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大気は、太陽からの光線を通過させると同時に宇宙へ逃げようとする熱をとらえて、地球を暖めています。それは、温室のガラスのような働きとよく似ています。温室のガラスは、太陽光線を通しますが、温室から外へ逃げようとする熱はさえぎります。そこで、大気のこのような働きを温室効果とよんでいます。
この温室効果をもたらすものの代表(温室のガラスの役目をしているもの)が、二酸化炭素(ほかに、メタン、フロンなど)なのです。地球は、これらの「温室効果ガス」によって、人間や動植物にとって住みよい温度に保たれています。
しかし、近年人間の経済活動が拡大して石油や石炭などのエネルギーの消費量が増大し、二酸化炭素等の温室効果ガスが大量に大気中に排出されているため、温室効果が強まり地球の温度が上昇する地球温暖化という現象が生じています。
蒸発や降雨といった水の循環が激しくなり、その結果、洪水が多発する地域がある一方、渇水や干ばつに苦しむ地域がでるといったように水資源のバランスが崩れると考えられます。
対流圏や成層圏といった大気圏の温度構造が変化することなどにより、オゾン層にも複雑な影響が及んだり、光化学スモッグが発生しやすくなったりして、人の健康に影響を及ぼすことが考えられます。
海水の温度上昇により体積が増えたり、氷河が融けるなどして、海面がどんどん上昇します。その結果、広大な面積の砂浜が水没し、国土を失う国や、日本でも海抜ゼロメートル地帯が拡大したり、高潮や津波の影響を受ける地域が増大することが考えられます。京都府でも、海面上昇により砂浜の大半がなくなる恐れがあります。
温暖化すると、多くの植物は長い年月をかけて気候の変化に適応させようとしますが、高山植物や気候の変化にうまく適応できない植物では絶滅するものもあります。また、トナカイやホッキョクグマなどの極地周辺の動物が絶滅するおそれがあるほか、都市や海が障壁となって行き場を失う動物もあります。
また、熱帯産の病害虫が日本にも定着し、農産物への被害が増大したり、国内でもマラリアのような熱帯性の病気にかかる危険性も高まります。
出典:環境省ホームページ「気候変動への適応」http://www.env.go.jp/earth/tekiou.html(外部リンク)(パンフレット『気候変動で私たちの生活はどう変わる?~気候変動影響評価報告書~』(令和3年3月)より抜粋)
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