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鴨川真発見記 平成25年2月

 第68号 春を待つ鴨川

暦の上では春近し

 二十四節気のうちの「立春」を迎え、暦の上では春となった休日、柔らかな日差しに誘われて足は自然と鴨川へと向かいます。

 最近よく登場する「ツグミ」です。いつもは背中の写真が多いですが、今回はけっこう近くから「横」「正面」の姿を撮影させてくれました。いい顔しています。

<胸元が魚のウロコみたいです>

<前から見ると少し”イカツイ”顔です>

 ぽかぽか陽気に誘われて、お子さん連れの散歩の方も目立ちます。

<お姉ちゃんが妹の手を引いて>

 上流から流れてきた長い木の枝が河原に突き刺さっています。一生懸命石を積んで倒れないように頑張って作ったのでしょう。その姿が目に浮かびます。

<鴨川にトゲが刺さったみたい>

 傍に橋があるけれど、観光客の皆さんが飛び石を渡ります。やっぱり見てしまうと「渡って見ようか」という心理が働く様です。

<団体で並んで渡ります>

<すっかり有名スポットとなった出町>

 いつもはその長い脚を水面から出して、忙しなく動き回っている「コサギ」ですが、この日はゆったりと入浴を楽しむ様に体を水に浸けてのんびりしている様にも見えます。

<とても落ち着いています>

<背中を丸めて温泉に浸かっているような>

 しばらく歩いていると、気温はどんどん上昇し上着を脱がないと暑いほどに暖かくなってまいりました。釣り糸を垂れる男性は上着なしで腕まくりですし、すれ違う方も上着を脱いで手に持って歩くほどの「ぽかぽか」天気です。

<暖かいな~>

<休日も清掃作業は続きます>

 その次の日も晴天続きです。またまた、鴨川へと足が向かいます。この日は、NPO法人京都景観フォーラムさんが主催されましたシンポジウム「鴨川・まちと川のあゆみ」に参加するため、五条まで出掛けることとなっていましたので、鴨川散歩がてら会場に歩いて向かうことにしました。

 前日に負けず劣らず、良いお天気です。歩きはじめると案内板を覗き込み指を差す方が目に入りました。この時期の案内板はよく目立つため、御覧になる利用者が多いことを最近実感しています。

<案内板を覗き込む2人>

 お子さんは、元気に薄着で飛び石を行ったり来たりして遊びます。子供にとっては親水施設も良い遊び道具となっているようです。

<ぴょんぴょんと飛び跳ねて>

<チョット一休み 真ん中のカメでうつ伏せになりました>

 例によって、ぐるりと周りを一周みまわしてみると、ピンポイントの鴨川大文字スポットが目の前にでてきました。東から来て、鴨川で突き当たっている東一条通りです。鴨川から「この通り」の東を仰ぐと大の字が大きく見えます。鴨川からは障害物なしに見える「最大」の「大」ではないでしょうか。

<ここから燃えてる姿を見てみたいです>

 対岸へと目を向けると、鴨川に設けられた水道施設が国際交流の場となっている様子で、外国人の親子と日本人の少女がなにやらお話しているようです。

<鴨川のオアシス水道水>

 二条の飛び石で日本人の譲り合いの心を見たので御紹介したいと思います。

 カップルが左岸から、女性が右岸から飛び石を渡っています。一人対一人の場合はすれ違うのも比較的簡単ですが、二人で行動するということが頭にあるためか、常に二人分のスペースを確保しようとされていたのだと思います。一旦バックして右岸から来た女性に進路を譲って差し上げました。

<ん、通れるかな>

<ん~、どうしようか>

<バックしよう>

<お先にどうぞ>

 歌舞練場の前では、若者がギターとバイオリンを弾きながら歌っています。彼等の奏でる演奏の観客は中洲に集った野鳥の様にも見えます。今日のお客様は「カワウ」「ユリカモメ」「マガモ」の団体様のようです。

<最高の練習舞台ではないでしょうか>

<客席は満席のようです>

 この「ぽかぽか」陽気は人を鴨川へと引き寄せます。節分ということで、お昼ご飯に恵方巻きを鴨川でほおばる人があちらこちらに。くれぐれも「トンビ」に御注意を。

<気持ち良く恵方巻きを頬張れますね>

 という訳で歩いているうちに会場に到着しました。会場である東山区総合庁舎では、昨年の三条~四条間の工事の際に展示しました古写真が1階の展示スペースにリユースして展示されていました。

<パネルの資料提供は「府立総合資料館」>

<昭和の笑顔 (株)淡交社 に了解を得ています>

シンポジウムの様子は次回に御紹介したいと思います。

 

平成25年2月4日 (京都土木事務所Y)

 

 第69号 シンポジウムに参加しました

「鴨川・まちと川のあゆみ」

 2月3日(日)NPO法人京都景観フォーラム主催のシンポジウム「鴨川・まちと川のあゆみ」に参加させていただきました。当日は天候にも恵まれ、鴨川散策を堪能(第68号)してからの会場入りとなりました。

