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前号(第141号)でソメイヨシノの開花宣言をお届けしましたが、予想通り4月3日現在もう満開です。
お天気の良いお昼間に見るサクラはもちろん一番綺麗ですが、その様子は第82号で昨年の桜の様子を特集していますのでそちらをご覧いただきたいと思います。
今回は、夜の色んな光に浮かび上がるソメイヨシノの白い影、そしてスポットライトを当てたように朝日に照らされる花ビラをご紹介したいと思います。
先日(4月2日)知人のお見舞い帰り、夕暮れ時のサクラを見ながら思ったのが、サクラのライトアップは各所で行われていますが、街の灯りでどのくらい夜桜が楽しめるのか見て歩いてみようという事でした。
<夕暮れ時の鴨川>
いたるとこで「花見」と称する宴会が開かれていますが、純粋に夜桜を楽しめるスポットは数少ないです。そんな中、夜桜を楽しむのにうって付けのスポットもあります。街灯に照らし出されるソメイヨシノを眺めながらの談笑はさぞかし楽しいことでしょう。
<街灯に照らされるソメイヨシノ>
「ソメイヨシノの見どころといえば」と問われて、私が真っ先に答えるのは「高野川」です。間隔狭くずらりと並んだソメイヨシノは、川側からも川端通りの車窓からも楽しめます。
高野川へやって来ました。すっかり陽も落ちて暗い高野川沿いの建物の灯りにぼんやりソメイヨシノが浮き上がっています。
<建物のフットライトに照らされて>
下鴨警察署の窓から照射される電灯の光、信号待ちする車のヘッドライトに照らされます。そしてテールランプの赤い光に照らされて、白に近い色合いの花ビラは赤く染まります。
<光の色に染められて>
川端通りからも色んな光に照らされたソメイヨシノを楽しむ事ができます。
<川端通から>
川端通り側から見上げる夜桜はライトアップされているかの如く綺麗です。特に橋の傍のサクラは、橋の照明も当たるので更にハッキリ見る事ができます。
今回の写真はどの写真もフラッシュは一切使用していません。目で見たままの画像です。
<両方向から照らされて>
色んな光といえば、青、貴、赤の信号です。信号が設置されている場所の近くに咲く花びらは、信号が変わると色を変えます。カラーライトアップが楽しめます。
<点滅信号“黄”と歩行者“赤”>
<押しボタンが押されて車両“青”歩行者“赤”>
<信号が変わって車両“赤”歩行者“青”>
川端通りに東から突き当たる道から、川端通に進入してくる車のヘッドライトが、右折する毎にサクラの下部を照らし出します。少しだけライトアップしてみましたという感じです。
<車が通らない時>
<車が通った時>
高野橋までやって来ました。傍の商業施設の建物の照明は少し黄色がかった光です。信号の点の光ではなく全体的に建物を照明しているので、サクラも黄桜になっています。
夜の高野川を歩きながら、街の灯りで夜桜巡りとなりました。
<黄桜の様に>
そして翌日、朝日に照らされるソメイヨシノを眺めながらの出勤です。サンサンと降り注ぐ朝日に花ビラの細部まで観察する事が出来ます。
<強い光に照らされて>
<東からの太陽に透かされて>
建物が近い所は影となり、その隙間からは強い光が届きます。影と光でスポットライトを演出しているようです。
<スポットライトの演出>
サクラに表裏は無いと思いますが、高野川を中心に考えると、右岸のサクラは前から光を浴び、左岸のサクラは後から光を浴びている様に感じます。
<前から光を浴びるイメージ>
<後から光を浴びるイメージ>
昨夜の夜桜見物で建物のフットライトでぼんやり浮かび上がっていた老木も、今朝は正面からの光をいっぱいに浴びて堂々とした姿を見せてくれています。
<通行人の頭スレスレまで花を咲かせて>
今回は夜と朝のソメイヨシノの様子をご紹介しました。最後に花が咲く前から少し注目していたサクラの事を紹介します。
近くで見ないと蕾が確認出来ない頃、高野川沿いの遊歩道の無い場所でソメイヨシノの大きめの枝が折れて護岸の上に乗っかっていました。人がイタズラで折ったにしては高低差がありすぎます。
おそらく老朽化した枝の付け根が、自重を支えきれずに落下したのでしょう。この折れた枝から花は咲くのだろうか?と注目していた訳です。その過程を写真でご紹介します。
<結構大きな枝が落ちている 蕾は肉眼では確認出来ない>
(平成26年3月22日撮影)
<蕾に少し赤みがさしてきた>(平成26年3月29日撮影)
<開花したようだ>(平成26年4月1日撮影)
<ズームアップしてみた>(平成26年4月1日撮影)
<本体の木も開花>(平成26年4月1日撮影)
<随分花が開きました>(平成26年4月3日撮影)
<少し花に勢いが無いような・・・>(平成26年4月3日撮影)
<本体にはこんなに花が!>(平成26年4月3日撮影)
といった具合に花を咲かせた訳ですが、この枝はもう朝日を浴びることはないでしょう。そして今年が最後の開花でしょう。「サクラの花がはかなく散る」と言いますが、来年は枯死しているであろう折れた枝が、最後の力を振り絞って花を咲かせたという事実を目の当たりにして、更に切ない心持ちになりました。
平成26年4月3日 (京都土木事務所Y)
鴨川真発見記では、小学4年生の鴨川課題解決提案やインターンシップで受け入れた高校生の鴨川での発見など様々な目で見た鴨川をご紹介してきました。
