最近のデイ・ケア活動
家族教室NEW!!
当デイ・ケアでは精神疾患についての理解を深め、ご家族同士の交流を通じてご本人へのより良い対応を共に考えるために、毎月1回家族教室を開催しています。
スタッフが「発達障害について」や「障害特性と生活管理について」等のテーマで講義を行い理解を深めていただいたり、ご家族同士の「意見交流会」、ご家族と担当スタッフとの「個別面談」、「作品展や朗読発表会の観覧」、デイ・ケアを卒業した元メンバーによる「経験談」他様々なメニューを実施しています。
回 | 月 | 内容 |
---|---|---|
1 | 10月 | 講演・社会資源について |
2 | 11月 | 意見交流会1 |
3 | 12月 | 講演・睡眠について |
4 | 1月 | 意見交流会2 |
5 | 2月 | 家族相談 個別相談 |
6 | 3月 | ・ 作品展 ・ 朗読発表会 観覧 |
- 「発達障害の基本のお話を聞くことが出来て、とてもわかりやすかったです」
- 「社会資源の講演を聴いて、次のステップが見えてきた感じがしました」
- 「他のご家族様のお話をお聞きして、同じような思いをされているなあと思います」
- 「ご家族の立場での話が聞けて少し気持ちが楽になれたと思います」
- 「デイ・ケアを卒業された方がどのようにされているのかを知ることが出来て良かった」
等のご感想を頂いています。
就業生活セミナー
『就業生活セミナー』というプログラムを火曜日と金曜日に行っています。金曜日は自己理解を深めて社会参加や就労への準備を意識した内容ですが、今回ご紹介する火曜日の『就業生活セミナー』は、日常生活や就労の基礎となる力(体力向上・認知機能を高める・コミュニケーションスキルを養う・リラクゼーション法を学ぶ)を身につけることを目的としています。
週替わりで、「ウォーキング」や「太極拳」をしたり、「体調管理」や「気持ちの上手な伝え方」を学んだり、「ボディワーク」等を行いました。
参加したメンバーからは「体を動かしたり散歩したり、体のことを考える機会になった」、「気軽に参加できた」、「他の人の意見を聴けてよかった」等の感想が聞かれました。
社会見学で動物園に行きました
デイ・ケアでは、外出のきっかけを作ったり、興味の幅を広げることを目的に、半年に1回程度『社会見学』を実施しています。
今回は令和6年5月24日(金)京都市動物園に行きました。動物園は数年に1回行く人気の場所です。当日は5月にもかかわらず30℃を超える蒸し暑い日だったため、休憩所で昼食をゆっくり食べ、長めの休憩を各グループ内でとりながら散策しました。いつもとは違う場所や風景の中で休憩中もいろんな話題が飛び交い、新たな交流が生まれて話はつきず、時間を区切らなければならない程でした。今回の『動物園』が刺激になって「みんなで別の場所にも行きたい。」という新たな要望も出てきました。
- 白フクロウがかわいかった。
- キリンの餌やりの様子が見れてよかった。
- シマウマはやはり性格が荒いのが実感できた。
- トラが見れなくて残念やった。
- 暑いけど、楽しかった。
発達障害専門プログラム(コミュニケーションゼミ)
集団治療の場であるデイ・ケアではコミュニケーションを学んだり練習したりするプログラムを行っており、自閉スペクトラム症の診断を受けている人とそうでない人でグループを分けて実施しています。
月曜午前に自閉スペクトラム症グループとして行う『発達障害専門プログラム(コミュニケーションゼミ)』では、自閉スペクトラム症の特性を背景として生じる「人づきあいが苦手」、「雑談が苦手」、「自分のやり方を変えられない」といった悩みや生活のしづらさについて、ワークブックを用いて学んだり、意見を出し合ったり、会話の練習をしたりしています。共通した特性や悩みをもっているメンバー同士だからこそ理解しあえることもあれば、人によって感じ方や対処の仕方が異なるということを知る経験になることもあります。メンバーの中には、就労継続支援A型事業所での就労や障害者枠就労をするようになり、ときどき参加して体験を共有してくれる人もいます。
なお、このプログラムでの学びには言語的な理解も必要となるため、概ねIQ 85以上の人を対象としています。
- 「自分の悩みを積極的に出すことができ、共有、共感してもらえる」
- 「会話するときの声のかけ方や断り方などここで学んだことが役立った」
- 「自分を責めるばかりじゃなくていい、皆困っていることがあるとわかった」
写真:プログラムで使用しているテキスト