 シンポジウムでは冒頭、鷲頭東山区長のあいさつで始まり、事務局からシンポジウムの趣旨説明がありました。

<東山区長の挨拶>

 今回のシンポジウムは、鴨川に架かる七条大橋が2013年に竣工百周年を迎えることを記念して、三条から七条間を対象に鴨川の歴史をふりかえり、将来像を探るシンポジウムとのことです。

 ここで第1部、報告となるのですが、その前に「サプライズゲスト」の紹介がありました。「門川京都市長が駆けつけてくださいました」というわけで、市長からも一言いただいて、第1部開始です。

<門川市長、今日も和服でご登場>

 最初は、鴨川の歴史やこれまでの整備についての報告です。伏見工業高校の森本教諭から、ふだん見慣れた映像を使っての説明となりました。我が同僚等が説明している場面を幾度も目にしてきましたが、新鮮さ溢れるお話でした。

<鴨川の整備の話は工業高校の森本教諭>

 続いて、立命館大学の林助教の研究テーマ「鴨川納涼床」についての報告です。鴨川では、昔は川の西にも東にも中洲にも、はたまた橋の下にまでも床が出されていたことなど、今日に至るまでの歴史を紐解いて説明いただきました。

 ただ、この光景が再現されることは今の鴨川では不可能であり、鴨川条例では、床の形状や高さを合わせようとしている今、統一性の無い時期に戻ることは無いと思います。

<納涼床の歴史は立命館大学の林助教>

 次に辻野氏による建築物のお話です。鴨川に面して大正末期から昭和初期に四条大橋付近にモダンな都市風景が現れたれたということで、明治に入って押し寄せる西洋文化を積極的に取り入れた京都人を想像することとなりました。

 特に四条大橋をはさんで「東」と「西」に洋館(西に現在の「東華菜館」東に現在の「菊水ビル」)が洋食レストランとして建設されたというお話に、文化は胃袋からという言葉や、京都は平安時代の遺産がもてはやされ、モダンな明治期が忘れ去られているとうい言葉が加わり、より印象的なお話となりました。

<画面の菊水ビルを説明する辻野氏>

 第1部の「トリ」は龍谷大学の学生による「鴨川運河(疏水)を活かしたまちづくり」についての報告がありました。あまり知らなかった疏水の南部地域での活用のお話や、その資産を活かした取組を学生が中心となって地域の方と進めているお話を興味深く聞かせていただきました。

<龍谷大学の取組紹介は川上さん>

 休憩をはさんで第2部の開始です。最初に事務局の小林さんからの報告です。

 「鴨川真発見記第41号」で御紹介しました「鴨川の橋めぐりツアー」の様子やそのアンケートから見えて来た鴨川に対する住民の意識や、景観に対する評価が紹介されました。これは、鴨川を整備・管理する京都土木事務所にとっても参考となる報告となりました。

<橋めぐりツアーの様子は小林さんから紹介>

 続いて中村さんから「鴨川の名所空間再生」についての報告がありました。鴨川という財産の活用についてのお話で、鴨川を広くPRする企画を考える上でのヒントを数多く頂きました。 

<中村さんから鴨川の名所空間活用の提案>

 パネルディスカッションでは、七条大橋に生えている草の話(鴨川の他の橋でそんな橋は無い)や七条大橋百周年記念行事の開催についての提案、七条大橋クリーニングの寄附を募ってはどうか、七条界隈だけでなく大学生の力も結集して京都市民のお祝いとして取り組んではという意見も出されました。

<パネラーの皆さんは御覧のとおり>

<会場が明るくなりました>

<左:シンポジウムのキーパーソンの酒谷氏 七条大橋近隣の酒屋さん>

<右:龍谷大学「未来の環境を支える龍谷プロジェクトの川上氏>

<左:都市景観デザイナーの恩地氏 現在は鴨川散策が楽しみ>

<右:京都女子大学専任講師桂氏 図書館司書課程だけあって文学と絡めて>

 また、京都の鴨川にちなんだ文学小説も多いことから、これらを通してその舞台となった場所を訪れ、何かを感じる企画などの提案もありました。

 京都土木事務所Yは、鴨川真発見記では、過去の記事の場所を巡る「鴨川真発見記ツワー」を暖めています。皆様に御紹介出来る時期が来ればお知らせしたいと思います。

 色んな方の色んな意見を聞かせていただいて、今後のヒントを頂いたシンポジウムとなりました。「また少し鴨川の事を勉強したぞ」と納得しながら会場を後にしました。 

 

平成25年2月5日 (京都土木事務所Y)

 

 第70号 夜の鴨川もなかなかイイです

川面に映るまちの灯り

 外出からの帰り道、電車を途中下車して夜の鴨川を少し歩いてみました。川に夜間照明は付けませんが、四条界隈では「街の灯り」で思いのほか明るい空間となっています。

 周りの様々な風景は闇に包まれて、人間の作り上げた照明が光輝き、その灯りが川面に揺れている様子にしばし目を奪われます。

<四条大橋付近から上流を望む>

 その照明の中でアルコールを頂く事の方が多い私ですが、「しらふ」で眺める鴨川夜景も気に入ってしまいました。

 一際明るい照明は、川面に映るというよりも、川面を照らしていると言った方がよさそうです。光の強弱もその風景を構成しています。電気不足はどこへやら・・・。

<まばゆいばかりの光が溢れています>

 橋に設置されている道路照明も川面に光を投げかけています。光が「まあるい」のでやさしい感じを出しています。

 よく考えてみると、夜の鴨川を歩くときはいつも「納涼床」の設置される右岸側ばかりでした。右岸からみるとこんなに光が川面に飛び込んでいる印象はありませんしたので、新鮮な感じです。