今回は最年少の小学2年生の西山和治郎くんの夏休みの自由研究をご紹介したいと思います。
<お気に入りのページを広げる 西山和治郎くん>
和治郎くんは、京都府が年4回開催している“鴨川探検再発見”に度々参加してくれている常連さんです。すっかり顔なじみになったところでお話しを伺っていると、夏休みの自由研究で鴨川の様子を紹介する冊子を作られたとのことです。
1年かけて四季の鴨川を紹介されており、力作で好評だったとのこと。まさに「鴨川真発見記」の小学生版が頭の中にイメージされました。「これは見てみたい」とお願いすると、春休みのある日にお母さんと持参してくれました。
イメージどおり「鴨川真発見記」に相通じるものがあります。この「ずかん」を見ながらお話しを伺いました。きっかけは?の問いに「さんぽずかん」の表紙がめくられました。
<ぼくのかも川さんぽずかん 表紙>
「調べようと思ったわけ」が現れました。第三者的に要約させていただきます。
鴨川と高野川に挟まれた下鴨に住んでいる和治郎くん。両方の川には歩いていける距離です。しょっちゅうお父さん、お母さんと散歩に出かけます。川は和治郎君にとって大きな遊び場です。
去年の秋捕まえたカワムツの赤ちゃん(5mm)が、1年で2cmに成長した事で、カワムツの1年の成長を学ぶ事ができました。和治郎くんは川で勉強できる事を知りました。
そこで、川にはどんな“魚”“鳥”“虫”がいるのか?「さんぽずかん」にまとめる事にしました。季節によって川の様子は変化します。秋冬・春夏に分けてまとめました。
以上がキッカケです。
1年生の時(平成24年度)の夏休み明けの9月に1年後の完成を目指してスタートしたこの取組は、お母さんの協力のもと二人三脚で始められました。
自分の小学生時代の夏休みの自由課題はというと、夏休みの最終日に完成した事はありません・・・。
そんな中、“鴨川探検!再発見!”の存在を知り、平成25年の冬第30弾への参加となりました。
この時の内容は鴨川の探鳥会で、野鳥観察です。探鳥会では最後に今日見た野鳥を確認するのですが、この時和治郎くん親子はその殆どの鳥を見る事が出来ませんでした。後で一生懸命探しに行きましたが見つかりません。
この時はまだ、野鳥を見る目(どれが何という野鳥か?)が出来ていなかったとお母さん。
2年前に野鳥に興味を持ち、「鴨川真発見記」で紹介してきた私も、最初は全く解らずに、日本野鳥の会京都支部の中村さんに写真を撮っては「これ何という野鳥ですか」と聞きまくりでした。実に共感できるお話しです。(小学2年生と同レベルです)
和治郎くんは全部で約50種類の生き物を見つけられるのではと考えました。冬も鳥がいるからエサになる虫や魚がいるはずだ。さて、どうなっているのかな。
さて、それでは和治郎くんが散歩をしながら見つけたあれこれを見せていただきましょう。
野鳥、魚、虫と写真に名前とコメントが添えられています。「和治郎風鴨川真発見」と呼びましょうか。47ページにわたる力作で、大変素晴らしい作品です。
和治郎くんは普段、学校の先生に毎日の一言日記を提出しています。写真に添えられたコメントは先生に対する一言日記の要領で、先生に話しかけるように綴られています。
全てをご紹介したいところですが、ピックアップしてご紹介します。
<秋冬の様子>
<写真に収められなかった野鳥はイラストで>
<春夏の様子>
◆秋冬に見つけたのは
鳥14種類
魚2種類
昆虫3種類 計19種類
◆春夏に見つけたのは
鳥13種類
魚(エビ・カニ・貝含む)20種類
昆虫(水性昆虫含む)7種類 計41種類 合計60種類
・一年中見る事が出来る鳥 8種類
・春夏の方がどの生き物も多かった
・カモは潜るのと潜らないのがいる(理由はエサが違うから)
・鯉とカワムツは1年中いる
・鴨川に野鳥が多いのはエサが豊富だから
・カルガモは7月になると鴨川で赤ちゃんを育てている
・外来種が6種類いた
・8月になるとあちらこちらにトンボが飛び出した
・川の底は小石と砂
・鳥は1年中見る事ができるのと、見る事ができない鳥がいる。どこか遠くの国へ行ってしまった。エサがあるのに不思議だな。
・外来種は人間が持ってきたのだと思う。
パックテスト(COD低濃度)で鴨川の水がきれいなことがわかった。場所によって結果は変わると思うけど水がきれいな川で生きている生き物が見つけられた。
そして和治郎君の感想の最後には「研究を続けて“鴨川博士”と言われるくらいがんばる」との意思表示がされています。
※観察の為に一時的に飼育した生き物は川に帰してやりました。
最後に開き始めた“ベニヤエシダレザクラ”の横で記念撮影をしました。和治郎くんの人生もこのサクラ同様に開き始めたばかりです。今後の人生で満開の花を咲かせてくれるでしょう。
<開き始めたベニヤエシダレザクラの下で>
私も鴨川を歩きはじめて丸3年になります。鴨川に魅せられてその魅力を少しでも多くの方に発信できればと思っています。が、今からでは「鴨川博士」にはなれそうもありません。(なりたいけど・・・)
新年度から小学3年生の和治郎くんなら、きっと「鴨川博士」と呼ばれるようになってくれるでしょう。こんなに鴨川に興味を持って調べてくれているのですから。私の夢も託しながら今後とも和治郎くんを応援したいと思います。
平成26年4月2日 (京都土木事務所Y)