『大人の自閉症スペクトラムのためのコミュニケーション・トレーニング・ワークブック』 (星和書店)
エクササイズ
エクササイズは、日常生活や就労に向けて体力をつけたり協調性を育んだりすることを目的として行っているプログラムです。
昨年度まではコロナ禍を考慮して卓球やテニポン(ミニソフトテニス)、ペタンク等、距離を取りながら気軽にできるスポーツを主に行っていました。コロナの5類感染症への移行に伴い、今年度はある程度距離を近づけても行える活動を、メンバーの自主的な提案であればスポーツに限らず取り入れました。
「カラオケ大会」や新聞を丸めた玉を使った「サバイバルゲーム」、「ダンスパーティー」等々。マスクを着けたままではありますが、普段は寡黙なメンバーが楽しそうにカラオケで歌う意外な一面も垣間見られました。
参加したメンバーからは「自分が企画したものを楽しんでくれてよかった」、「雰囲気が良くて癒された」、「ゲーム大会が楽しかった」等の感想がきかれました。
メンバーの自由な発想をもとに、エクササイズの予定は皆で決めています。
奥はテニポン(ミニソフトテニス)、手前はペタンクで使う道具です。
発表会 朗読プログラム
デイ・ケアでは毎年3月と9月に、毎週木曜日の午後に行っている朗読プログラムの一環として発表会を開催しています。新型コロナウイルス感染症が5類に移行したので、今年9月の74期発表会は、朗読から演劇に表現方法を戻して上演しました。とはいえ感染予防はまだ続けているので、出演者も観客もマスクを着けたまま、鑑賞できるのは現デイ・ケアメンバーとスタッフ、出演者の家族のみにしています。
朗読は、自分の声や身体を使った表現を介して他者とコミュニケーションしていくプログラムです。作品という実生活と違う設定の中で、互いの間を計ったり気遣ったり役割分担したりと協力することが、コミュニケーションの練習にもなっています。皆の意見で「場所、背景、登場人物、結果」を決めて即興劇を作ることがあり、今回の発表会では、完全オリジナルの即興劇「くいな村の一番長い日~おじいの非日常~」を上演しました。登場人物4名のセリフから、くいな村に言い伝えられる怪獣クイナドンの存在、村長と村人の関係性、周囲の人々のおじいに寄せる優しい気持ちが伝わる劇となりました。舞台裏では、「アイコンタクトしてくれたら、展開に沿ったセリフを自分が言うから大丈夫」、「アドリブで出たあのジェスチャー良かったよ」といった、出演メンバー同士のやりとりがありました。
※写真は劇中の小道具で、出演メンバーが作ってくれました。
怪獣クイナドンを倒す作戦会議で使った地図
怪獣クイナドンにまつわる言い伝えの秘密が書かれた古文書
ヨガ
デイ・ケアでは、火曜日の午前に『ヨガ』のプログラムを開催しています。
『ヨガ』では、講師の指導のもと、一緒に体を動かしながら今の自分の体や心の状態を観察したり、リラクゼーションの方法を知ったりといったことを目的に活動しています。
その日の気候や参加メンバーの体調等に合わせて動きを調整するので、自分のペースで体を動かすことができます。参加メンバーの中には、プログラムで学んだ動きを家で実践している方もいるようです。
- 自分の体調に合わせてしてくれるのでとても助かります。
- ヨガの最中に寝る時間があって気持ちよく眠れます。
- ヨガをすると体が心地よくなりました。
- 難しいポーズは一切ないのに終わった後、体がほぐれます。先生の優しい声もヒーリング効果があって心から安らぎます。
- 自分のペースでできるのが良いです。性別、年齢関係なくできるのも良いなと思いました。
毎日少しずつ…。心も体も少しずつ成長していきます。
座って行うポーズから立って行うポーズまで、ゆっくりと様々なポーズをしながら体と心を整えていきます。難しいポーズはできなくても大丈夫!自分のペースでOKです♪
就業生活セミナー
デイ・ケアでは金曜午前に『就業生活セミナー』というプログラムを開催しています。 このプログラムでは、デイ・ケア終了後の進路や生活について様々な視点から考え、就労に限らず、地域生活で使える社会資源について学んでいます。講義や意見交換の他、デイ・ケア終了者の経験談を聴いたり、事業所へ見学に行ったりしています。
プログラム内容一例
就労面
- 就労に関しての相談先、使える制度などの社会資源について
- 人生「働く」だけなの?どんな働き方を考えているのか
- 障害特性について自分で対処していること、他者への伝え方や理解の得方
- 良い就労先とは?