<充分外まで照明してくれます>

<綺麗な夜景です>

 そんな光に照らされて、見覚えの有るシルエットが浮かびあがっています。「グゥア、グゥア」という鳴き声も聞こえてきました。「ユリカモメ」は「ねぐら」の琵琶湖へ帰ってしまっていますが、「カモ」は夜も鴨川で過ごします。

<真ん中に小さくシルエット>

<カモの形が見てとれます>

 シルエットだけでは何ガモかはわかりませんが、カモには間違いありません。

 撮影した写真の「明るさ」を明るくしてみると、どうやら「マガモ」のようです。鴨川には天敵がいませんので、安心して夜を過ごすことができます。

<マガモでしょうか>

 建設中の某ホテルのクレーンも浮かび上がっています。

 賀茂大橋付近に差しかかると光の量は激減してポツポツと点の光のみとなります。やはり三条から四条は繁華街、その繁華街を流れる川にこんなに生き物が溢れていることのすすばらしさを感じずにはいられません。

<光も「まばら」になって参りました>

 また別の日の夜景を写してみました。今度は右岸からの眺めです。雪が舞い降りる中イルミネーションが輝いていました。 

<雪が舞い散ります>

<少し下流に行くと雪は止みました>

 今回は、静かな普段の「鴨川街中の夜」をお届けしました。

 

平成25年2月4日 (京都土木事務所Y)

 

 第71号 今日の鴨川の雪 その南限は

ついつい興味を引かれて

 朝起きると「雪が降ってるで」と家族の声がします。「降ってるけど歩いて仕事に行くのか」と聞かれ「こんな雪景色に歩かないでいつ歩く」と答えていつもより早く家を出ました。

 数少ない雪の日の朝、「今日はどんな光景に出会えるのか」とはやる気持ちを抑えつつ玄関のドアを開けました。

 「三寒四温」や「寒の戻り」などを連想させる「寒い」朝を迎えました。第68号で御紹介しました暖かな一日を思い出すと「三寒四温」なのでしょうか。

 いつもの様に高野橋から川へと入場です。今日は高野川の飛び石のカメも少し「おしろい」をはたいた様に雪化粧されています。これでは誰も渡れません。

<今日は“人”ではなく“雪”を乗せて>

<カメのシルエットが白く浮かびます>

 出町に向かって歩いていくと高水敷は真っ白に雪を被っていますが、心なしか雪の量が減っていく感じです。

<白い道が続きます>

 出町の飛び石のカメは頭のてっぺんにうっすらと雪が乗っているだけで背中には有りません。「北大路通」と「今出川通」でこんなに違います。

<ここの飛び石は渡れそうです>

 京都では、冬の気温の変化を南から「丸太町通」「今出川通」「北大路通」「北山通」と北に上がる過程で冷えていくことを体感すると良く聞きます。実際にそうなんですが、では今日はどこまで雪が有るのか。気になり出すともう止まれません。

 今出川通りを過ぎて、丸太町通へ南下してしまいました。高水敷の土の部分にはまだ雪が白く一面に乗っかっています。

<まだまだ雪が続きます>

 女子学生が二人小走りに追い抜いていきます。するとベンチにうっすら残っている雪をすくい取って丸めはじめました。

<雪だま作り>

 笑いながら“雪だま”を投げ合っています。朝の一瞬、雪に触るチャンスを逃さず雪遊びです。雪の少ない京都では、たまに見る雪に乙女の心も躍るようです。

<二人で雪合戦ですか>

 ベンチを順番に回って雪をすくい取って行きます。「鴨川真発見記第63号 鴨川にも冬将軍到来」の最後で御紹介しました当所管理担当のベンチの雪落としを思い出して、「無意識に同じ効果の仕事をしてくれているなあ」と思うのでした。

<順番に除雪作業をしてくれているようです>

 先日見つけた大文字ピンポイントスポットで「大」の字を仰ぐと、うっすら白い中に大の字が浮き出ています。もっと積もって真っ白の中に大の字が浮き出る光景を期待していますが、まだ今シーズンはお目にかかっておりません。

<もう少し沢山積もってくれれば>

 荒神橋まで来ました。ウッドデッキの舞台も真っ白になっています。荒神橋の上流と下流を見比べてみると“心なしか”下流の方が枯れ草が目立つようです。

<この舞台では足元が滑ってしまいます>

<荒神橋上流その1>

荒神橋の中央から上流

<荒神橋上流その2>

荒神橋の右岸側から上流

<荒神橋下流その1>

荒神橋の中央から下流

 そのまま、丸太町橋まで進むと雪は“まばら”となってしまいました。

 丸太町橋をくぐると雪はぐっと少なくなり、融雪剤の「塩化カルシウム」を蒔いた程度となってしまいました。

<もう死語かな「ごま塩頭」のような感じでしょうか>

 ここで、チョットよそ見になりますが、飛び石を渡っていた学生が足を止めて川中を見ています。傍にカモの群れがいるようです。しばらくすると一斉にカモが飛び立ち「びっくり」といったところでしょうか。