小魚とはいえ「魚」を捕獲する行為も含まれる事からホームページ更新前に京都府賀茂川漁業協同組合の組合長さんを訪ねて、こういう自由研究をしている小学生の事を京都土木事務所のホームページにアップしたい旨伝えました。
組合長さんは、子供や若者が川の生き物に興味を持ってくれて、次世代の漁業を担う人材が増えることが必要となっている。
こういった研究は大歓迎で賀茂川漁業協同組合としても応援し、バックアップしたいと語られました。
和治郎くんに強い味方ができました。
鴨川の魚などに関する詳細については、京都府鴨川漁業協同組合のホームページをご覧ください。
※ 賀茂川漁業協同組合のホームページにリンク。(外部リンク)
ソメイヨシノの桜吹雪が吹き始めた4月9日にお休みを頂いて、旅行会社にお勤めの神戸在住の知り合いのNさんと、地元の知り合いのAさん、お二人と鴨川のサクラ巡りをしてきました。
京都鴨川といえば三条・四条辺りしか知らないとおっしゃるNさんにもう少し上流を案内しました。今回はその時の様子をお届けします。
丸太町橋に集合してお花見の桜巡りに出発です。丸太町橋の下流では、近くの中学生でしょうか、ゴロ石の寄州や飛び石で元気な声を上げています。引率の先生の「5分前」の号令で集合して帰っていきました。
<石投げを楽しむ中学生>
<飛び石から中州へ>
<サクラをバックに記念撮影>
右岸から左岸のヤナギとサクラを眺めながら歩いて行くと、低木がムラサキ色の小さな花を咲かせています。するとAさんが「“ジャスミン”や」と近づいて香りを楽しんでおられます。
<芳香を漂わせる“ジャスミン”と思いきや”ライラック(ヒメリラ)”でした>
この木は何の木かと思っていた私は、「これジャスミンですか」とAさんを真似て香りを確かめると、確かにジャスミンの香りがしました。
「こっちはモモ」とAさん。モモの節句は3月だから4月にモモは咲かないと思い込んでいた私は「今頃モモですか?」と訪ねると「モモにも色々種類があるのですよ」と教えて頂きました。
<濃いピンクの“モモ” 正確には”ハナモモ”>
「良く御存知ですね。」と感心していると「あなた達より少し長く生きているからね」と年の功で返されました。
府立植物園の方に教えてもらおうと思っていたのですが、今回はその手を煩わせずに済みました。
以前一般の方からこの“実”は何の“実”とお問い合わせ頂いて「エゴノキの実ではないでしょうか。」とお答えした低木も花を満開に咲かせていました。
<“エゴノキ”の花でしょうか ではなくて”ハナカイドウ”>
賀茂大橋上流の飛び石まで北上して、飛び石を渡り高野川の様子をご案内です。今回は鴨川を北上して行くコースですが、是非とも高野川のソメイヨシノの他を圧倒する姿を見て頂きたいと河合橋の上まで寄り道です。
Nさんは澄んだ高野川の水を間近に見て「なんと綺麗な水ですね。」と感心しきりです。
河合橋の上から眺めるソメイヨシノです。Nさんは最初、右岸に一本ある大きなサクラに目が行って、左岸の圧倒的存在感の桜並木にお気づきになりませんでした。
<ズラリと並ぶ高野川のソメイヨシノ>
「このサクラの並木凄いでしょう」と声を掛けると「なんじゃこりゃ。これは凄い。」と驚きの声を上げられました。
鴨川へと戻り更に北上していくと、一本の木に白とピンクの花を咲かせている背の低い“サクラ”が目立っています。これは綺麗と傍によって鑑賞です。
<一本の木に白とピンクのサクラ>
振り返れば、大文字山をバックにソメイヨシノの花吹雪です。
<大文字山の裾野を飾るようにソメイヨシノ>
ピークを過ぎて散り始めたソメイヨシノの下を歩いて行くと、一陣の風が巻き起こりました。すると花びらが風に飛ばされ、文字どおり「サクラ吹雪」が頭上から降り注ぎます。
お花見を楽しんでいた若い女性グループから「きた~~~」の声が発せられました。
<左から右へ花ビラが舞います>
1時間半かけてゆっくり北大路橋まで来てお昼の休憩です。今が見頃の「半木の道」ベニヤエシダレザクラの74本のそろい踏みを眺めながら、美味しいお弁当をいただきました。
<半木の道のサクラを眺めながらの昼食>
お昼休みを終えて更に北上しました。飛び石を渡って左岸の「半木の道」へと移動です。飛び石を渡って来る方がお連れになっているペットが「どうも犬には見えないな」と思っていると「ヤギ」でした。すかざずAさんが声を掛けると、名前は「ヤギ助」とのこと。
鴨川でヤギに会うのは初めての経験となりました。
<ヤギ助をパチリ>
飛び石を渡る途中でも上流を向いて一枚。川の中から写真が撮れるのも、飛び石の楽しみ方の一つです。
間近のベニヤエシダレザクラを間近で楽しんで、北山橋上流左岸に向かいます。ここでも散り始めたソメイヨシノがズラリと並んでいます。
<落差工から流れ落ちる水と両脇にサクラ>
<北山大橋左岸上流もソメイヨシノの穴場です>
御薗橋左岸下流のウコン(キザクラ)の様子を見てみました。遅咲きのこのサクラは蕾が膨らんできました。見頃はもう少し先のようです。
<“ウコン”はまだ蕾>
御薗橋上流で、後を追いかけてきてくれたKさんと合流して更に北上しました。今回のコースの最北端「賀茂川通学橋」までやって来ました。川沿いを歩けるのはここまでです。
右岸には、今が満開のサクラが並んでいます。ベンチに座ってくつろいでおられる方の前に「アオサギ」がジッと佇んでいます。みんなでカメラを構えると、「綺麗に撮ってね」とでも言うように“モデルポージング”かの姿です。
