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前回(55号)は準備工事の様子を御紹介しましたが、鴨川下流域の工事も進んできましたので、現在の状況を御紹介します。
下流域では、大きく分けて3箇所で工事が進められています。
下流域でも上流側からお話ししますと、まずは、護岸工事が佳境に入ってきた「勧進橋」から「くいな橋」の間です。
鴨川では護岸の材料に自然石(雑割石)を使用しています。この自然石は「御影石」と言いますが、この現場では遠く中国福建省から輸入されたものが使われています。
<石は乱れずきっちり積み上げます>
この石を巧みに積み上げるのは「機械」ではなく、熟練の技を持つ「職人さん」の手仕事です。
特に鴨川では、護岸の頂部に丸みを持たせた「巻き天端」と呼ばれる仕上げとなっており、施工が難しいため職人さんの技術の見せ所です。とても綺麗に積み上がっています。
<石と石がきちんとかみ合うようにハンマーで割って微調整>
この工法は昭和10年に鴨川を襲った大洪水の復旧の際に取り入れられたものであり、現在も脈々と引き継がれています。他の河川では角が尖った「切り天端」「隅天端」がほとんどです。随分とやさしい感じがしませんか?
鴨川を歩いていて、なんとなく、柔らかな感じを受けるのは、一つにはこの工夫の影響があるからだと思います(京言葉の「ホッコリ」に通じる丸みかもしれません)。
<巻き天場の様子:この様に肩の丸みに沿って石積みが仕上げられます>
<昨年度の完成区間:このように仕上げられます>
次に、拠点として整備を進めているのが「堀川」との合流部です。様々な重機を操りながら、寒風の中で多くの作業員の方が働いています。ここでは、護岸工事に併せて、鴨川の「ジョギングロード」を連続させる工事を実施しています。
<着々と工事が進んでいます>
<こちらでは土嚢で水を遮っての工事となります>
また、京都市さんの管理されている「火打形公園」から鴨川を結ぶ「歩行者専用の橋」を架けています。まもなく、橋の土台の工事を始める予定です。
<こんな感じで橋を架ける予定です>
火打形公園はスケートボードの“メッカ”として全国的にも有名になっています。この橋を渡って、鴨川公園でクールダウンしながら一休みといったことになるのでしょうか?
市内の“あちこち”でスケートボードの夜間騒音が問題になっているとも聞きますが、この公園は地域の方と互いに交流しながら良い関係で運営されています。公式に認められた空間で、思う存分あなたの技を披露してみてはいかがでしょうか。ただし、使用上のルールは厳守してください。利用に関する詳しい情報は「京都市スケートボード協会」のホームページで確認してください。
<火打形公園スケートボードパーク 寒い中熱心な若者の姿も>
そして3箇所目は、「小枝橋」と「京川橋」間の拠点整備です。ここでは京都の新たな「桜の名所」となることをイメージして護岸と公園の整備を進めています。
鴨川の散策スポットとして、また京都八幡木津自転車道に隣り合っていることから休憩スポットとしてもご利用頂けます。
既に、「あずまや」や「ベンチ」は完成し皆様をお迎えする出番を待っております。
<公園の姿が見えてきました>
ここでは、15種類の桜や寒椿等の植樹が始まっており、対岸のソメイヨシノと対をなすように里桜を中心にチョイスしています。
3月末から4月下旬まで長い期間を様々な桜がバトンタッチしながら楽しめる様に配置する予定です。
中には、「十月桜」という品種も加わって10月から翌1月までの冬期にも桜の花を楽しむことが出来ます。この桜は、3月下旬から4月初旬にかけても花を咲かせます。冬にはその三分の一の花が、そして残りの三分の二の花が春にという具合です。
<12月末の実際の写真>
また、一押しの売りとして「センター」には立派な紅しだれ桜(円山公園のしだれ桜の3代目)が植えられました。春が今から待ち遠しくなります(全ての桜が大きくなるには、時間がかかりますが・・・)。
<春には枝垂れの花を咲かせます>
