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茶業研究所では、各地から収集した宇治在来種からの選抜や宇治品種を種子親として交配を行う交雑育種という方法で、将来の宇治茶ブランドを支える京都府ならではのオリジナル品種の育成に取り組んでいます。
今回、‘鳳春(ほうしゅん)、展茗(てんみょう)’が、昭和52年から「さみどり」の自然交雑実生を対象に選抜、育成を行い、平成18年に登録されましたので、ご紹介いたします。
‘さみどり’の自然交雑実生から選抜、育成した「鳳春(ほうしゅん)」は、既存の玉露用品種と比べて萌芽期及び摘採期が早いことから、1.茶価の高い時期に出荷できる、2.既存品種と組み合わせることで摘採期間を拡大し、作業集中の緩和と機械利用率の向上が期待できます。
旧系統名「53-7」(さみどり自然交雑実生)
登録年 平成18年(昭和52年から選抜を開始)
育成者 京都府茶業研究所
萌芽期及び摘採期は‘さみどり’に比べ7日早く、‘やぶきた’に比べ10日早い極早生種
‘さみどり’に比べ、樹勢が強く株張りが大きい
一番茶収量は‘さみどり’と同等に多収で、芽数型の収量構成となる。
製茶品質は、‘さみどり’とほぼ同等で優れ、特に、内質は香気が強く、新鮮みがあるなど香味に優れる特徴がある。
‘さみどり’の自然交雑実生から選抜、育成した「展茗(てんみょう)」は、1.樹勢が強く株張りが良い、2.新芽が直立性で機械摘みしやすい、3.鮮緑色で覆い香味に優れる特性があり、特に、機械摘みてん茶用として‘やぶきた’に比べ、大幅な品質の向上が期待できます
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旧系統名「53-38」(さみどり自然交雑実生)
登録年 平成18年(昭和52年から選抜を開始)
育成者 京都府茶業研究所
萌芽・摘採期は‘さみどり’と同様‘やぶきた’より1ないし2日程度遅い中生種である。
‘さみどり’に比べ、樹勢が強く株張りが大きい
一番茶収量は‘さみどり’と同等に多収で、芽重型の収量構成となる。
新葉及び成葉はだ円形で‘さみどり’より大きく、薄い
製茶品質は‘さみどり、あさひ’とほぼ同等で優れる。特に外観では染まりが良く、内質もてん茶として良好な覆い香味が付きやすい特性をもつ
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