<賀茂川通学橋右岸下流のサクラは満開>
<人に馴れているようです。“アオサギ”>
ここから南下して再び「半木の道」の対岸へ到着しました。傾きかけた西からの太陽に照らされてベニの色が更に鮮やかに浮き上がります。私は、満開の少し前の濃いめのベニ色をまとう姿が好みです。
<西日に照らされる「半木の道」>
<一番咲きのベニシダレザクラ 写真左から3本目>
そんな好みのサクラを眺めながら、今回の鴨川サクラ巡りツアーは幕を閉じました。Nさんには知らなかった鴨川の市街地上流域を満喫いただけたかと思います。
普段のお仕事では、添乗員としてもご活躍のNさんを私が案内するツアーでした。案内しながら、鴨川の魅力を再確認するツアーとなりました。
平成26年4月10日 (京都土木事務所Y)
後日、「ジャスミン」と教えてくれたAさんから連絡がありました。
故郷の庭にあった類似の木が香っていた香りなのだけれど、「ジャスミン」だったのか、「ライラック」だったのか記憶が曖昧なので、専門家に確認してほしいとのことでした。
府立植物園の方にはお手空きの時に確認をお願いして、後日「ジャスミン」か「ライラック」かを皆様にお知らせしたいと思います。
さて、あなたはどちらなのかお判りでしょうか。
平成26年4月12日・13日の両日、毎年恒例の鴨川茶店が開催されました。心配されたお天気も雨が落ちてくる事無く滞りなく終了しました。
今回はその会場の様子をお伝えします。鴨川茶店は「鴨川を美しくする会」と「京都鴨川ライオンズクラブ」の共催で毎年“半木の道”の“ベニヤエシダレザクラ”を楽しみながら開催されるイベントです。
会場には、京都府のブースも設けられ、鴨川条例の紹介などの展示物が設置されています。今年は、都市計画課で作成された鴨川公園から見える様々な景色のパネルも展示されました。
このパネルに使用された写真の多くは、「鴨川真発見記」で紹介した写真が使用されています。鴨川公園の四季の様子をお楽しみ頂けたかとと思います。
「鴨川真発見記」も第145号を迎え、その写真も膨大な数になりました。一枚一枚を眺めると、その時の様子が昨日の様に思い出されます。その瞬間、瞬間を切り取った写真の数々にそれぞれの思い出が詰まっています。
<鴨川公園の四季>
<春 桜の回廊>
<夏 水辺>
<秋 紅葉>
<冬 雪景色>
<京都府 河川課・京都土木事務所の展示ブース>
今年の桜の開花は例年よりも早かったので、鴨川茶店までもつかどうかと心配されていましたが、ほぼ満開のベニヤエシダレザクラを楽しむ事が出来ました。
<植物園の緑をバックに咲く“ベニヤエシダレザクラ”>
平安騎馬隊のお馬さんや白バイに乗っての記念撮影など、京都府警察本部のコーナーも人気を集めていました。京都府警のマスコットキャラクターである“ポリスマロン”も登場して、一緒に記念撮影です。
<白バイと“ポリスマロン”>
<ポリスマロンと記念撮影>
<平安騎馬隊>
お茶席では、少女が着物を着てせん茶道を披露してくれています。せん茶を日本に広げた“ばいさおう”にちなんで開催されている鴨川茶店のメインのコーナーです。
<煎茶のお作法>
イベントを後援している京都府と京都市からは、山田京都府知事、門川京都市長も駆けつけ、伝統ある鴨川茶店の開催に激励のご挨拶をされました。
<山田京都府知事>
<門川京都市長>
<晴天に恵まれて>
護岸の石積みの間からは、青紫の鑑賞用の植物と思われる花が咲いています。いつもお世話になっているお隣の植物園を覗いてみると、同じ花が咲いていました。その名は“ムスカリ”です。また一つ植物の名前を覚える事ができました。
<高野川の石積みから>
<“ムスカリ”の名札がありました>
川の中へ目をやると、舞い散ったソメイヨシノの花ビラが水に漂っています。その傍でチドリが綺麗な声で鳴いています。頭の上ではメジロが鳴いています。鴨川でのメジロは今回が初めての出会いです。
<サクラの花ビラに囲まれて“チドリ”>
<目のまわりが白い“メジロ”>
再び川の中へ視線を戻すと、紅白の鮮やかな模様の錦鯉が一際目立って泳いでいます。目を凝らしてみると、前後左右に大きなマゴイが取り巻いています。
まるで体格の良い黒服のSPが華やかなスターを護衛しているかの様な光景です。
<一際目立つ錦鯉>
<大きな“マゴイ”に囲まれて>
サクラの季節も一段落といった感じですが、この後も夏に向けて様々な植物が花を咲かせていきます。普段は気にもとめない大樹も続々と小さな花を咲かせていきます。そんな目立たぬ花々にもスポットを当ててご紹介していきたいと思っています。
平成26年4月14日 (京都土木事務所Y)
前号の第144号で「ジャスミン」か「ライラック」だったか記憶が曖昧と御紹介しましたAさんに教えてもらった花の件です。
さっそくいつもご覧頂いている方からご連絡をいただきました。いつも京都府立医大辺りの鴨川を散歩されている方からです。
その花は「ライラック」正確にいうと「ヒメリラ」とのことです。「ジャスミンは花も木の丈ももっと大きいそうです。更に、エゴノキ?と思っていた花は「ハナカイドウ」との事でした。そして「モモ」は「ハナモモ」と教えて頂きました。有難うございました。
<ジャスミンならぬヒメリラ(ライラック)>
<エゴノキならぬ“ハナカイドウ”>
<モモ 正確には“ハナモモ”>
