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令和5年度 京都府織物・機械金属振興センター 研究報告

 

タイトル

報告者

シルクフィルム前駆体溶液の分子量の安定化に関する研究Ⅱ(PDF:363KB) 鈴木 卓也
ファインバブルを使用した新たな精練方法の検討Ⅲ(PDF:520KB) 川端 久之
繊維等への利用に向けた木材抽出液の機能性(消臭効果)の検討(PDF:572KB) 川戸 伸一
丹後ちりめんの用途拡大に向けた素材開発及び事業化の取組Ⅳ(PDF:419KB) 徳本 幸紘
訪問着等のシミュレーションシステムの作成(PDF:480KB)

徳本 幸紘

繻子地の織物設計と光沢度の関係についてⅡ(PDF:304KB) 新池 昌弘
絹が持つ機能に関する調査(PDF:397KB) 小松 亮介
機料品(通糸)の調査(PDF:379KB)

吉岡 和真

令和の若者に届ける丹後の新しいテキスタイルデザイン(PDF:696KB) 西尾 綾香
丹後地域の異業種課題解決への技術研究Ⅲ~食品乾燥機の技術開発~(PDF:261KB) 前野 佑基
情報処理を活用したシステム構築の検討Ⅲ(PDF:369KB) 服部 悟

 

研究報告 概要

 

シルクフィルム前駆体溶液の分子量の安定化に関する研究Ⅱ

鈴木 卓也

 生糸を溶かして作成したシルクフィルム前駆体溶液の分子量が、2018年度研究と同じ方法で作製しても異なる値となることがあるため、その原因を検討した。分子量に影響を与えるおそれがあると考えられる要素のうち、一度に溶かす生糸の量、容器容量、振り混ぜ方及び溶解熱の放熱時間を変えて分子量の変化を調べたところ、これらの要素は分子量のばらつきの原因ではないと推察された。

 

ファインバブルを使用した新たな精練方法の検討Ⅲ

川端 久之

 2022年度研究で、精練溶液としてファインバブル水を用いたところ、既存の精練より精練初期の練り速度が速くなる可能性があったが、練減り率の実測値がばらついた。ばらつきを抑えた試験を実施したところ、ファインバブル水を使用するかどうかで、練減り率が同程度であることが判明した。

 また、精練に作用するファインバブルを増やした試験を実施したところ、練減り率が同程度であることが判明した。

 さらに、ゼータ電位評価により、ファインバブル水及びアルカリ性電解水の混合溶液中のファインバブルが保持されていることが判明した。

 

繊維等への利用に向けた木材抽出液の機能性(消臭効果)の検討

川戸 伸一

 樹脂に付着した魚臭に対する、スギ及びヒノキの混合物から純水で抽出した木材抽出液の消臭効果を検討した。樹脂表面から時間の経過で発生する臭気を消臭する効果については、試験方法が定められていないため、新たに試験装置及び試験手順を作成して試験を実施し、消臭効果があることを確認した。今後、木材抽出液を繊維等に対する消臭性加工へ利用していくことが考えられる。

 

丹後ちりめんの用途拡大に向けた素材開発及び事業化の取組Ⅳ

徳本 幸紘、荻野 宏子、袖長 吟治、宮下 千津代

 丹後ちりめんの用途拡大に向けて、スマートテキスタイルやサスティナブルをテーマとして織物素材及びその用途を開発した。また開発した成果について、展示会や論文での発表や、地元の織物事業者等と連携した実用化に取り組んだ。

 

訪問着等のシミュレーションシステムの作成

徳本 幸紘

 無地意匠ちりめん及びその訪問着から画像をマッピングするためのモデルを製作し、これに織り柄や染め柄をマッピングして商品イメージを得るシステムを作成した。

 シミュレーションによる織物の試作やオンライン商談を支援するツールの整備に2021年度から3か年に渡って取り組み、白生地の製造から商品イメージの作成まで一連のシミュレーションが可能となった。

 

繻子地の織物設計と光沢度の関係についてⅡ

新池 昌弘

 織物を開発する際に求められる光沢度に近づける方法を提案するため、たて糸の太さ、撚糸形状、織物組織をファクターとして試験を実施した。その結果、たて糸に細い糸やよりの少ない糸およびたて糸の浮き量が多くなる織物組織を用いると光沢度が高くなることがわかった。

 

絹が持つ機能に関する調査

小松 亮介

 絹製品を訴求する際に示すべき機能性や物性に関して項目を整理し、その特徴、優位性、評価方法について文献や論文を調査した。その結果、絹には吸放湿性や物質吸着性等の特筆すべき機能が備わっていることがわかった。

 

機料品(通糸)の調査

吉岡 和真

 紋織物の製造に不可欠な機料品である通糸の内、現在、丹後で紋ちりめんや帯等の製織用として多く使用されている通糸は、今後入手が困難になることが危惧されている。そのため、カーシート地やネクタイ地等の製織用として使用されている組紐通糸やメーカーの試作品など9種類の物性試験を行い比較した。その結果、組紐通糸は代替品として利用できる可能性を見出した。

 

令和の若者に届ける丹後の新しいテキスタイルデザイン

西尾 綾香

 デザインの視点から丹後ちりめんの新たなユーザーを開拓するため、若者が好むデザインの傾向や丹後ちりめんの意識の調査を行った。また、製品デザインの思考方法を提示するため、分析結果から製品の試作を行ったところ、若者に好まれるデザインが完成した。

 

丹後地域の異業種課題解決への技術研究Ⅲ ~食品乾燥機の技術開発~

 前野 佑基、村山 智之

 丹後地域の基幹産業である機械金属業と地域資源(農作物)を活用した新産業を促進するために、地域企業が開発を行う食品乾燥機について、栄養損失の少ない装置となるように乾燥条件の検討を行った。

 

情報処理を活用したシステム構築の検討Ⅲ

服部 悟、大石 剛史

 製造コスト削減や人材不足などに対応するためにIoT技術を活用した生産性向上への取り組みが進められている。活用が進んでいない事業者に対してIoT技術活用の意識付けや自社に合ったIoTシステムを導入検討する入口として、まずは安価なマイコンとセンサを用いて、自作により取り組むことが有効な手段と考えられる。今回は、取り組みの具体例として工作機械の水溶性切削油の管理を補助する装置の試作検討を行った。

お問い合わせ

商工労働観光部産業労働総務課 織物・機械金属振興センター

京丹後市峰山町荒山225

ファックス:0772-62-5240

oriki-kikakurenkei@pref.kyoto.lg.jp