生活面
- 健康管理について (体調面、精神面、自律神経、実践している健康作りの習慣など)
- 金銭管理について
- 地域生活で使える制度や相談先などの社会資源について
- 怒りの収め方
写真は、デイ・ケア終了者の経験談でどんなことを聴きたいか、事前に質問を募っているところです。
このプログラムに参加した理由
- 就労に向けて意識向上を図るため。
- デイ・ケア終了後、就職活動を行いたいと思い、それに必要な知識を学ぶため。
- 一人で知るには難しい知識を、身につけることができるから。
- 就労に関する知識を身につけたかったし、コミュニケーションの練習も兼ねて参加した。
- 障害者の就労を取り巻く状況を知りたかったので、参加した。
このプログラムで得られたこと
- デイ・ケア終了後の進路を考える時、障害者枠での就労以外にも、就労移行支援事業所や就労継続支援事業所について知ることができ、選択肢が増えた。
- 社会資源について知識が深まり、他のメンバーが就労に向けて取り組んでいる話を聴いて自分も働きたいと思うようになった。
- 講義を聴いて知識を深め、意見交換を通してコミュニケーションの練習にもなった。
- 就労する上で生じる壁にどのように対処するか、知識や考え方を得られた。
これから取り組んで行きたいこと
- 継続的に参加して、実際に活用したい。
- 更に、就労する時に必要な知識を得たい。
朗読プログラムのご紹介
デイ・ケアでは木曜日の午後に、自分の声や身体を使って表現するプログラムとして『朗読』を行っています。以前は参加メンバーが近づいたり、向かい合って演技する『演劇』をしていましたが、感染予防しながらできる表現活動として、『朗読』に変更しました。
『朗読』では、読む題材を持ち寄って、皆でパート分けして、気持ちを込めて読んだり、人が読んでいるのを聴いたりして、感想をシェアしています。その中で参加メンバー同士の交流が生まれ、普段なら表現しにくいことに気づいたり、気づいたことをあらためて表現したりする機会になっています。
発声練習や場を盛り上げる意味合いで、まずは毎回ウォーミングアップをしています。
ウォーミングアップの定番は紙風船バレー♪
自然とチームワークが生まれ、人との間合いを計り、心理的な距離も縮まります。
他には、早口言葉やテーマトーク、カードゲームなどもしています。テーマトークでは「気に入っている物」、「印象に 残っているTV番組」、「お気に入りの本」などについて話しました。
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朗読する題材としては、戯曲の台本、小説、落語の演目、エッセイ、漢詩、漫画、歌詞など様々で、参加メンバーからの提案を取り入れる時もあれば、講師が準備する時もあります。最近では講師が持ってきた絵本をきっかけに、参加メンバー一同その面白さにはまり、各々が自分の家にあるものを持ち寄って朗読しました。
朗読している時はこんな感じ。
距離を取ってマスクはしたまま、輪になって読んでいます。
一行ずつ読んだり、役柄を割りふって読んだりします。 同じ題材でも、読み手や読み方が変わるとぐっと印象が変わり、新しい表現に気づくことがあります。
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絵本を朗読した参加メンバーからの感想を一部ご紹介します。
- 『魔女からの手紙』 という絵本では、「いろんな絵があって面白かった」、「いろいろ考えられていい」、「短い文を皆で読むのが面白い」。
- 『つみきのいえ』 という絵本では、「イラスト、色も可愛い、買いたいなって思った」、「他者の感想を聞いた上で読んだらまた違うかも」。
- 『じごくのそうべえ』 という絵本は「関西弁で語られていて、話も面白い」、「落語が原作というのが発見だった!」などなど。
持ち主にとってどんな思い入れがあるのか、読み終わって感じたことなどを話し合い、他の人の感想を聞 いて印象が変わることもあります。シェアすることの楽しさも一つの発見でした!