また、ここ「小枝橋」は、明治維新を大きく左右した鳥羽伏見の戦いの「火ぶた」が切られた場所と言われています。約150年前、官軍と幕府軍の激戦があった場所ですが、今は静寂に包まれています。桜の花に囲まれ鎮魂の意味も込めて歴史に思いをはせるのも一興です。
<鳥羽伏見戦跡の碑:小枝橋の近く 千本通と城南宮道の交差点>
市内中流域で昨年に続いて整備を進めているのが、「三条大橋から四条大橋」間の高水敷きの整備です。ここでは、遊歩道と芝生による整備を行っています。
「御池大橋」から「四条大橋」間の整備を平成22年度から行っており、今年が最終年となります。
現在は、仮設の歩道を設置し、コンクリートの取り壊し工事を進めています。先斗町には多くに飲食店が建ち並ぶため、騒音、振動に細心の注意を払い、工夫を凝らしています。
また、遊歩道の舗装は
①歩きやすく、また、走る人の足にも優しいこと
②川沿いに立ち並ぶお店に迷惑がかからないよう埃の発生が少ないこと
③高水敷に水が被っても、簡単に破損しないこと(このため、舗装の下にコンクリートが敷かれています)
が効果的に機能するように、色々な素材の中から、樹脂入りの土系舗装を選びました。
さらに遊歩道の周りにはゆったりとくつろいで頂けるように芝生を配置しております。
<みそそぎ川の上に設置された仮歩道>
そして、最後になりますが、工事中に利用していただく仮設の遊歩道の「しつらえ」です。手すりには、青竹を取り付け、京都らしさを演出すると伴に、仮歩道利用の皆様に単なる工事用の塀の横を歩いて頂くのではなく、少しでも楽しみながら歩いて頂くために、絵画を掲示しました。
中京もえぎ幼稚園、御所南小学校、高倉小学校、銅駝美術工芸高等学校、そして鴨川スケッチ教室に参加された一般の皆様にも協力頂きました。今年2月までの限定です。是非お楽しみ下さい。
ちなみに、昨年は鴨川を中心とする今昔の写真を貼り、大好評でした。
平成25年1月7日(京都土木事務N)
<いろんな絵をお楽しみください>
鴨川の晴れた日の散歩は最高ですが、小雨の中のしっとり濡れた鴨川を歩くのも悪くないものです。
前夜からの雨で鴨川の流れは量も速度もいつもの穏やかな流れではなく、少々威勢良く流れています。
<少々水は濁っています>
いつもは川の中央寄りの中洲に陣取っているサギも、落差工下流の護岸脇、流れの穏やかな場所に集まって仲良く魚を狙っています。
<3種類のサギが並んでいます アオサギ コサギ ダイサギ>
こんな流れの時は魚も流れの穏やかな護岸寄りに集まっているそうです。格好のエサ場となっている様です。
<狙いをすまして>
<草に身を隠しながら>
中洲や寄州の配置の加減で川の流れが左右に偏ります。その流れる水の少ない部分にはカモが寄り添いながら過ごしています。
<流れは向こう岸へ寄っていきます>
<手前のゆるやかな流れにカモが遊びます>
<流れの無いところで野鳥が集います>
<寄州に集う野鳥たち>
その横では少々の増水をものともしない「カワウ」が水中から浮かび上がると、独特の離水フォームで飛び立って行きました。
<カワウにとっては気になりません>
<さあ移動しよう>
<飛び立ちました>
<井戸端会議でしょうか>
こちらでは流れの澱みにマガモが避難しています。
<ここならゆっくりできます>
「飛び石」のカメももう少しで水に沈みそうです。こんな時は危険ですので渡らないでください。
<これでは渡れそうもありません>
こちらでは高水敷に上がって草を食べる「ヒドリガモ」の姿も見ることができます。増水しなくても「ヒドリガモ」は高水敷で草を食べていますが・・。
<高水敷に集うのはヒドリガモはよく目にします>
橋の下の流れの穏やかな場所にも集います。
<橋の下は雨も避けることができます>
ユリカモメが整列して次の行動を思案しています。しげしげと眺めていると、「何見てんのよ」とばかりに目が合ってしまいました。
<さあどこへ行こうかな>
<なに見てるのよ>
このマガモのペアが護岸に生えた草にしがみつくように仲良く揺られています。
<流されないように>
中洲、寄州の無い区間では護岸に留まって川の様子を伺う野鳥の姿があります。
<少々流れが速くて中洲、寄州がありません>