ソメイヨシノの花が散りました。一斉に咲いて一斉に散るという印象ですが、その一本の木にも早く咲く花もあれば、遅れて咲く花もあります。ソメイヨシノは、幹に近い場所の花が先に咲いて、枝の先の方へと順番に咲いていくと聞きました。
今シーズンは、下の方からてっぺんの所まで順番に咲いていく様子を見ることが出来ました。てっぺんの花が開いて満開という順番に咲いていく様子が確認できました。
<事務所から見下ろす満開のソメイヨシノ>
(平成26年4月4日撮影)
(平成26年4月4日撮影)
それでも、葉が出て来る桜の幹にも遅咲きの花が開いていることもあります。他の花が花ビラを散らす中、今が旬と咲いています。
<葉ザクラへと変わっていきます>
(平成26年4月12日撮影)
<そんな中でも今が旬の花も>
(平成26年4月12日撮影)
散り始めたソメイヨシノは、白っぽい花びらが落ちて濃いめのピンク色の“めしべ”“おしべ”が露わになって、緑の葉と相まってこれはこれで綺麗なものです。
花が散ったら「今年のサクラも終わりだな」という言葉をよく耳にしますが、その時々の姿を愛でるのも楽しいものです。定年退職をされて第二の人生を歩む方々の姿がオーバーラップするのは私だけでしょうか。
<濃いピンクに緑の葉が映えます>
(平成26年4月12日撮影)
そんなソメイヨシノの横では、今から花を咲かせる遅咲きの桜が蕾を膨らませています。花を付けていない時期には、見分けの付かないサクラも今の時期は種類が違うのだと確認できます。どこかで聞いた話ですね。
<これは、今から咲く蕾>
(平成26年4月12日撮影)
以前御紹介しました、折れて幹から離れたソメイヨシノはどうなったでしょう。傍に寄って見てみると、水分が不足しているせいでしょうか、花びらは散らずに小さく縮んでいます。自然の作った桜のドライフラワーの様です。
<まだ花が散らずに付いています>
(平成26年4月12日撮影)
<小さな手毬の様に固まる花>
(平成26年4月12日撮影)
<太めの枝から直接咲く花>
(平成26年4月12日撮影)
縁あってお知り合いになりました国際会館の職員さんにお会いする為に、普段は足を運ばない岩倉川(高野川の支流)へとやってきました。ここまでくると比叡山が間近に見えます。
遠く眺める比叡山と違って、大きなその姿を仰ぎ見ます。改めてその形の面白さ、雄大さを確認しました。
<散りゆくサクラのバックに雄大な比叡山>
平成25年の台風18号でかなりの土が流された寄州、中州ですが、ムキだしになった寄州の土に、セイヨウカラシナの瑞々しい葉が大きく広がり、次に上へと茎を伸ばし、黄色い花が咲き始めました。川の中も賑やかな春を迎えました。
<流されずに残った種が葉を出しました ”セイヨウカラシナ”>
(平成26年3月2日撮影)
<垂直方向に伸びていきます ”セイヨウカラシナ”>
(平成26年3月27日撮影)
<黄色い花が顔を出しました ”セイヨウカラシナ”>
(平成26年3月27日撮影)
<花畑の様に ”セイヨウカラシナ”>
(平成26年4月9日撮影)
北大路橋下流右岸から上流に続くニレ科の大樹も葉を出し始めています。大きな幹をよく見てみると、カマキリの卵が生み付けてあります。そして上を見上げると、幹から枝分かれした所に雑草が生えています。
雑草の後には柊の木でしょうか。トゲトゲのある葉が見えています。
長い年月が経過するうちに木の又に土がたまったて、そこに飛んできた雑草の種が芽を出したのでしょうか。反対側に回ってみるとシュロの様な葉が出ています。実生の種が鳥が仲介したのでしょうか。大樹が色んな命を育んでいる様です。
<葉を出し始めたニレ科の大樹>
(平成26年4月9日撮影)
<写真中央にカマキリの卵>
(平成26年4月9日撮影)
<木の又実生の植物が>
(平成26年4月9日撮影)
<柊の様な木も>
(平成26年4月9日撮影)
<シュロの様な葉も見えます>
(平成26年4月9日撮影)
<赤く出た葉が緑色へと移り変わります>
(平成26年4月9日撮影)
「寄らば大樹の陰」という訳では無いのでしょうが、大樹が頼もしい大家さんのようです。この大家さんの命のある限り、ここに自生した草や木は刈り取られる事なく安心して花を咲かせる事が出来そうです。
「大きな木だな」と遠くから眺めていた大樹も、近くで観察してみると色んな真発見があるものです。
川の中の護岸べりに根ごと流れ着いたと思われる木からも新緑が顔を出しています。これまた近づいて見ました。護岸に堆積した土に傾きながら根を伸ばしています。「置かれた場所で咲きなさい」という本を思い出しました。どんな境遇でも生きていく事を諦めない“生命力”を感じます。
<25年台風18号で流れて来たのでしょうか>
<護岸に貼り付く様に>
<精一杯に根を伸ばす>
街の中には、人間が造った構造物をかいくぐりながら生きている植物が沢山あると府立植物園の松谷名誉園長さんからお話しを聞いた事があります。松谷氏はこれを「バトル」と呼んでおられます。これもバトルの一つなのでしょう。
大きく育つと護岸に影響があるかも知れませんが、しばらくはそっとしておきましょうか。こんなに精一杯根を伸ばしているのですから。
平成26年4月14日 (京都土木事務所Y)
鴨川真発見記では、これまでも鴨川に生えている樹木を京都府立植物園の皆さんを始めとする多くの方のご協力を得て紹介してきました。