こういった毎週の積み重ねを、半年に1回、『朗読』に参加していないメンバーや職員の前で披露する発表会を行っています。
2022年9月の発表会では、『わたしのわごむはわたさない』と『ねんどの神様』という絵本を朗読しました。前者は「作者が好きで、サイン会の時に購入した」、後者は「小学校の時に衝撃を受けた」と、どちらもメンバーから提案された絵本です。聴いている人も世界観を共有できるよう、絵も画面に映して見てもらいました。
発表会に参加したメンバーからは、「皆で読めて面白かった」、「皆で共有できてよかった」、「久々に長い文章を読んで疲れた」などの感想がありました。
『朗読』は、年度の上半期に担当する講師、下半期に担当する講師の2名がいます。
今回は、上半期担当の二口大学講師にインタビューしてみました
コロナになってから、外に出にくい環境になり、社会に出て行きにくくなることが憂慮される。他者と接するコミュニケーションのあり方が、社会に出る第一歩だと思うので、感染対策をとり、『朗読』の中で最大限できるコミュニケーションをとってやっていきたい。
絵本を題材として取り上げたことで、皆と同じものを見て共有できることもあるのだなということが発見だった。
朗読も、振り分けて読むことで、間を計ったり、気遣い合ったりしながらやっていることは演劇的。絵本を1人で読む意味もあるが、共有、シェアして何かを作るのは、仕事をする時でも意味がある。
無責任にトライアルができるというのが、朗読(演劇)のよさ。プログラムの中で様々にトライアルして、実社会に臨んで貰えればよいと思っている。
創作活動
1 デイ・ケアでは「創作活動」プログラムを木曜日(午前は10時~12時、午後は1時~3時)に実施しています。販売する品物を作るわけではありませんので、アイデアの出るまま気の向くまま、自分が作りたいものを「創作」しています。
なので、創作するものも、完成までのペースも人それぞれ。
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iPadを使う人もいれば
今日は英語の歌詞を筆記体で書いてます。
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油絵をする人
イーゼルを使って描くのは腕がけっこう疲れます。
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編み物をする人
携帯入れ。
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紙粘土を使う人
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練習でりんごを描く人
色の合わせ方、使い方を練習中です。
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見本をもとにして様々な画材で絵を描く人
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刺し子をする人
桔梗の柄に合わせて、糸の色を紫にしました。
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踏み台を作る人が、います。
それぞれ物入れにもなる踏み台は、組み合わせて収納もできます。
「創作」に興味や関心があってこのプログラムに参加するメンバーばかりなので、みんな黙々と活動に取り組み、時間はあっという間に過ぎていきます。
創作中のおしゃべりがないからといって他メンバーに関心がないわけではありません。プログラム終了前に今日の活動を1人ずつ紹介する時間には、作品を紹介するメンバーの近くに集まり、創作する上での工夫を聴いたり、感想を述べたりしています。
「自由に創作していい」というのは意外に難しく、初めは何を創作するか困るメンバーもいるのですが、作品を通して他メンバーと交流することが、自分の発想を刺激したり、次の創作への種になっています。
発達障害専門プログラム
発達障害専門プログラム 「コミュニケーションゼミ」
- 特色 精神科デイ・ケアの一環で、発達障害者の障害特性に応じて標準化されたワークブックを元に、コミュニケーションについて考え、学習を進めるため視覚的にもわかりやすい内容となっています。
- 利用者
当デイ・ケアに在籍中で以下のすべてを満たす方
- 現主治医から自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受け、定期的に通院している方
- グループ治療のルールを守れる方
- IQ85以上の方
- スタッフ 精神科医、看護師、作業療法士、公認心理師の専任職員が担当しております。
- プログラム内容
6ヶ月で、それぞれのテーマについて学習します。期間途中からの参加も可能です。
内容例
- 自己紹介、オリエンテーション
- コミュニケーションについて
- あいさつをする
- 会話を始める
- 会話を続ける
- 障害理解、発達障害とは
- 会話を終える
- 表情訓練
- 感情のコントロール
- ストレスについて
- 利用方法 見学は電話予約(tel:075-641-1890)をいただいた上で、随時おこなっています。通所申し込みを希望される方につきましては主治医の紹介状が必要となりますので、主治医とご相談下さい。
- 費用 通院医療費が必要です。自立支援医療(精神通院)制度を併用されると自己負担が軽減されます。
プログラム一覧
コミュニケーションセミナー
コミュニケーションセミナー