<泳がないコサギは護岸でタイキ中>
<泳ぐカワウも護岸でタイキ中>
中洲、寄州の有るところでは流れの緩やかな部分に集まって過ごしたり、高水敷の上で過ごしたりと状況に応じて対処しています。
アオサギも高水敷から川を眺めています。
ヒドリガモは先程にも増して集団で高水敷の草を食しています。
ユリカモメは、流れに任せて漂いながら上流から流れてくる食べ物をついばんでいます。ある一定の区間の最後尾まで流されると飛び立って先頭の位置まで来て着水し、再び流れに身を任せます。ベルトコンベアーを連想させる動きで見ていて飽きません。
<この川面にユリカモメが流されています>
ヌートリアも巣穴が浸かってしまっているのか、中洲の上に姿を現しています。エサやりに反応している訳ではありません。エサを与えてはいけません。
<2匹のヌートリアが>
比叡山は冠雪しています。東京では大雪が降ったそうですが、京都は雨でした。
雨上がりを狙って釣り糸を垂れる姿もあります。
オナガガモが中洲に守られた箇所で寄り合っています。
ユリカモメはそろそろ帰り支度でしょうか。
みなさんも一度レインブーツ(長靴)を履いて雨の鴨川を歩いてみてはいかがでしょうか。
普段見ることのない以外な光景に出会えるかもしれません。
平成25年1月21日(京都土木事務所Y)
京都土木事務所が所在している京都市の洛北地域では、1月中旬の早朝にうっすら雪化粧の「冬の顔」がお目見えです。
積雪は通常、年間数回ですので、タイミング良く写真に納めることは難しいのですが、この日はタイミングを逃さず、雪の鴨川巡視も兼ねて記録写真を撮影することができました。
<高野橋から上流を望む>
<高野橋から比叡山を望む>
この日は雪が「降ったり」「止んだり」、太陽が「覗いたり」と短時間でめまぐるしく状況が変化していましたので、何処の地点でどんな写真が記録できるのか予測がつきません。
<遠くに見えるは「法」の字>
<高野橋から下流を望む>
<雪を気にせず犬の散歩をされる方もあります>
高水敷にも雪が「真っ白」に乗っかっていますが、毎日通学の学生さんも雪の中を走ります。みなさん滑らないように気を付けてください。(雨の日の自転車通学利用はないようです。)
<いつものように並んで通学>
<転ばないよう“気を付けて”>
いつもは「犬の散歩」「人の散歩」で渡る人が多い飛び石も白く綿帽子を被り、足跡は着いていません。滑って転んだらいけませんので、こういうときは渡るのをご遠慮ください。
<飛び石も白く浮き上がっています>
雪が少々強くなってきました。そんな中を真っ白な「コサギ」が通り過ぎていきます。いつもは白くて目立っているこの野鳥も雪の中では保護色となっています。ユリカモメも白っぽくて目立ちません。
<近くに来るまで気が付きませんでした>
<どれだかわかりますか>
<ユリカモメも雪の中では目立ちません>
太陽が顔を出すのでしょうか。雲で覆われた空からうっすらと光が差し込みます。
<真ん中に太陽が フィルター越しの様です>
出雲路グラウンドでは、雪の中を「ラクロス」の練習です。この競技は地面にボールを付けないので雪の影響は少なそうです。乾燥していると砂ぼこりが巻き上がるこのグラウンドも今ばかりは雪の蓋がされています。
<雪の中でも元気に練習>
<ほんの数分のうちに雪が上がり太陽が出ました>
そのうちに雪が止んで空に青い部分が顔を出し、日も差してきました。
鴨川の絶景スポットの1つ、出雲路橋から北山を望む景色を日の当たる写真として記録することができました。
<これは絶好のタイミング>
<いいですね~>
出雲路橋から下流に向いても、「青い空」「雲から透ける太陽の光」が川面に映えて何とも言えない幻想的な景色となっています。
<こちらもいいですね~>
少し上流に歩を進めると、少し「もや」が晴れて北山が見えてきました。カモも気持ち良く泳いでいます。
<空の青が何ともいえません>
<心なしかカモも気持ち良さそうに見えてきます>
普段は枯れ草に紛れて見え辛い野鳥も目につきます。
<ムクドリは未だ木に残っている柿の実を食べています>
<スズメも相当目立っています>
<ヒレンジュク?キレンジュク?>