冬の間葉を落とし、春には新緑を見せてくれる樹木がどんな風に葉を出すのか。何気なく緑が増えて来たなと思っていた私ですが、今シーズンはその様子にも注目してみました。
樹木管理の為に作成されたポンチ絵や、樹木の脇に添えられた名札を頼りに、葉が出る前の木の様子を記録し、新緑が出始めた頃にその様子を見て回りました。
ソメイヨシノの葉の様に花が咲いて、その後に葉が出る樹木もあれば、葉と花が同時に出て来る樹木もあります。
葉ザクラの様子は第146号で御紹介しましたので、他の樹木を紹介したいと思います。
3月の中旬には、どの落葉樹も幹と枝のみで何も付いていません。最初に御紹介するのは、「イロハモミジ」です。モミジに花が咲く事は、ようやく昨年になって知りましたが、今年はじっくり観察しました。
<幹と枝だけの“イロハモミジ”>
(平成26年3月11日撮影)
小さな小さな蕾を付けた枝先の元から、緑色の葉っぱがその姿を現そうとしています。しわくちゃな緑の固まりが、産道を通って外に出る様に開いて行く姿は、どの生き物にも共通する姿のようです。
<蕾を出して産毛の様に>
(平成26年4月4日撮影)
<よく見ると緑の葉も出始めています>
(平成26年4月4日撮影)
<特徴あるモミジの葉の形が現れます>
(平成26年4月4日撮影)
<枝先に小さな花と蕾>
(平成26年4月4日撮影)
見ようと思って見なければ見落としてしまう程の小さな花が緑の葉の根元で開き、実を結んで行きます。この実は、二枚のプロペラ状の羽の様な物を付け、秋には風に吹かれて竹とんぼの様に飛んで行き、新たな命の継承を図ります。
川の中では、カラスが盛んに鳴いています。するとこれは初めての光景です。浅瀬に佇む“アオサギ”の頭の上から“カラス”が何度も威嚇しています。
<風に吹かれるアオサギの横からフワリとカラス>
<何度も繰り返し降下する“カラス”>
<仁王立ちで迎え撃つ“アオサギ”>
<「しつこいわね」と“アオサギ”>
“カラス”が空中で“トビ”にちょっかいを出して追い回す光景は度々目にしますが、“アオサギ”に向かって行くのは初めて見ました。何度も執拗に威嚇を繰り返し、足元にあったパンとおぼしき物を持って飛び去りました。
そして、水際に降り立つと“パン”らしき物をくちばしでちぎり、水に浸して食べていました。そのままではノドを通らないので湿らせているのでしょうか。パンは牛乳に浸して食べないとノドを通らないという人もおられます。カラスも賢いですね。
<離れた場所の中州に降り立ち>
<“ちぎって”水に浸して>
<飲み込みます>
カラスがトビを追いかけ回す理由は判りませんが、この光景を見て“カラス”と“アオサギ”の事の顛末を推理してみました。何処からかパンを調達して、水辺にやって来たカラスがパンを下に置くと、アオサギが長い首を伸ばして横取りしようとしたのでは無いでしょうか。
カラスは自分に不利益な事をする相手には執拗に攻撃的になるようですから。
そんな一騒動あった鴨川は、大文字のすそ野を淡いピンクに飾る様に咲いた桜も散り去って、引き継ぐ様にセイヨウカラシナの黄色が色を添えていました。
<「サクラ」の“ピンク”に変わって「セイヨウカラシナ」の“黄色”>
ある日の事、光と影の妙を感じる光景を見ることとなりました。御存知の通り“みそそぎ川”は水深の非常に浅い川です。その水面に“アメンボ”が浮かんでいました。正午前の真上からの太陽の光が、川底に影を写し出しています。
水面に接している部分は見た目には小さな一点のようですが、その影は丸く大きく写し出されています。水に接する面積は思った以上に大きいようです。
<波紋を広げて動き回る“アメンボ”>
<“アメンボ”の本体は影の左上>
太陽の光を浴びて活動する生き物もいれば、闇夜に紛れて活動する生き物もいます。鴨川や高野川を夕暮れ時に歩いていると、ヒラヒラと自由自在に頭の上を飛び回る生き物が目に入ります。
夕暮れ時にかなりのスピードで飛び回るこの生き物なので、写真を撮ろうと何度もトライしましたが、光が少なく鮮明に確認出来る写真が撮れませんでした。
それでもなんとか形の確認出来る写真を撮ることが出来ました。“ツバメ”の様に自由自在に飛び回っているのは“コウモリ”の様です。以前の住まいのベランダにコウモリが舞い込んできて、洗濯物に貼り付いていた事があります。
<写真下の黒い点が“コウモリ”?>
<暮れゆく青空に“コウモリ”の黒い影が写し出されました>
<羽の先の曲がり具合が特徴です>
<以前我が家へ迷い込んだ“コウモリ”>
夕暮れ時の高野川での光景です。まだ葉が出始めたばかりの落葉樹は、バックの風景に吸い込まれる様に姿が目立ちませんが、夕日に照らされて水面にその存在を浮かび上がらせています。
やがては葉を茂らせてその存在感を誇示するでしょう。今後も、様々な新緑を追いかけながら、春の鴨川の様子をお届けしたいと思います。
<夕日が川面に木の骨格を映し出しています>
平成26年4月21日 (京都土木事務所Y)
早朝の高野川・鴨川を歩いて出勤する事も珍しくありません。今回は、4月22日の出勤途上で出会った光景を御紹介します。
住まいのある修学院から高野川沿いを南下し、出町で鴨川へと進路を変えて事務所のある北山大橋まで、ゆっくり2時間弱かけて色んな光景に出会いました。
最初に目に付いたのは、「ツツジ」の“つぼみ”です。つぼみはほどけて花開く訳ですが、「ツツジ」は“つぼみ”を被う皮を脱ぎ捨てて花開くようです。その皮が傘を被った様につぼみ上に乗っかっています。しかも複数の花が1つの皮に包まれているようです。隣ではその皮を突き破って姿を現した“つぼみ”も見て取れます。