対人関係が苦手だったり、困ったことがあったり、コミュニケーションが上手になりたいと思う方が、デイ・ケアにはたくさん通所しています。創作活動やスポーツなどを通じてコミュニケーションをとることもできますが、コミュニケーションについて真正面から取り組むプログラムとして、「コミュニケーションセミナー」を月曜日午後に開催しています。
参加者から話したいテーマや、他の人の考えや経験など聴いてみたいことを出し合って、毎回そのテーマに沿った自分の気持ちや考え、経験などを話しています。他の人と話すことで、同じ悩みや困難を抱える人に気づいたり、その悩みや困難にどう対処しているかを聴くことで、物事を別の視点から考える機会としたり、自分自身や他の人への理解を深めています。
- 人との距離感、相手の負担にならない距離感
- 緊張しないで人と話せる方法
- 突っ込んだ話を聞かれたが、話したくないときにどう対処するか
- モチベーションをあげる方法
- 執着している物(タバコ、ギャンブル、LINE、人)から離れるにはどうしたらいいか
- 最初は緊張した。
- 人と話す機会ができた。
- 話し相手が増えた。
- 会話が楽しいと思えてきた。
- モヤモヤが解消された。
- 人の良いところ、人の意見を参考にできた。
コロナが収まったらやりたいこと
世界中でコロナ禍はまだ続き、日本でも第6波に向けて医療態勢を整えたり、3回目のワクチン接種も始まっています。デイ・ケアも感染予防対策のため、マスクをはずした状態でのおしゃべりを禁止したり、人との距離を取ったり、通所時間を制限したりと、人との交流をある程度抑えながらの活動が続いています。気持ちも何となく縮こまってしまいますが、自分の思いを発信したり、他の人の思いに触れる機会にしようと、みんなで寄せ書きをすることにしました。
寄せ書きのテーマは「コロナが収まったらやりたいこと」。 書けるスペースは少ないのですが、まずはどんなやりたいことが集まったか、ご覧ください。
旅行や外食、マスクをはずしての行動等々、書いた人の好きなことが垣間見えて「この人らしいなぁ」と思ったり、「こういうことが好きだったんだぁ」と知らない一面に気づける寄せ書きが集まりました。中には「ぴりぴりした環境がなくなった状態で平穏に暮らしたい」といった、コロナ禍での世情をぴたりと言い表した寄せ書きもありました。
社会見学
社会見学は普段観ることのできない場所に出かけることで、公共交通機関や施設の利用、社会マナーなどの学習を目的としています。
社会見学で伏見稲荷大社に行きました!
デイケアでは、外出のきっかけを作ること、興味の幅を広げることなどを目的に、半年に1回程度の頻度で社会見学を実施しています。
今回はコロナ禍ということもあり、大人数になるのを防ぐために日程を令和3年6月11日(金)と14日(月)の2回に分け、交通機関を使わずに徒歩で行くことのできる伏見稲荷大社に行きました。
通常プログラム内での“ウォーキング”でも稲荷大社まで行くことはありますが、“社会見学”という名目でたっぷり時間をかけて過ごすのは初めて!両日とも、比較的ゆっくりと散策したい『ゆっくり班』とたくさん活動したい『活動班』に分かれ、それぞれ稲荷大社を楽しみました。境内は人も少なく、有名な千本鳥居の写真を撮ったり、おもかる石(なんと抗ウイルス・抗菌加工!)の持ち上げを体験したり・・・。中には稲荷山の山頂まで登ったグループもおり、付き添いのスタッフが後にやってくるであろう筋肉痛におびえたのは言うまでもありません。
例年よりも早く訪れた梅雨の影響が心配されましたが、両日とも雨が降ることはなく、久々にみんなで外出ができ、良い気分転換になった1日でした。
「発達障害専門プログラム」参加メンバーの声
当センターのデイ・ケアでは、昭和大学発達障害医療研究所が作成した「発達障害専門プログラムパッケージ」をもとに、平成28年から「発達障害専門プログラム」を実施しています。
プログラム名は「コミュニケーションゼミ」で、現在は毎週月曜日午前中に開催しています。参加できるのは、当デイ・ケアに所属していて、現主治医から自閉スペクトラム症の診断を受けている方です。これに令和3年4月から、『IQ85以上』という参加条件が加わりました。
開始から令和3年3月末までに実人数で28名、述べ人数で992名参加され、「コ ミュニケーションゼミ」だけでなく他のデイ・ケアプログラムにも参加することで、コミュニケーションの経験を積んでこられました。参加者の中には復職や障害者枠就労でデイ・ケアから卒業していった方、「ある程度学べたので」と他のプログラム中心にデイ・ケア通所を続けている方、また「自分に必要だと思うから」とこのプログラムへの参加を続ける方など、様々です。
今回は、「コミュニケーションゼミ」に参加したデイ・ケアメンバーの声を紹介します。
このプログラムに参加した理由
- 人との距離の保ち方をまちがえないようにするため
- 人と接して、自分の障害を理解したり、自立に向けて考えるため
- 自分の障害を知るため
- 人と自然に話せるようになるヒントを得るため
このプログラムで得られたこと
- コミュニケーションの基礎が学べた
- 自己開示の程度が人によってちがうとわかった
- 昔の出来事も、自分の障害と関係していたのでは…と見直すことができた
- 発達障害についての知識が少し整理できた
これから取り組んでいきたいこと
- 意見が違っても受け入れて、気遣いができるようになりたい
- このプログラム以外でも、他メンバーと気軽に話していきたい
- 嫌なことを思い出すより、楽しむ気持ちを持ちたい
- スムーズに話すように意識したい
デイケアで実施しているウォーミングアップ特集!!