<朝日に光る川面がまぶしい>

<カモが彼女たちの目の前を飛び去って行きました>

 二条大橋まで来ました。どうやら今日の雪の境界線は二条大橋の様です。とりあえず目的を達成して心残りなく一日を過ごせそうです。

<二条大橋上流 ほんの少し白く見えます>

<二条大橋下流 白いものが見あたりません>

 冷え込んでいる朝、野鳥も朝日に向かって佇んでいます。川の中では“ヒドリガモ”の群れ、護岸の階段には“ドバト”が並んで朝日を浴びていました。

<太陽に向かうヒドリガモ・オナガガモ>

<太陽に向かうドバト>

 その時、河川敷に並べてあった重機が動き出しました。今回は工事編ではありませんが、少しその様子を御紹介します。

 中洲の除去工事です。詳しくは工事編で御紹介しますので今回はその様子のみお伝えします。バックホウが川の中の浅いところのルートを通って残された中洲の上へ進みます。それを追いかけて土砂運搬車が中洲に乗り上げます。

<バックホウが川の中をこちらへ向かってきます>

<中洲に到着です>

 バックホウは川の中から自身の足元までの土砂をすくい上げて運搬車に乗せて行きます。こうして土砂は川から運び出されて行くのです。運び出した土砂がどうなるのか。それは後の「工事編」で説明させていただきます。

<端からすくい上げて>

<運搬車に積み込みます>

 大文字の「大」を先程とは違う角度で眺めながらもと来た道を北上していきました。今シーズンはあと何回雪の鴨川を眺めることができるでしょうか。

 

平成25年2月8日 (京都土木事務所Y)

 

<丸太町橋から見た大文字 横顔です>

<賀茂大橋からの大文字 少し斜に構えた感じ>

<ベストポジションの大文字をバックに高校生が走ります>

<山では雪が降っているようで白くかすんでいます>

 

 第72号 2月の三連休 寒と暖の繰り返し

季節の移ろい 鴨川でも少しずつ春の訪れを感じます

 2月の3連休、そろそろ今年の鴨川の雪景色も終盤となってきました。昨夜の雪が残る中、雪が消える前に鴨川へと入りました。

 いつも川の中に頭を沈めてエサを食べるのに夢中の“コガモ”が今日は幾分落ち着いていました。バックの雪の白の前で“コガモ”が佇んでいます。

<コガモのオス>

<いつもこんな感じ>

 川面から飛び出したブロックの上では、“マガモ”のペアが仲良く首をすくめています。写真を撮る間だけポーズを決めてくれていたのか、撮影が終わるとサッサと川の中へ仲良く泳いでいきました。

<雪の横でいかにも寒そうなポージング>

<ハイOKです>

 ベンチの上には、小さな小さな「雪だるま」がチョコンと座っています。あまりの“小ささ”とその表情が思わず微笑みを誘います。大文字山も今シーズンに見た中で一番深く雪を被っている様子です。

<なんとも言えない表情です>

<今シーズン一番の白さです>

<荒神橋上流右岸から>

<出町から 大文字>

<北大路橋下流 ベストスポットから大文字>

 出町で発見。私は駆け出しなので初お目見えなのですが、とりあえず写真にパチリ。日本野鳥の会京都支部の方から頂いた「ミニミニ野鳥図鑑」を取り出してみると、「ヒヨドリ」のようです。(後日確認していただきました。)

 赤茶色のホッペが特徴のようです。

<ヒヨドリが鴨川越しに大文字を見つめます>

 「オナガガモ」があまりに綺麗なラインで泳いでいたので、ここでも思わずパチリ。木杭で守られた「中洲」の上では「コガモ」「ヒドリガモ」が体を丸めています。

<綺麗に編隊飛行のようです>

<正面を向くと胸の白さが際だちます>

 この日、私のお気に入りに登録している渡り鳥「キンクロハジロ」のオスが今シーズン初でお目にかかりました。今シーズンは単独のメスしか姿を見せてくれませんでしたので、オスはもう見ることが出来ないのかと思っていましたので「待ってました、ようお越し」という感じです。

<忍者ハットリ君に出てくるケムマキ君みたいに後ろ髪がピンとはねてます>

<水中を覗き込みました>

<忍者の如く水中へ姿を消しました>

 しかしながら、メス同様にオスも単独行動です。昨シーズンはオス、メス複数の群れをよく目にしたのですが、何かあったのでしょうか。

<昨シーズンはこんな感じでオス・メス複数で行動してました>

 翌日は、前日とは違い暖かい休日となりました。そんな暖かな陽気に誘われて、嫁も同行しての散歩となりました。

 歩いていると見慣れない野鳥の姿がありました。これは、姿形は「ゴイサギ」のようです。「たしか“幼鳥”はこんな感じとネットで見たような」と話ながら写真に収めると“くるり”と背中を向けて飛び立つと、対岸の葉の茂った木の中に入っていきました。

