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鴨川や高野川をしばしば散策される方は一度は飛び石を渡ったことがあるのではないでしょうか。
併せてこの飛び石「何のため?」と思ったり、「なぜこの形」と思ったこともありませんか?
<鴨川の代表的な風景となった出町の飛び石>
この飛び石は、河床の安定を図るという主目的のために設けた横断構造物(これを「帯工」といいます。)の上にいろいろな形に模したコンクリートブロックを配置したもので、水位が低い時には人が渡ることができるという二次的な役割を果たしているのです。
今から約20年前に「河川環境整備」の一環で親水機能を合わせ持つ仕組みにチャレンジした技術職員の試みが「鴨川を代表する風景」へと成長した姿だったのです。
「鴨川を元の姿に」や「自然に配慮した整備を」などの意見を述べられる方も大勢いらっしゃいますが、この「飛び石」に関しては「親水施設」としてのみならず「川を渡る為の生活施設」として小さな子供から年配の方、更には愛犬まで数多くの足を受け止めてきました。そして私達はその存在を受入れ「昔からそこに存在していた」かの錯覚にさえ陥ってます。
どこにどんな飛び石があるのか御紹介しましょう。
現在使用可能な飛び石で一番上流にあるのは、鴨川の北山大橋下流。京都土木事務所のすぐ傍にあります。こちらの飛び石は少し小さめの「三角おにぎり形」がずらりと並んで、途中数カ所に「菱形」の少し大きなブロックが配置され、すれ違う時はここで待ちます。
<北山大橋下流の飛び石 通勤にも便利 右岸から>
道路で言えば待避所が設けられています。
各ブロックには「鯉」「サギ」「ゆりかもめ」などの鴨川に生息する生き物のプレートが貼り付けられています。
<帰りもここを通ります 左岸から 北山>
この飛び石は京都土木事務所でも通勤に利用している職員もいるようです。
<犬達も1列に並んで渡ります 北山>
次に北に位置しているのは高野川の高野橋下流の商業施設前にある飛び石です。
亀と大きめの飛び石が配置されています。ブロックの間隔が少し広めなので先の方へ移動してから次のブロックへと渡ります。
<川の水に親しんだり 涼んだり 高野>
進行方向によっては亀の頭を踏んづける形になりますので、その時は「御免ね」とつぶやきながら渡っています。
こちらも買い物へのルートとして地元の方の橋代わりの利用も多く見ることができます。
<住宅街からの買い物に便利 高野>
続いては一番有名な出町の飛び石です。「高野川」「鴨川」の合流点の手前で二つの河川にまたがり設置されています。
<一際賑わう飛び石 出町 鴨川右岸から>
こちらには前出の「亀」と「鳥」と「四角のブロック」が配置されています。「亀」に寝そべったり、またがったりと、夏の猛暑をしのぐ親水の場として賑わいます。
ちなみに「鳥」は先斗町の千鳥マークと同じ「千鳥」を模したものともいわれています。
<鴨川のチドリ 荒神橋上流>
次の飛び石は、賀茂大橋の一本下流の荒神橋の上流に位置します。
<家族連れなどで賑わう飛び石 荒神>
こちらも「亀」がメインのブロックが設置されています。こちらは水量が少ない時期には小石の河原が現れて地続きとなり子供達の遊び場となります。
<小さな子供も保護者と一緒なら安心 荒神>
<石投げに良い石無いかな 荒神>
最下流に位置しているのが、二条大橋上流の飛び石です。こちらには「千鳥」と併せて4隻の小舟が設置されており、映画「タイタニック」のまね事をしたり、舟に腰掛けて読書したりと思い思いの利用がされています。
<高瀬舟風のブロックが見えます 二条>
<飛び石から川に入って生物研究 二条>
<チドリの営巣に良い感じの河原が姿を現します 二条>
<私も乗せて 本物の舟で遊ぶより安全です 二条>
雨の後の増水時の飛び石は、ぬれて滑ったり、遠目には頭が水から出ていても近くに行くと沈んでいたりと危険ですので、完全に水位が下がるまで横断は控えていただいたほうがよろしいかと思います。
平成24年7月5日(京都土木事務所Y)
今にも降り出しそうな梅雨空に湿った空気がまとわりつく様な「ムシムシ」する日の夕刻、帰宅の為にいつもの様に鴨川北山大橋から下流に向かって歩いていますと、「うっすら」と霧が発生してきました。
<うっすら霧が発生してきました>
歩いているうちに段々と濃さを増して、舞台でドライアイスを炊いたような光景へと変化していきました。
<マガモのファミリーも霧を避けて>
<湯かげんどうでしょう?>
河川の霧は「沸かした”やかん”」から湯気が出るのと同じ現象とのこと。水の温度が気温より高くなった時に蒸発した水が飽和状態となって水滴となるそうです。
河川が近い郷里では「夜間」や「朝方」の気温が低い時間帯に霧に包まれるという経験は度々ありましたが、夕方はあまり覚えがありません。
時刻は夕方の6時過ぎでまだ明るく、しかも「じっとり」と暑さを感じる状況で霧を目にするとは思いませんでした。
「湯けむり」のような「噴き出すミスト」のような、はたまた「富士山の雲海」のような不思議な光景が広がっていました。
<空も河川も白くなりました>