当デイケアでは、朝のミーティングや各プログラムの中でスムーズにプログラムに入っていけるよう、必要に応じてウォーミングアップをしています。
ウォーミングアップには、楽しみながら緊張をほぐし、意見などが出やすい雰囲気になるという効果があります。
出席しているメンバーの希望を聞きながら、ラジオ体操・簡単なストレッチ・卓球などの運動、また季節感を取り入れたクイズや頭の体操、無理なく自己開示が出来るゲーム等をやりました。
以下に、秋から冬にかけて実施したウォーミングアップをいくつかご紹介します。
最近は、コロナ感染対策の関係から、身体が触れあうようなゲームやトランプなどのカードゲームは制限されますが、工夫して盛り上がりながら楽しんでいます。
ある日の朝のミーティング
キノコ→コマ→ウマ→マクラ
と、絵でしり取りをしていくホワイトボードを使ったゲームです。思い通りに伝わる時もあれば、間違って伝わってしまう事もあります。
最後に全員で答え合わせをするときに「あ~」「なるほど~」「そうか~」などと盛り上がる声が聞こえてきそうでしょ!
冬の食べ物「みかん」からスタートして、文字の一文字だけを変えて、単語をどんどん変化させていく言葉の連想ゲームです。
自分の順番が来ても答えが見つからないとき、周囲のメンバーから「あっ!あるじゃん。わかった!」という声を聞くと、とても焦ってしまいます!
プログラム開始前のウォーミングアップ
12月に入りクリスマスも近づいてきたと言うことで、一年の自分の頑張りと、サンタさんからのプレゼントとして欲しいものをカードに書きました。
自分自身の頑張りを振り返り、皆で発表しました。
新型コロナウイルス感染予防対策
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、デイ・ケアでは一時期、見学やお試し通所、調理プログラム等を中止したり、延期していました(2020年6月から順次再開しています)。
感染予防対策として、職員とメンバーの検温や体調確認、所内や使用物品の消毒・清掃等を現在も続けています。
今回はデイ・ケアで実施している感染予防対策の一例を紹介します。
活動中はできるだけ“密”にならないよう間隔を空け、マスクをもちろん着用しています。
最近は色々な機能やデザインのマスクがありますが、メンバーの着けているマスクと、マスクについてのコメントをご覧ください。
色鮮やかで
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黒マスクもいいでしょ
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妹が作ってくれました。
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★鼻が高く見える(気がする…)のと、色味がお気に入りです★
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初めて手作りしました!
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マスクが品薄の時は、みんなで手作りしました
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来所時と活動前後の手洗いも励行しています。
手洗いチェッカーを使って、洗えてない所がないか、自分で確認したこともありました。
利き手の甲が、洗えてないことが多いそうです。
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プログラム終了後は、使用した物品やテーブル、イス等を使ったメンバーがその都度消毒しています。
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メンバー帰宅後は、ロッカーや下駄箱、トイレ、ドアノブ、スイッチ等々、プログラム以外でも共用している所を含め、職員が消毒しています。
寒さは厳しくなりますが、換気にも注意して、感染予防しながらデイ・ケア活動を続けていきます!!
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ウォーキングに行きました
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、デイ・ケアでは2020年4月から見学受付の一時中止、お試し通所の延期、通所メンバーの来所日数の制限や検温・体調の聞き取りといった対策とともに、プログラムの内容を『特別プログラム』という形に変更して実施しました。
今回は、特別プログラムで実施したウォーキングをご紹介します。
できるだけ“密”にならないよう間隔を空け、マスク着用、水分補給をしっかりしながらセンターの周辺をウォーキングしました。センターの周辺には鴨川が流れ、由緒ある立派な神社仏閣もたくさん!普段見慣れている道のはずですが、春~初夏にかけての季節の移り変わりや、改めて触れる京都の歴史と文化に「うちのデイ・ケアってこんなに魅力的な場所にあったんだ!」と、毎回新しい発見と感動がありました。
行った場所を写真に撮り、デイ・ケアオリジナルマップを作りました!
春の鴨川は緑があふれ、歩くだけで気持ちいいです♪
深草にある瑞光寺の銭洗弁財天。ザルにお金を入れて洗うと金運アップ!御利益がありますように・・・。
こんなに空いている伏見稲荷大社は初めて!? まるで、雑誌の表紙の様でした。
なお、6月から見学の随時受付と、お試し通所を再開しております。
興味のある方は是非お問い合わせください。
デイ・ケアを卒業された方の声をいただきました!