<ゴイサギの幼鳥 幼鳥とはいえ眼光は鋭いです>

<片足立ちで一方の足は温めています>

 巣があるのでしょうか。夜行性と聞いていますので、親鳥が休んでいるのでしょうか。こんなに上流で「ゴイサギ」はあまり見ないので珍しいと思い嫁に話しましたが、ピンと来ない感じの反応でした。

<くるりと背中を向けて>

<巣へと飛び去りました>

 雪解け水で、高水敷は少々緩んでいます。道行く人は、乾いている護岸の肩か土手側の草の上を選んで歩きます。足元の悪い日の川歩きはそれなりの準備をされることをお勧めします。ちなみに私は登山靴です。

<凸凹で歩きにくいから草の上へ移動>

 出町まで来ると、何やら右岸が賑わっています。我々も少し休憩することにしてベンチに腰を下ろして鴨川を眺めておりました。

 ウッドデッキの上で、小さなお子さんが自転車のペダル無しで、感覚練習をされているのを見ていると、その向こう側に「白バイ」に続いて「カメラマンを乗せたバイク」が横切っていきました。

<出町の飛び石で記念撮影も定番のようです>

<足でキックして進む自転車で練習中>

<白バイが横切ります>

 今日は大文字駅伝の日でした。コースを憶えていなかったので、すっかり忘れておりました。ランナーが次々と通り過ぎて行きます。大文字山を眺めながらの大文字駅伝応援となりました。

<大文字山を左手に見ながらの「大文字駅伝」です>

 少し移動することにして下流へと歩いていくと、サッカー少年達もしばし練習を中断して応援です。彼等の小学校も出場しているかもしれませんね。

<サッカー少年もしばし練習を中断して>

<走る仲間の応援でしょうか>

 そんな様子を眺めながら、目の前の木に目をやると、花の“つぼみ”が膨らんできています。「梅」もしばらくすると花開きそうです。春がそこまでやって来ているようです。

<梅のつぼみも膨らんできました 北野天満宮では梅園がオープンしました>

 ゴール地点の対岸に着くと、ラストランナーがやってきました。付き添っているのは、京都市消防局の自動二輪車でした。ラストスパートする姿に「ガンバレ」の声援も大きくなりゴール。今年の大文字駅伝は幕を下ろしました。鴨川で日々練習してきた皆さんお疲れ様でした。良い思い出になることでしょう。

<京都市消防局のバイク こんなバイクも所有されているのですね>

<ラストスパート 最終ランナーゴールイン>

 あまりに暖かくて気持ちが良いので、レストランにでもという予定を変更して河川敷きでランチタイムにすることにしました。

<お気に入りの惣菜を手にして河川敷きのベンチへ向かいます>

 相変わらず「トンビ」が上空を旋回しています。トンビの動きに注意しながらではありますが、美味しい「お総菜」に鴨川というスパイスが加わって更に美味しくいただけました。

<トンビはホントに気持ち良さそうに旋回しますね>

 三連休最終日はまたまた寒が戻ります。外国からのお客様も高野川でバードウオッチング&撮影です。日本語が全くというこのお二人に、「あの鳥は何というのか」と聞かれていると雰囲気で理解して「素人野鳥観察」の浅い知識で日本語でゆっくりと「ヒドリガモ」「マガモ」「カルガモ」と教えて差し上げました。

<ヒドリガモ カルガモ マガモ>

<レンズを通して 仲良く同じ野鳥を眺めます>

 この日は桜の季節を控えて、賀茂大橋よりも上流の桜の本数を数えに回っていました。こんなところにも「ど根性なんとか」かという感じの木が生えていました。

<ふだんは気づかないものですね>

 とにもかくにも、賀茂大橋上流の桜の本数は当所が管理している以外の桜も含めて把握することができました。どこかでクイズに使いたいと思います。

<ここも綺麗な桜並木が楽しめます 鴨川 北大路橋下流左岸>

 皆様花見の際には、ごみはお持ち帰り頂きますようお願い申し上げます。

 

平成25年2月13日 (京都土木事務所Y)

 

 第73号 中洲・寄州の埋蔵物

中洲除去で見えた鴨川のあれこれ

 鴨川の市街地を流れる区間の中でも上流に位置する西賀茂橋周辺(某ボーリング場あたり)で、現在「中洲」「寄州」の一部の除去を実施しています。
 川の中に溜まった土砂を取り除いているのですが、これに伴う“あれこれ”を御紹介したいと思います。

 今回除去する区間の一部に小さな“池”の様にポッカリ口を開けていて、増水時以外は水の流れない箇所があります。まるで自然に発生したビオトープの様です。いやいや、鴨川全体がビオトープと感じている今日この頃ですが。

<中央の水が溜まっているところが今回の舞台>

 この場所には普段水流が及ばないため、泥が溜まっています。この部分を崩す1週間前に賀茂川漁協の方達が“ある生き物”が生息しているのでは無いかと「鋭い勘」を働かせて、試しに網を入れてみると、その生き物が網の中に入りました。

 「やっぱりいた」と大当たりでしたが、その生き物はヌルリと逃げてしまったそうです。この生き物、冬はドロの中に潜っているそうで、この時期の捕獲は結構骨が折れるようです。