この状況は「北大路橋」より上流で起こっていましたが、下流では霧は発生していませんでしたので、ここを境に何かの「環境」の違いが引き起こした現象ではないでしょうか。
道行く人は「見て!見て!鴨川が真っ白や」とケイタイの写メにその様子を納めていきます。やはり珍しい風景なのでしょうか。
<鴨川 川霧の図>
雪景色の「白」とはまた違った雰囲気の鴨川を目にすることが出来ましたので紹介せずにはいられませんでした。
この1時間も経たない間に京都市内には「大雨・雷・洪水注意報」が発令されて、水防待機当番の私は帰宅後「とんぼ返り」で事務所にもどり一夜を明かすこととなりました。
<水防待機当番とは>
大雨や洪水に関する注意報・警報が発令された場合に河川の状況を把握して関係機関に知らせる為に、通常勤務時間外に事務所内で情報収集・発信する業務を行うこと(複数体制です)。
平成24年7月7日 (京都土木事務所Y)
鴨川の人の利用風景で多いのは、ウォーキング、ジョギングですが、犬を連れてのウォーキングつまりは犬の散歩の光景が目に止まります。
<朝日を浴びての散歩は気持ち良いです>
ゆっくり進む犬もあればペースが速く人が引っ張られているケースもあります。一人で複数の犬を散歩させている人もいます。
<この犬達は夫婦なのかな?>
犬を介して飼い主同士の親交も深まる様で、「△△ちゃん」と対岸で散歩している犬の名前を呼んだり、知り合いの犬とスキンシップしたりする方もいます。
<小型犬大集合>
犬同士も尻尾を振り合って「毎日の挨拶」を交わしたりします。
<あんた大きいね。君小さいね。>
様々なスタイルで人と犬の健康の為の散歩が繰り広げられています。
<こちらは4頭様ご案内>
しかしながら、少し残念な事が何点かあるのです。その一つが「リード」と呼ばれる犬と人とを繋ぐ「ロープ」や「鎖」などの「犬を制御」するツールを鴨川の河川敷きに入ると首輪などから離して犬が自由に行動出来る様にする人を多数見受けます。
<犬は先に行ってます。なが~いリードかな?>
いわゆる「ノーリード」です。京都市発行の印刷物にはこう記してあります。
「放し飼いはいけません」
京都府の「動物の飼養管理と愛護に関する条例」により、犬はつないで飼うことが義務づけられています。放し飼いは、ご近所に迷惑をかけるだけでなく、犬が交通事故に遭う原因にもなりたいへん危険です。散歩をする時も引綱等をつけて、犬を制御できる者が行いましょう。
犬の飼い主マナーチラシ( PDFファイル ,2MB)(PDF:2,219KB)
<川の中でのノーリードも決して安心ではありません>
私の経験を一つ。仕事帰りに高野川のベンチで腰を下ろしてウインナーをぱくついていたところ、小型犬が私の膝に前足をのせて見つめてきました。飼い主は先に行ってしまっていて「早く追いつきなさい」と言っても離れません。仕方がないのでウインナーを1本差し上げて飼い主を追いかけてもらいました。
鴨川を利用されている方の中には犬が苦手な方もおられることと思います。また、ノーリードがトラブルの原因となることもありますので、しつけの行き届いた「お行儀の良い」ワンちゃんの場合でもしっかりリードで繋いでいただくことが「みんなの鴨川」を気持ちよく利用する一つの条件ではないでしょうか。
平成24年7月20日(京都土木事務所Y)
河川の水の中でのノーリードにもご注意を!
猛暑日が続く「夏真っ盛り」の京都鴨川です。日が傾く夕方になっても気温は30度を上回る暑さです。
鴨川の「飛び石」や水辺に近い階段では、靴下を脱いで流れる水に足を浸したり、水面を渡る涼風を受けながら体を横たえたりして鴨川の「涼」を楽しむ人達を見かけます。
<北山大橋下流 飛び石の中央に座して涼む人>
<北大路大橋下の階段で魚取り>
<カップルで夕涼み>
「カップル」「家族連れ」「散歩の途中の御年配」とあらゆる年齢層のみなさんが夕焼けを見ながら厳しい夏を「鴨川の恵み」で乗り切るといったところでしょうか。
<高野橋下流 亀の上で夕涼み>
<犬も水浴びでクールダウン>
<出町賀茂大橋 靴を脱いで場所とりへ>
<やっぱり水辺は涼しそう>
<対岸までびっしりの賑わいです>
<亀の上で熟睡でしょうか>
また、焼け付く様な「真っ昼間」クールスポットは、柊野公園です。こちらの砂防堰堤には綺麗な水が流れており、その流れる様を眺めるだけでも「涼」を感じますが、こちらではプール的に泳ぐ人が多く、全身に「鴨川」を感じての「クールダウン」となっています。
(大変危険なので堰堤からの飛び降りは決してしないでください)
<砂防堰堤から流れる水が涼しげです>
川遊びのスポットはなんといっても橋の下が広くて綺麗な「西賀茂橋」付近です。網で生き物をすくったり、水中めがねとシュノーケルで「鴨川の内部」を覗いたり。日焼けが気になる「お母さん」は橋の下で待機です。
<西賀茂橋 ここの橋の下は他と比べて明るいです>
<何か捕まえたかな?>
<上賀茂橋 先日の増水で流されてきた流木も見えますが>
急な増水にはご注意を!
「川遊びの注意事項」を読んで安全に川遊びを楽しんでください。川遊びの注意事項( PDFファイル ,1MB)(PDF:1,768KB)
平成24年7月30日(京都土木事務所Y)
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