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更新日:2021年3月8日

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【二拠点生活】ちょうどいいサイズ感(公庄仁さん/福知山市)

都会と地方を行き来しながら、仕事と生活を両立させる二拠点生活。今回、お話を聞いた公庄仁(ぐじょう・ひとし)さんも、会社のある東京と家族が暮らす福知山市を行き来する実践者です。福知山市の魅力を「ちょうどいいサイズ感」と話す公庄さん。実際の暮らし方や働き方についてお聞きしました。

家族との素敵な思い出ができる場所

福知山市の東部に位置する三和町上川合(みわちょう・かみかわい)。綾部市と京丹波町に隣接しており、長閑な田園風景や山々に囲まれた、どこか懐かしさを感じる里山です。思わず深呼吸してしまう、そんな豊かな景色が広がる場所に公庄さんは暮らしています。


現在、暮らしているのは三和町上川合の「お試し住宅」。福知山市の移住を希望している人が一定期間、生活を体験できる住居です。

公庄さんが二拠点生活を始めたのは2019年2月のとき。それまでは東京都内に住んでいましたが、子育てをきっかけに、奥さんの実家がある福知山市に拠点を移します。

「当初は妻と子どもたちだけ、先に福知山の実家に帰郷しました。とにかく子どもと離れるのが寂しくて。頻繁に福知山に行っているうちに、気がつけば二拠点生活のようなライフスタイルになっていました(笑)」


自転車や車でよく出かけるという川辺。透明度の高さにびっくり!写真からはお子さんと大自然をおもいっきり楽しんでいる様子が伝わってきます。(写真提供:公庄さん)


「実は虫が苦手なんです(笑)」と公庄さん。でも、カニを捕まえたり、近所を探検したり、自然豊かな環境で子育てができることに喜びを感じています。(写真提供:公庄さん)

お気に入りのスポットは、自宅から車で数分の場所にある綺麗な川辺。小学校が夏休みのときは、お子さんとカニを捕まえたり、川遊びをしたりして過ごしているのだそう。また、近くにある『上川合ふれあいセンター』では、定期的に野菜市が開催されており、ご近所の人たちと知り合うきっかけにもなっています。

仕事と生活にちょうどいいサイズ感

公庄さんのお仕事はクリエイティブディレクター・コピーライター。東京都内の広告会社に勤めながら、いろんなデザインやテレビCMなどの制作に携わっています。働き方はリモートワークが中心。現在は1カ月間のなかで、約3週間を福知山市、約1週間を東京都に滞在しています(現在はコロナ禍で移動自粛中)。

豊かな自然のなかで家族と過ごすのはかけがえのないひと時。一方で、「自宅から福知山市や綾部市の中心部まで、車を走らせれば20〜30分でアクセスできる立地のよさも嬉しい」と話します。


仕事の合間には、いつもの散歩コースでリフレッシュ。自然豊かな里山と便利な街中をつなぐ『音名瀬橋』がお気に入りの風景です。(写真提供:公庄さん)

福知山市に滞在しているときは、市街地のカフェや図書館が仕事場。JR福知山駅前の『市民交流プラザふくちやま』や広小路商店街のブックカフェ『モジカ』、新町商店街のチャレンジショップ『アーキテンポ』なども利用しているのだそう。ゆっくりと仕事に集中できる場所があると、普段の仕事もはかどりそうですね。


JR「福知山駅」の目の前にある『市民交流プラザふくちやま』。図書館にはWi-Fiが通っており、パソコンを使える作業スペースもあります。


お仕事でよく利用しているブックカフェ『モジカ』の屋上。天気の良い日には青空の下でリモート会議をしているのだそう。福知山城や雄大な山々を臨むことができます。(写真提供:公庄さん)

「野生の鹿と出くわすような自然豊かな場所での暮らし、必要なものが不自由なく手に入る都会的な便利な暮らし。その両方がある福知山市のちょうどいいサイズ感が気に入っています」と公庄さん。地方にいながら都会の仕事をする。そのためには”暮らす環境”と”働く環境”のバランスが大切なのかもしれません。

役割の前に人同士の繋がりがある

二拠点生活を始めて約2年。これまでを振り返ったとき、公庄さんは福知山の1番の魅力を「人」だと話します。実感したのは、夏の訪れを感じさせる6月頃。お試し住宅での暮らしを始めたときの出来事です。

「自宅までの道を歩いていたとき、たまたま警察の方に呼び止められたんです。お昼の田舎道で大人が1人で歩いているのは珍しいので(笑)。職質かな?と思ったら、『公庄さんですよね!この周辺のパトロールをしているので、今後とも宜しくお願いします!』って自己紹介されてびっくり。その流れで、近くの神社でホタルが見られるのでおすすめですよって教えてくれて。子どもを連れて見にいったら、あまりの綺麗さに感動しました」

「警察の方からホタルが綺麗ですよって教えてくれたり、お店の人と仲良くなったり、ときには市役所の方と一緒に食事をしたりすることもあって。警察と市民、行政と市民、あるいは店員と客のような”役割”による関係性の前に、人と人との関係性がある。福知山での暮らしを始めて、そのつながりをすごく感じるようになりました」

福知山市に住む人たちの、人懐っこい性格や関西ならではの茶目っ気のあるおもしろさも好きだと話す公庄さん。深すぎず、浅すぎず、地元の人たちとほどよい距離感を保てており、田舎生活で悩みがちな人付き合いのストレスは感じたことはないのだそうです。

最後に、これからの暮らしについて尋ねてみました。

「地元で活動するおもしろい人たちと、地域の野菜市や飲食店などですぐに出会えるのも福知山ならではの良さだと思います。実際に新しい仕事にもつながっていて、例えば、廃校になった小学校を活用するプロジェクトのメンバーになったり、地域のブランディングのお手伝いをしたり、地元の中学校で授業をしたり、いろんな取り組みに参加するようになりました。福知山に貢献できるように、これまでの経験を活かしていきたいですね」

東日本大震災で地元が被災地となってから、クリエイターとしての役割を捉え直した公庄さん。テレビCMやグラフィックなどの広告をつくるだけではなく、自分の経験を社会や世の中のために役立てたいと考えるようになったそう。その想いを福知山市で叶えるため、少しずつ動き出しています。

自分らしい生き方や働き方を実現する二拠点生活。公庄さんのお話を聞いて、立地や土地柄、生活環境など「ちょうどいいサイズ感」の福知山市は、これから新しい暮らしを始めたい人にぴったりだと感じました。また、地方と都会を行き来するからこそ、両者の視点が培われ、それぞれの場所に還元されていく。そんな好循環が生まれるのも、二拠点生活ならではだと思います。

 

ライター:山本英貴

 

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