 そこで、バックホウの登場です。賀茂川漁業協同組合さんの指導のもと、施工業者さんの協力を得て捕獲作戦となりました。ドロごとすくい取り、土の上に引き上げ、広げて“うごめく”生き物達を捕獲しました。

<ドロもろとも汲み上げます>

<そして土の上へ>

 お目当ての生き物もいました。その生き物の名前は「タウナギ」です。名前にウナギは付きますが、皆さんお馴染みで激減していると言われている「土用の丑」のウナギとは全く別の生き物だそうです。

<ここにも、あそこにも。いるいる>

<どちらも「タウナギ」大きく育ってゆきます>

 中国からの外来種で味は美味とのこと。何でも食材とされている中国では好んで食されているそうです。「見た目」も「さわり心地」のウナギそのものなのですが・・・。

<人と比較してこの位の大きさです>

<タウナギの他にもフナやザリガニも>

 今回捕獲された「タウナギ」は京都水族館に運ばれていきました。賀茂川の生き物を展示している同水族館では、まだ展示していないそうで、初展示となる模様です。

<ヌルヌル滑るので軍手を使用>

<伸ばしてみると結構な長さです>

<アップで見るとこんな顔>

 そんな、周りをはぎ取られた池の中では、「アオサギ」がこれはチャンスとばかりに小魚の食べ放題コースを独り占めです。こんなに濁っていても首を「右へ左へ」かしげながら、正確に捉えていました。

<小魚キャッチ>

<どんな視界が広がっているのでしょう>

<またまたキャッチ、た~べほ~~だい>

 二十数年間かけて溜まった土砂の中には色んな“もの”が埋蔵されています。大きな木の切り株や昔懐かしい飲料水の空き缶などなど。二昔前のものですので「あっ、これあったな~」と自然と出来たタイムカプセル気分です。

<増水時に上流から流れてきたのでしょうか>

木の根だけ

<ゴルフの練習はご遠慮ください>

ゴルフボール

<空き缶も千年経てば“いにしえ”の貴重な資料となるでしょう>

缶ジュースの空き缶

<こんなの若い人は知らないでしょうね>

 今回の中洲除去により「第30号鴨川・高野川の飛び石」でご紹介しました埋もれた飛び石も久々に日の目を見ますが、“残す”か“撤去”するかの判断は今後の検討となります。

<土砂に埋もれた飛び石>

<26センチの長靴もはみ出します>

<この大きさでこの配置では少々歩き辛いかな>

<土砂の運び出しは着々と進んでいます>

 今回のエピソードで中洲・寄州は土砂だけでなく様々な“もの”をその体内に飲み込んでいるのだと再確認することとなりました。

 

平成25年2月18日 (京都土木事務所Y)

 

 第74号 素人野鳥観察 バージョンアップその3

 今回は、この冬「野鳥観察」に対する“姿勢”“意識”がアップした証ということで、ここまでの「鴨川真発見記」では紹介出来ていない(見たことが無かった)鴨川の野鳥を見ていきたいと思います。

 最初に登場するのは、後ろ姿がベレー帽を頭に乗せた絵描きさんといった佇まいの野鳥です。全体的に茶色を基調とした配色で、冬の“おしゃれさん”とでも御紹介させていただきます。その名を「シメ」というそうです。

<可愛い帽子が乗っかっているようです>

<振り返ると・・・>

<結構イカツイ顔でした>

<鴨川にて「この後ろ姿は」間違い無く「シメ」>

 続きましては、「ジョウビタキ」です。野鳥図鑑で見て「綺麗な鳥だな~」と思っていた野鳥で少し感動を覚えました。小さくてピントが上手く合わせられませんでしたが、「ヒッ、ヒッ、ヒッ」と鳴く「ジョウビタキ」に間違いありません。

<オレンジが綺麗な「ジョウビタキ」>

<白い点がアクセント>

<金網越しに、これ以上は追いかけられません>

 お次はこんな野鳥です。少し前に初めて撮影して野鳥の会の方に「イソヒヨドリ」と名前は教えてもらっていましたが、この日は特別大サービスとばかりに“パフォーマンス”を披露してくれました。

<「イソヒヨドリ」と再会です> 

 高野川の中洲除去現場でのことです。草が除かれ重機の通った跡の着く土の上に“ちょこん”と立ってこちらを見ているので、しばらくこちらも観察することにしました。

<こっちへ向かっているのか>

 カメラを向けていると、少しづつこちらに近づいて来るではないですか。どんどん近づいて、とうとう足元まできました。カメラで追い切れない程の接近遭遇です。

<あまり警戒している様子はありません>

<まだ近づくのか>

<遂に高水敷まで上がってきました>

<なおもジリジリ近づいて>

<勢い付けて足元まで来ました>

<オイオイ、カメラで追い切れません>

 その後は再度土の上に戻って大きな「ミミズ」と格闘です。お食事シーンを披露してくれようとしているのですが、どう見ても「ミミズ」のサイズがお口に合っていません。なんとか飲み込もうとするのですが、どうにも手に負えない様子で、ついに諦めました。

