ふるさとトピックス!福知山、舞鶴、綾部
更新日:2021年10月6日
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京都府は国内9番目に竹林が多いと言われています。明治の頃まで、田畑の延長の山裾に孟宗竹を植え、食料となるタケノコはもちろん、樋(とい)や食器、炭などに利用していたのです。
しかし、そのような利用がなくなり、放置された竹林は毎年広がっていくため、問題視されるようになりました。家の敷地にまで繁殖してきたり、暴風雨や雪の重さで垂れ下がって道路の通行の邪魔になったりで、竹林整備が必要になっています。特に舞鶴市は放置竹林が府内で最も多く、対処に努力をしています。
人家に迫る竹林
道に広がる竹林
市内で竹の被害を問題視して人たちが、2015年「まいづる竹林整備・竹活用ネットワーク協議会」を立ち上げました。伐採して竹林を整備するだけでなく、伐採した竹の活用にも取り組んでいます。毎年神戸市で行われる追悼行事「阪神淡路大震災1.17のつどい」で灯される竹灯籠に使用する竹を寄付することもその一例。また、粉砕機でチップ(竹パウダー)にし、畑の土壌改良剤やペット、家畜の飼料、消臭剤などに利用。竹炭を作る、若い竹を塩漬けにして食べられるようにする等の有効活用を試みています。さらにイベントに使用する際の竹を供給。その中の一員が、小川はじめさん(福知山市在住)です。
竹林整備
転勤を繰り返していた小川さんは、福岡にいた時に、小さな穴を多数開けて模様を描いた竹の内側から光をともす「竹灯籠」に惚れ込みました。当時は趣味として作っていたのですが、2017年、小学生の頃に住んでいたことがある福知山市に移住し、「竹灯籠製作集団『竹一族の陰謀』」と称する団体を立ち上げました。小川さんはその族長(代表)です。メンバーは近隣に住む男女で、イベントに使う竹灯籠を製作したり、ワークショップを催したりの活動に取り組んでいます。小川さんが作った作品「京竹灯り」は「京都デザイン賞2019(公益社団法人 京都デザイン協会主催)」に入選しました。
小川さんの竹灯籠作品
竹灯籠の製作の手順は・・・
①切った竹の表皮(緑色の外側)を削り、節も取って筒状にする。
②パソコンで制作したデザイン紙を貼り付け、ドリルで直径数ミリの大小の穴を開ける。
③外側を磨き、カビと割れを防止するための特殊ニスでコーティング。
④様々な色のLED電飾を竹の中に通すと、多数の穴から漏れる光が優しく美しい。
作業中の小川さん
舞鶴市のもみじ寺として有名な金剛院(鹿原)で、毎年11月上旬に紅葉のライトアップが行われています。その主催者は前述の協議会で、かつては短く切った竹を多数並べて中にロウソクを灯していたのですが、そこに協議会所属の小川さんが『竹一族の陰謀』のメンバーと一緒に2018年から竹灯籠も展示して、「金剛院 紅葉と竹灯りのとばり」というイベントに。訪れる人たちはその幻想的な美しさに息をのみ、人気はさらにアップしています。
金剛院 紅葉と竹灯りのとばり
小川さん自身が会場に合わせたデザインを考えるところから始めるので、それぞれの作品にオリジナリティがあります。2020年に湯村温泉(兵庫県美方郡)に2020本の竹灯籠を並べる、また国内各地、さらにマレーシアなど海外への作品提供など、様々な活躍が続いています。また同年夏、福知山市の御霊公園(中ノ)で開かれた竹灯籠ワークショップで講師を務め、事前に予約した小学生から大人まで約30人が参加しました。これらのイベントを通じ、小川さんは竹活用の可能性を広げ、竹灯りの魅力を伝える活動も続けています。
御霊公園でのワークショップの様子
製作風景などがご覧いただけるYouTubeチャンネル「竹一族チャンネル」はこちらから
https://www.youtube.com/c/Take1zoku
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