、「何かおもしろそうなことをやっているね。」と、声をかけてもらうことが増えていきます。そうした人のつながりから、綾部市を拠点に活動するアーティストたちとの出会いがありました。
「皆、綾部で何か楽しいことをしたいという共通の想いはあって。せっかくなら20代によるアーティストのコミュニティを作ろうと立ち上げたのが『A組』です。」そうして立ち上げた「A組」には、現在、代表の田中さんをはじめ、画家、イラストレーター、ハンドメイド作家、フォトグラファー、デザイナーの8名が所属しています。「A組は何かを一緒に行ったり作り上げたりする団体ではなく、あくまで綾部を拠点に活動するアーティストの集まり・コミュニティ。普段は個々で活動を行っています。」
A組メンバー。
A組の名前の由来は、A=綾部(AYABE)、組=学校のクラスのように、若さを連想させたいという想いから。「アーティストのAでもありますね。まぁ後付けなんですけどね(笑)」
2020年3月、綾部市味方町紫水ヶ丘公園交流広場にて、田中さんは念願だったアート発信と地域交流を兼ねたイベントを開催します。イベント名は「サクラチルヤ」。
桜のライトアップをはじめ、A組メンバーの作品展示やライブペイント、田中さんの母校である綾部高校ダンス部によるダンスパフォーマンス、地元飲食店によるフードブースなど、延べ300人がこのイベントに賛同・協力し、イベントは大盛況のなか幕を閉じます。
「綾部の街を盛り上げたい」と漠然とした想いを形にした田中さん。A組が誕生したこと、多くの人とつながれたこと、応援してくれる人がいたこと、地元の人たちのたくさんの笑顔が見られたこと。イベントを通じて得られたものは計り知れません。
フードブースにも多くのお客さんが訪れた。
思い描いていた夢をひとつ実現した田中さんですが、今後やってみたいことを伺いました。「僕、古着が好きなのですが、祖母や祖母の妹が昔編んだニットを見るとワクワクするんですよね。祖母は昔編み物の先生をしていて、編み機でサマーニットのセーターなんかを作っていました。1960年代に作られたであろう作品を見て、率直にすごい!編み機で僕も作ってみたい!と思うようになって。それに祖母世代の方々が作るものって、技術的にもデザイン的にも魅力あるものが多い。綾部に住むシニアの作品を集めて、それらを僕自身の視点でコーディネートや展示するイベントをやってみたい気持ちはあります。…って、まだまだ漠然としているんですけどね(笑)。」
きっかけは、好奇心とワクワク。きっとまた田中さんは、まわりの人を巻き込みながら、漠然とした想いをしっかりと形にしていくのでしょう。
メンテナンスされながら長年使われてきた編み機。祖母の編み物の先生にあたる方にお願いし、使い方を教えてもらったのだとか。
「地元・綾部で暮らすメリットは多く感じています。豊かな自然がすぐそばにあり、たくさんの遊びやアクティビティができるし、交通の便も良いので生活する上で綾部はとても住みやすい街です。でも最大の魅力は人と人とのつながり。誰かに声をかけるとまた違う誰かとつながることができ、そこから輪が広がっていく。それはやはり綾部に住んでいるからこそだと思っています。
自分が楽しいと思って進む道を、時には寄り道をしながら計画性を持って行動したい。『自分の好きなことをしたらいい。ただし、責任は自分で取るように』という母の言葉を胸に、ブレないようこれからも楽しく生きていきたいです。」
【田中拓真さん】
【A組】
お問い合わせや依頼はインスタグラムDMにて
お問い合わせ先
中丹広域振興局 地域連携・振興部 企画・連携推進課
電話番号:0773-62-2031
ファックス番号:0773-63-8495
舞鶴市字浜2020番地
メールアドレス:c-c-kikaku@pref.kyoto.lg.jp