<膨らんだ“つぼみ”が皮を押し上げています“ツツジ”>
<こちらは皮を突き抜けて>
高野川で試験的に水制工を施した場所では、ワンドが出来ています。そこへツバメが次々とやって来て、土を口に含んでいきます。中には小枝を一緒にくわえているのもいます。
粘土質の土なのでしょうか。昔の土壁の要領で土に小枝を混ぜて巣作りに励んでいるようです。ここがツバメにとっては建設資材置き場のようです。
<水の澱みが出来ました>
<かわるがわるやって来る“ツバメ”>
<口いっぱいに土を含みます>
<小枝をくわえて>
<資材運搬に出発>
“ツバメ”を見送って右岸を行くとコンクリートと道路のコンクリートの継ぎ目の隙間から“ヒナゲシ”が伸びています。これも松谷名誉園長さんの呼ばれている「バトル」の一種でしょう。
<コンクリートの継ぎ目から“ヒナゲシ”>
ヒナゲシの“つぼみ”は縦に綺麗に裂けて花開くようです。たまごの様な“つぼみ”から覗いた鮮やかなオレンジが神秘的です。
<パキッと裂ける音が聞こえてきそうです>
昨年の台風18号の影響で、寄州だった箇所が中州に変化した場所もあります。水に親しむための階段が設置されているところでは、中州に濡れずに渡ろうと石が並べてありました。中州に渡る仮設の飛び石でしょう。
御所南小学校の皆さんにご提案いただいた中州に渡る飛び石が、お手製で造られています。
<階段下に石が並んでいます>
高野橋上流右岸では、遅咲きの八重の桜が満開を迎えました。仁和寺の御室桜は先祖返りで一重の花が増えているようですが、こちらはキッチリ八重桜です。
<並ぶ八重桜>
<約10本の八重桜>
同じく昨年の台風18号で大きく削られ、土がムキだしになった寄州の土の上には、緑が戻りました。菜の花を始めとする様々な緑が寄州を覆っています。
台風前に護岸を覆い尽くしていた“つる科”の植物も顔を出してきたようです。
<台風18号通過の翌日 平成25年9月17日の様子>
<平成26年4月22日現在の様子>
そんな様子を眺めながら歩いていくと、松の枝が張りだした場所に来ました。見上げてみると、松の先から小さな松ぼっくりの赤ちゃんが顔を覗かせています。回り込んで見てみると、表にはニョキニョキと花が伸びています。この小さな“つぶつぶ”が松の実なのでしょうか。
<写真中央に小さな粒の塊>
<これが松ぼっくりになるのなら 粒は松の実?>
出町で出会ったのは“コナラ”の新緑です。枯れた葉を春まで付けたままだったコナラにも新緑が出ています。枝からは雄花、雌花が咲いています。ネット検索してみると、枝から咲いている小さく濃い色の花が雄花で、枝先から咲いている黄色みがかった花が雌花のようです。ですので、一本の木で団栗が出来上がります。
<コナラの名札>
<こんな感じで冬を越しました>
<出町の“コナラ”>
<“雄花”>
<“雌花”>
寄州のセイヨウカラシナは、「私が一番高く」と競うように上へ上へと伸びています。まわりにライバルが少ない場所ではそんなに高く伸びていない様ですが、密集しているところでは、太陽を求めて上へ伸びていきます。
何の世界でも一緒の様な感じです。ライバルがいてこそ切磋琢磨して伸びていく事と似ている様な、違う様な・・・。
<どこまで伸びるか“セイヨウカラシナ”>
北大路橋を通過すると、“ツツジ”の植え込みが見えてきました。視界に入る範囲では、一輪だけ「一番星」の様に花を開いています。
<よく見ると「一輪咲き」 “ツツジ”>
<緑の中に紫の点>
そのまま北上して、京都土木事務所近くの“飛び石”の所まで来ました。川の中にカメラ向けて熱心に写真を撮る方がおられます。「何かな?」と近づいて行くと、川の中に「オオサンショウウオ」が横たわっていました。
<流れ落ちる水の横に“オオサンショウウオ”>
早速写真を撮って、京都府教育委員会文化財保護課(TEL075-414-5896)へ目撃情報を入れました。「オオサンショウウオ」が移動していなければ「保護」される事でしょう。皆さんも発見情報は上記へお願いいたします。
<この落差は登れません>
<かなり大きな“オオサンショウウオ”でした>
京都土木事務所では情報を頂いても対応が出来ません。なお、先日賀茂川漁業協同組合さんのホームページでも紹介されていましたが、「オオサンショウウオ」に噛まれる事がありますので、見つけても手を出さないでください。噛まれるとかなりの深い傷を負うそうです。
こうして、出勤前の「勝手に鴨川出勤ツアー」は終了しました。あなたも少し早起きして早朝の鴨川を歩く「セルフツアー」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
平成26年4月22日 (京都土木事務所Y)
上賀茂学区の社会福祉協議会では、役員がお集まりになって防災に関する学習会を開催されています。その第2回のお題は「鴨川に関する防災」です。鴨川を管理する京都土木事務所にお声がかかりました。
仕事を終えた皆さんが上賀茂会館にお集まりになっての開催です。この学習会は、昭和10年の大水害の記録誌を複刻された上賀茂学区社会福祉協議会の久保田さんのお声かけで、この学習会が開催されています。今回は自主防災会など自治会の役員さんも参加されました。