この春「発達障害専門プログラム(コミュニケーションゼミ)」と創作活動のプログラムに参加されていた方がお一人、デイ・ケアを卒業されました。卒業にあたりデイ・ケアを利用されたきっかけやプログラム参加の様子など感想をいただきましたのでご紹介したいと思います。
- コミュニケーションに苦手意識があり、家にこもりがちな私にとってデイ・ケアは外出や人との交流の機会であり、練習の場でもありました。
- 体調の不安や、困ったことがあってもスタッフさんが相談にのってくれたので、そういった点で、安心して通所が出来たと思います。
- 私は、創作活動とコミュニケーションゼミのプログラムを中心に参加しました。
- 創作活動は基本的には個人の作品作りですが、他の人が作る素敵な作品を見ることで、自分の創作意欲にもつながりましたし、作品が他の人と交流するきっかけにもなったと思います。また、講師の先生も丁寧に教えてくれるので楽しく作品作りができました。
創作活動での作品の一例 ♪ウッドスピーカー♪
- コミュニケーションゼミは私にとってとても役に立つプログラムでした。
- 私の場合、大人になってから発達障害と診断されたので、発達障害や自分自身のことについてあまり理解できていませんでした。コミュニケーションゼミでは発達障害のことを知ったり、コミュニケーションについて学ぶことや他の人たちと困りごとや対処法を共有することで自分自身の理解を深めたりすることができました。
- デイ・ケアで多くのことを学び、経験できたと思っています。退所後もそれらの知識や経験を活かしていけたら良いなと思っています。
自主活動の様子
デイ・ケアでは毎週金曜日の午後に自主活動というプログラムを行っています。
『メンバーのメンバーによるメンバーの為のプログラム活動』『皆で考えて皆で話し合って皆で準備して皆で運営する』というモットーで、メンバー主体となって計画・運営し、その名の通り、自主性を養うプログラムとなっています。
67期は、ハロウィンパーティー、チョコレートの銘柄当てゲーム、スライム作りなど、アイデアに富んだ催し物が楽しく企画・実行されました♪
10月はハロウィンパーティー!魔女やミイラ男に加えて、ウサギ、亀、パンダ、チャイナドレスなど、様々な仮装をしてお菓子を食べながら、さいころトークをしました♪(個人情報の関係で写真が後ろ向きなのが残念・・・)
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2月14日はバレンタインにちなんでチョコレートの銘柄当てゲーム!自分が最初に食べたチョコの味を当てるというゲームですが、ブラックチョコをメインにそろえたため、難易度アップ!見事正解者が出たときは盛り上がりました♪(ちなみにスタッフは全滅でした 笑)
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童心に帰って、懐かしのスライム作り♪ 様々な色のスライムができあがり、並べると綺麗~☆ 中には、使う絵の具や配合を変えて“実験”をしてみる人も・・・。計画時に来所していなかった通所者の為に、毎回次回の自主活動のお知らせを掲示しています。
- 普段家でできないことをデイ・ケアで遊べて良かった。
- できるだけ自分たちでやることを決めて準備して自主性が育まれた。
- 自分が提案したスライム作りをみんなが採用してくれて、みんなで調べてくれて嬉しかった。楽しかった。
発達障害専門プログラム
発達障害の方を対象に平成29年4月からコミュニケーションゼミを開始しました。このプログラムは平成25年度厚生労働省障害者福祉推進事業から助成を受けて開発された『発達障害専門プログラムパッケージ』をもとに、コミュニケーションスキルの習得や、障害の理解、お互いの悩みの共感や自分に合った処世術を身につけることが目的です。
毎週月曜の午後に行っています。会話が苦手、人付き合いがうまくできない、外出や乗り物が苦手、音に敏感などの方々が参加されています。
アステップむろまち見学に行きました
発達障害の就職支援について知識を深め、社会資源を知るため、1月末に就労移行支援事業所「アステップむろまち」に見学へ行きました。
あいにくの雨の中でしたが、センターに集合し、メンバーさんと共に地下鉄に乗って向かいました。
「アステップむろまち」は、京都市内中心部のビルの中にあります。いつものデイ・ケアとは違う環境の中で緊張気味のメンバーさんもいましたが、大石所長をはじめ職員の方々が温かい笑顔で迎えてくれました。
最初に「アステップむろまち」について、説明を聞きました。みんな真剣に聞いていました。なかにはメモを取るメンバーさんもいました!
次に事業所内を見学し、作業中の方々とお話も出来ました。
また、付き添ったスタッフも含めて作業体験のテストを受験しました。最初に全問正解の花丸をいただいたのはメンバーさんでした!