<端から咥えて>

<ん、ちょっと長いかな>

<なんのこれしき>

<そういえば、こんな風に“お餅”を飲む地方があったような>

<う~ん、もう限界>

<“無理”なものは“無理”諦めが肝心>

 人間ならば小さく切って食するのですが、くちばしでミミズを刻むのは「イソヒヨドリ」には無理があるようです。その後はまた近くの木にとまり、少し残念とでも言いたげでした。

<残念無念>

<ほかを探しましょう>

 無理して丸呑みといえば、ある日の昼休みに鴨川を散歩していると、「カワウ」が水中に入ったり出たりしながら暴れています。見ると、大きな鯉らしき魚を振り上げて飲み込もうとしていました。しばらく格闘しましたが、最後は諦めて吐きだしました。魚は命びろいです。「鵜呑みにする」といいますが、文字通りはいかず「鵜呑みに出来ない」ということになりました。人間の世界では「鵜呑みにする」はあまり良い意味では使われませんが、この「カワウ」大きな魚を「ウノミ」にしても消化できたかどうかは“さだか”ではありません。

<遠目では解りづらいですが>

<「カワウ」の口から大きな魚がこぼれ落ちました>

 小さな野鳥の中でも一際鮮やかな黄色のくちばしの野鳥の群れが目の前を横切り、木にとまりました。あわててシャッターを押す時間のみ静止してくれたのですが、ピントがイマイチです。動きの速い野鳥は撮影が難しいですね。あまり姿を見せてくれませんというか、気が付いていないだけなのでしょうが・・・。お名前は「イカル」です。

<「イカル」の群れ>

<あっという間に木の上へ移動>

<黄色いくちばし>

 最近よく目にする「ツグミ」です。この日は「ツグミ」の身だしなみを見せていただきました。水際にとまると、「バシャ、バシャ」と羽を広げての水浴びです。“入浴シーン”のサービスショットを撮らせていただきました。

<寒そうにしている「ヒドリガモ」の向こうに「ツグミ」がスタンバイ>

<水浴びの始まりです>

<上品な水浴びです>

<頭から水をかぶりません>

<ほかの野鳥の水浴びはもっと激しいです>

 今回のサブタイトル「鴨川“新”発見記」の由縁となった野鳥の登場です。雨の日の朝、いつものように鴨川沿いを歩いて通勤していると、白と黒の配色で少し大きめの野鳥が上流へ向けて羽ばたいています。「綺麗」な飛び方。キンクロハジロか?と思い少し遠目に眺めていると、水の中へ潜りました。やはり「キンクロハジロ」と納得して先を急ぎましたが、近づいていくと「どうも違う」とカメラを取り出して、精一杯のズームで撮影しました。

<「キンクロハジロ」に比べて白が多く、水に沈んでいます>

 急いで日本野鳥の会京都支部の方に連絡し、見てもらうと「凄い」の書きだしのメールが帰ってきました。「カワアイサ」という野鳥で、鴨川での目撃情報は「お初」ということで、鴨川で見ることができる野鳥リストに新たに加わることとなりました。

<黒というより深い緑のようです>

<潜水から浮上してきました>

<頭の後ろが少し膨らんでいるのも特徴だそうです>

<貴重な証拠写真となるのでしょうか>

<素人野鳥観察史上忘れられない一枚となりそうです>

 この野鳥は、日本へは多数飛来しているそうですが、警戒心が強いのか「近く」で見ることがあまり出来ないとネットには書いてありました。

 何はともあれ、今回は「鴨川“新”発見記」となりました。

 

平成25年2月20日 (京都土木事務所Y)

 

 第75号 ツインな野鳥たち

気の合う同士で鴨川生活

 鴨川で過ごす野鳥たちは、群れをなして生活していたり、単独で行動していたり、少数のチームであったりします。今回はそんな中でも2羽(ツイン)で過ごす野鳥などにスポットをあてて見てみました。

 最初に紹介するのは、その垂直に突き立てたお尻がプリティーな「オナナガガモ」のオスのツインです。他のカモも同じ姿勢をとりますが、ここまで綺麗な姿勢を長く保つことが出来るのは「オナガガモ」だけです。その名のとおりの長い尾羽でバランスをとっているのでしょうか。

 いつ見ても「シンクロナイズドスイミング」を連想してしまいます。

<見事にシンクロしています>

<人間のシンクロ同様に水中では激しく水をかいているのでしょう>

 今シーズンは単独行動が目立っていた「キンクロハジロ」ですが、少しずつ複数行動が目に付くようになっていました。こちらの「シンクロ」は「オナガガモ」の静止ポーズではなく、水中から飛び出すアクションを見せてくれます。

<綺麗に並んでいます>

<首の角度も同じ方向を向いています>

 同時に潜って、同時に水面に現れた時には拍手を送ってあげてください。

 こちらは「カラス」のツインです。オス・メスの区別は全く解りませんが、「カラス」は賢いだけでなく、夫婦、親子の絆がとても強いそうです。童謡「7つの子」にもその一端が垣間見えるのではないでしょうか。