<記録誌「水禍」複刻版の表紙>
最初に吉田技術次長から、鴨川の姿、整備の歴史、昭和10年の大水害を契機とする大改修などをプロジェクターの画像を示してご説明しました。皆さん熱心に説明をお聞きいただきました。
<鴨川の姿から>
約40分の説明の後、質疑応答の時間となりました。
<質疑応答の時間>
最初の質問は、国が災害に関する警報をいち早く住民に知らせる方針を出しているが、鴨川はそれにどう対応するのか。という難しい質問です。
日頃から大雨の注意報や警報が発令された場合には、土木事務所の職員が事務所に待機して雨量や水位を監視し、またライブカメラで川の様子を目視しながら、定められた水位に達すると京都市を始めとする関係機関に連絡し、水防団は活動に備えるなどと説明をしました。
また、ホームページであらゆる情報を見ることが出来る事をお伝えすると、スマートフォンでは見る事が出来ないのかとの質問も返ってきました。
出講した二人はガラ系の携帯なので詳しくは解りませんが、インターネットに接続出来れば見る事が出来るとお答えしました。
鴨川真発見記をご覧頂いている皆様にもこのカメラの存在を知って頂く為、どうすれば見る事が出来るのか手順を御紹介したいと思います。
府下全域のカメラが設置されていますが、今回は鴨川の出町橋に設置されているカメラの映像を見るには、という手順を御紹介します。
赤い丸印の文字をクリックしていくとカメラの映像にたどり着きます。
先ずは京都府の公式ホームページにアクセスしてください。
(※以下のホームページは平成26年当時のものです。現在の危機管理WEBはこちら(外部リンク)へ)
<1 きょうと危機管理WEBをクリック>
<2 雨量・河川水位・土砂災害 気象(警報・注意報)をクリック>
<3 京都府河川防災情報をクリック>
<4 地図の「京都」をクリック>
<5 河川防災カメラ一覧表をクリック>
<6 出町橋をクリック>
<7 出町橋の平常時の様子と現在の様子が映し出されます>
すると早速自分のスマホで検索されて、見る事が出来るとおっしゃる参加者もおられました。
また、「水位計は何処に設置されているのか」という質問もありましたので、「北山大橋下流左岸が上賀茂地区では一番近い所」とお答えすると共に、ここの水位を基準に北大路橋の下の通路を通行止めにする事も説明しました。
<鴨川へ降りる階段に沿って水位計を設置>
<川の中から管が出ています>
上賀茂地域、鴨川の東側は宅地に比べて川の堤防天端が高い所にあるが、これは積み上げたのか。との質問には、昭和10年の大水害の時に、鴨川の西側は水が溢れることは無かったが、東側は川沿いの家が流されたり、溢れた水で浸水するといった被害が生じたため、堤を高く積み上げたため、宅地より高い位置に堤防天端がある事を説明しました。
<宅地>
<道路=堤防天端>
<鴨川>
堤防天端から宅地までの高低差は、普通のお宅の1階分くらいあります。出町橋から御薗橋辺りにかけて、鴨川の右岸から眺める町並みは多くが2階部分から上が見えています。
かくいう京都土木事務所も見えているのは、2階部分と3階部分です。北山通りから入る玄関は2階なのですが、多くの人が勘違いされます。「2階と聞いて来ました」と3階へお越しになる方が絶えません。
玄関に大きくここは2階です「管理室はこちら」と案内を出しても、初めて来所される方の目には入らないようです。
<2階建に見えて実は3階建>
<京都土木事務所も同様に>
平成25年度に実施した御薗橋下流の中州除去工事に関しては、これまで大量の土砂が堆積して川の流れが見えない状況であったが、綺麗になって川の流れが見える様になった。とてもいい状況になったと皆さんご満足されていました。
<御薗橋・上賀茂橋間 右岸から上流を望む>
(平成25年5月)
<御薗橋・上賀茂橋間 左岸から上流を望む>
(平成26年4月)
<御薗橋・上賀茂橋間 左岸から下流を望む>
(平成26年4月)
そして、「かもがわ」の漢字表記についても質問があり、やはり地元上賀茂を流れる区域は賀茂川が正しいのではと皆さん口々におっしゃいました。
河川法では起点から桂川の合流点までを「鴨川」の漢字表記で統一しているが、地元で慣れ親しんでおられる表記も間違いではなく、ご自分の親しんでおられる表記が正解と説明させていただきました。鴨川真発見記第126号をご参照ください。
鴨川に設置している案内板には、一方の面に“ひらかな”で「かもがわ」と表記し、反対側の面には、鴨川(賀茂川)と表記しています。
法的な使用以外は、皆さんのお好きな「かもがわ」をご使用ください。
<一級河川“かもがわ”>
<一級河川“鴨川"(賀茂川)>
質問も尽き少々時間がありましたので、「鴨川真発見記」の宣伝をさせていただきました。昭和50年の鴨川の様子と現在の様子を比較した第113号や、西賀茂橋付近の中州除去工事の際に捕獲された“タウナギ”を紹介した第73号、桜の自己再生の話など、画像を見ながら紹介しました。
御薗橋東詰めに咲いている、鴨川では一本だけの“黄色いサクラ”を御存知ですがと、画像を映そうとしましたが、流石は地元の方です。「知ってる、知ってる」の反応に画像を映すのを止めました。
鴨川真発見記をご覧の皆様には、今シーズンの咲き始めから、満開へと移り変わる“ウコンのサクラ”をご覧頂きたいと思います。
<咲き始めのウコンザクラ>
<薄い黄色の花>
(平成26年4月15日)