最後に、実際に企業での作業実習を経験した利用者の方のお話を聞かせてもらいました。
わかりやすく説明して下さり、とても有意義な見学となりました。アステップむろまちの皆様、ありがとうございました。
- 就職するまでの流れがよくわかった
- 体験談など事例も詳しく教えて頂いたのでイメージがつきやすかった
- (就労移行支援事業所の)雰囲気がわかって良かった
音楽
音楽プログラムの様子
音楽プログラムで曲を作りました
66期の音楽プログラムでは、曲作りを行いました。最初に曲のテーマと、どういう曲にしたいのか、曲の雰囲気を決めました。みんなで意見を出し合い、テーマは「デイ・ケア」、曲の雰囲気は「明るいバラード」になりました。
次に、コード進行を決めました。メンバーそれぞれ、キーボード、ギターなど得意の楽器を使用し、「明るいバラード」にぴったりのコードを探していきます。
大まかなコードが決まったら、テーマに沿った歌詞を考えました。メンバーは思い思いの単語を出し、その単語を繋ぎながら、歌詞を作っていきます。世界の挨拶を入れたり、デイ・ケアあるあるを入れたり…。韻を踏んでいるところも作りました!
出来上がった歌詞に、コード進行に合わせてメロディーをのせていきます。この過程が一番、時間がかかりました!
メロディーと歌詞が決まったあとは、間奏や2番の歌詞を作り、曲にアレンジを加えていきます。音の強弱にもこだわって、いよいよ曲の完成です♪
完成した曲は、音楽プログラム以外のメンバーにも聴いてもらいました!大変でしたがアンコールももらって、達成感を味わえました!!
歌詞と楽譜は、第66期の作品展にも展示して、OBや家族の方にも見てもらいました。
デイ・ケアでは、“表現することの楽しさ”や“対人交流の広がりを学ぶこと”等を目的に音楽プログラムを開催しています。
音楽療法士の先生指導の元、様々な楽器を使った即興演奏や、図形を音にしたり体を使って音を表現したりといった自由な発想を取り入れた活動を行っています。また、プログラムの後半には音楽鑑賞の時間を設け、おすすめの音楽を皆に紹介して曲に対する感想や想いを話し合うこともしています。
上手に歌ったり、演奏をしたりする必要はありません。「楽器は弾けない」「音楽は苦手」という方でも気軽に参加していただけます♪
- いろんな音楽が聴けて楽しめた。
- 楽譜ではなく、リズム感で楽しめるので良い。
- テンポが良くてのれた。
- 眠いことがあるけど、音楽をやっていると目が覚める。人の好きな歌を聴いて“こういう歌を聴いているんだ”と知ることができるので楽しい。
- 音楽を聴くだけではなく、楽器に触れるというのも、別の視点から音楽に関わるという意味で大切だと思った。
作品展
第66期作品展を開催いたしました
当センターでは、毎期ごとに集大成として、作品展を開催しています。また、特に木曜日の創作活動のプログラムでは、毎期共同制作を行っており、今回は『海と宇宙』をテーマに思い思いの作品を作りました。1つ作品が加わると、それを見た他のメンバーから新しいアイデアが浮かび、また1つ作品が加わり・・・、世界が広がっていき出来上がります。毎回どんな世界感になるのかワクワクドキドキしながら楽しみに作っています!
OBや家族の方々、センターに来られていた方などにご来場頂きました。見に来て下さった方のコメントも温かく、また来期いい作品を作ってご覧頂こうと励みになります。
- 個人の作品はそれぞれの個性があり、共同制作はボリュームがあってそれぞれすばらしい。
- どれも緻密な作品ばかりで、作成者の熱意が伝わってきます。
就業生活セミナー作品:『暑中見舞い』 『デイケアの浴衣』
創作活動作品:共同制作 『海と宇宙』
発達障害専門プログラム支援者体験会を開催しました。
第2回発達障害専門プログラム支援者体験会
令和元年11月25日(月曜)、発達障害専門プログラムについて理解を得るために支援者向けに体験会を開催しました。医療機関や就労支援機関・相談機関等から14名が参加されました。
発達障害専門プログラムは、自閉症スペクトラムの方を対象に、「対人コミュニケーション」への対処を中心に、対人技能の向上を目的としたプログラムです。
今回取り上げたプログラムは、上司から残業を頼まれたAさんが『上手に断る』という課題です。セリフボードにはさまざまな断り方があります。職場でのより常識的な対応を学べるように、GOOD(+100~0)からBAD(0~-100)までのどの位置にセリフがあるか、またそのセリフの良い点と悪い点の意見を出し合いました。
アンケート結果からは、実際に体験して分かりやすかったと感想をいただきました。