 「カラス 何故啼くの カラスは山に 可愛いななつの子があるからよ」

<オスとメスでしょうか>

 目にする時はいつも1羽で単独行動の「ツグミ」ですが、この日は微妙な距離感でツインです。

<ご機嫌をうかがっているのでしょうか>

 カイツブリはいつも2羽~3羽で行動しているようです。

 ふだんは、1つの中洲に1羽の縄張りと見受ける「アオサギ」ですが、こちらも微妙な距離感で2羽が対峙しています。

<違う方向を向いていたアオサギです>

<やがて同じ方向を向きました>

 多数の個体で群を作っていることが多い「ヒドリガモ」も2羽で静かに浮かんでいます。

<頭がモヒカンの様に見えるヒドリガモ>

 濃い緑色の頭部が特徴の「マガモ」です。カモの代表格のこの姿の2羽が並んで浮かんでいます。上流を向いたその頭部に西からの太陽を浴びると、角度にもよりますが「グリーンメタリック」に輝きます。その角度に2羽が同時に向く瞬間を待って写真に収めました。自然界の不思議な色使いです。

<ぴっか、ぴっかのグリーンです>

 鯉もツインで泳いでいます。

 ヌートリアも最近生まれたのでしょうか、小さい個体がツインです。こちらは双子のツインズのようです。冬場は食料の草が枯れてしまっているので、草の根を掘り返して食べています。土の中に頭がめり込んでいました。

<双子ちゃん>

<頭を土の中に潜り込ませて>

 増水で小さくなった中洲の巣穴が手狭なのでしょうか、氷点下に冷え込む朝には家族5匹が身を寄せ合って寒さに耐えていました。

<身を寄せ合って>

 戦時中に人間の寒さを防ぐために日本にやって来た彼等も、その毛皮を持ってしても寒いものは寒いようです。なんといっても南アメリカが故郷なのですから。でもエサやりはご遠慮ください。今は草の根が主食なのですから。

人間も含めて「生き物」は一人で生きていけないと感じるのでした。

<おまけ> 

 オナガガモの様に綺麗な姿勢で「シンクロ」はしていませんが、マガモの倒立もなんとなく「コミカル」に見えるのは私だけでしょうか。

<マガモのオスがメスの横で倒立しています>

 

 

平成25年2月21日 (京都土木事務所Y)

 

 第76号 市街地最上流 柊野の雪景色

誰もいない空間で

 今となっては急に春めいて季節感がずれてしまいましたが、2月中旬の土曜日、早朝から雪が降りはじめました。この日は車に乗って、以前から「どんなんかな」と気になっていた「柊野堰堤」の雪景色を見に行きました。

 京都市内の市街地を直線的に貫く「お馴染みの鴨川」。その上流部はやはり雪が多いのかと朝の8時頃に到着です。

 雪が降り続く中での散策となりました。砂防堰堤から流れ落ちる水は、手前の岩の上に見える白い雪のせいか、とても冷たい様に見えます。真夏は清涼感を感じますが、冬には寒さを感じます。

<実際にとても寒かったです>

<下流方面も雪を被っています>

 流れ落ちる水も白く、雪も白く、後は黒っぽい色で、良く言われる「雪景色は水墨画」の世界が広がっています。

<水墨画の世界が広がります>

 暖かい季節には多くの人の声が響くレジャースポット「柊野」にも、こんな日には人影は見あたりません。

<人っ子一人いません>

 今朝の雪以降は誰も「足を踏み入れていない雪」の上に自分だけの足跡を付けてみました。私の足跡だけが「トコトコ」と続きます。

<まだ足跡の付いていない空間>

<一人分の足跡が付きました>

 そんな中でも、水が湧き出している場所では、その水が「消雪」役になって、その周辺には雪はありません。

<湧き出る水に雪は消えています>

 堰堤の傍まで行ってみました。人は誰もいない空間で「ムクドリ」がお出迎え、「ツグミ」が道案内をしてくれました。堰堤の向こう側には屋根に雪を乗せた民家が並びます。ここから上流域ではこんなに民家が密集した光景は見ることができません。

<ムクドリがお出迎え>

<ツグミが道案内、それ以上は行けませんが>

<堰堤の向こうには屋根の白くなった民家が並びます>

 少し日が差してきましたので、もう一枚堰堤の遠景を撮影して移動です。

<少し明るくなりました>

 北大路橋まで移動すると、先程にも増して日差しが届きます。白い雪の映えた良い感じの写真が撮れました。

<青い空も覗いています>

 更に出雲路橋まで移動すると“またまた”陰りはじめました。

<青空がかき消されていきます>

 この日は昼過ぎまで雪が降ったり、止んだりの繰り返しで京都市内全域に雪が舞ったそうです。

 ようやく雪が止んで青空が広がりました。

<青空が広がりました 比叡山は冠雪しています>

 用事を済ませ再び鴨川に戻ると、日が傾いていきます。それに合わせて「東の空」がピンク色に染まり始めました。

 ピンク色の夕焼けです。お馴染みはオレンジ色ですが、この日の夕焼けは薄いピンク色。桜色とでも言いましょうか。気温や天候による作用なのでしょうか、詳しいことは存じませんが、綺麗な景色です。

<比叡山の周りを薄いピンク色が包みます>

<下流方面にもピンクの帯が見えます>

<北山の風景にも薄く着色 水墨画の風景と対照的です>

 

平成25年2月20日 (京都土木事務所Y)

 

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