人権口コミ講座 162
「インターネット上の人権侵害と責任ある情報発信」
京都大学大学院法学研究科教授
曽我部 真裕
インターネット上の人権侵害の現状
ここ数年、インターネット上における人権侵害の深刻さが広く認識されるようになってきました。スマートフォンの普及率は9割を超えており、SNSを通じて情報を発信する人も多くいます。SNSの投稿は、拡散機能により匿名の個人の発言であっても何万回、時には何十万回と閲覧されることがあります。これにより、ごく普通の市民であっても強い影響力をもつことがあり、少数者の抗議が社会に広く伝わることで差別の是正につながるといったプラスの面もあります。しかし、その一方で、誹謗(ひぼう)中傷や差別の助長、偽情報の増加といった負の側面も目立ってきています。
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責任ある情報発信の必要性
こうした人権侵害的な投稿の背景にはさまざまな要因があります。広告収入を狙った過激な投稿は論外としても、一般市民が信頼性に欠ける情報源を信じ、誤った義憤に基づいて攻撃的な発言をすることが多くあります。また、匿名性や「みんながやっているから」といった理由で責任感が欠如することもあります。しかし、攻撃を受けた側にとっては、深刻な精神的ダメージを負うことが少なくありません。そのため、インターネットやSNSを安心して利用できる環境を整えることが不可欠です。責任をもった情報発信を行い、信頼できる情報源で真偽を確かめる姿勢が求められます。
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◎令和6年1月発行の「人権口コミ講座25」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。
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