あっという間にまた空が雲に覆われました。晩秋には落ち葉が積もっていた北大路橋の眺望バルコニーにも雪が積もっています。北大路橋から南を向くとこちらは少し光が差していました。
<またまた曇り空>
<道路にまでは積もっていません>
<南の空は少し明るいようですが>
こんな日は雪景色が綺麗ですが、管理担当は大変でしてベンチの雪落としにはげみます。。雪解け水でいつまでもベンチが濡れたままでは利用できないからです。少しでも早く乾いて座っていただきたいです。これも利用者の皆様からの声を受けてのことです。
<雪の積もったベンチを1つ1つ回ります>
<また雪が少し強くなってきました>
雪の災害が起きる地域のこと、利用者の目に見えない所で対応している職員のこと、を考えると「鴨川雪景色」を喜んでばかりいられないと感じますが、少しばかりの感動をお許しいただきたいと思います。
平成25年1月29日 (京都土木事務所Y)
何かと賑やかなご利用をいただいております出町の鴨川・高野川合流点の三角地帯ですが、そこに吹くつめたい風を利用して連凧揚げに挑戦されている方がいらっしゃいました。
<お、揚がってる>
30分程前に通りかかった時には思う様に揚がらず苦戦されていましたが、見事に揚がりました。しまいには“ほぼ”垂直にまで。電線に引っかからない程度の長さでお願いします。
<何連あるのでしょう>
というわけで、今回は鴨川の上を気にして紹介します。
黄色いような、緑色のような「小さな鳥」が10羽くらいの群で目の前を横切り、木の枝に留まりました。これは確か「カワラヒワ」と思い写真に納めました。1羽で中洲の草に留まっている様子は目にしたことがありますが、複数での撮影は初めてです。
<あなたは何羽見つけることができますか>
<日本野鳥の会京都支部の方に確認済「カワラヒワ」>
<羽ばたくとこんな感じ>
今度はレジ袋の様な白い物体が“ゆらゆら”と空中を漂っています。何事が起こっているのか?????と良く見ると糸が傍の木から伸びているのがわかりました。
<微妙なバランスで風に吹かれて浮いているのか?>
<糸が見えました>
犬の散歩中の男性と「何でしょう?」と言いながら見上げていると、風が弱まり近づいてきたところをその男性がキャッチ。
<風に吹かれてどんどん上昇>
<まてまて>
かわいらしい絵が描かれた手作り凧の様です。何処かで飛ばされて木に引っかかったのでしょうか。凧揚げは、電線等に引っかからない程度の糸の長さに加えて、手から離れない様に御注意をお願いします。
ちょっとだけ下を見てみましょう。キセキレイが盛んに羽を震わせながら水浴びをしています。かなり遠くからで薄暗い中での撮影で、少しぼけていますがあまり見かけないので紹介させてください。
<キセキレイが羽を震わせて水浴びの準備です>
連凧が揚がっていた出町まで戻って「最後」は思いっきり真上を見上げてみました。あまりにも上空で薄暗くてわかりにくいですが、トンビが無数“輪”を描いています。
しばらく見ていると“北”の方向に順次並んで移動して行きました。
<渦を巻く様に集団で旋回しています>
<リーダーの号令があったのでしょうか>
<横道にそれる者はいません>
日本野鳥の会の方によりますと、下鴨神社の南に位置する“糺の森”に“ねぐら”があるそうで、帰る前には全員集合して仲良く並んで帰って行くそうです。人が持っている食べ物をかすめ取る(人間のエサやりが原因とのことですが)少々危険な“暴れ者”の印象が強い彼等ですが、秩序ある団体生活を営んでいるようです。
平成25年1月31日 (京都土木事務所Y)
「鴨川真発見記」の始まりのきっかけともなった素人野鳥観察ですが、体も大きく川の中で見やすいことから主に水鳥を観察してきました。
冬場の葉の散った木に留まる野鳥やあまり目にしない仕草などに目をやって、写真に納めてみました。今回も日本野鳥の会京都支部の方にお世話になっています。
朝早く高野川を歩いていると、目の前の地面に何か動いています。鳥だけどあまり見慣れない(私は知らないだけ)ので背後から写真を撮りました。木に留まったところも撮影し早速野鳥の会の方に見てもらいました。適当に「ジョウビタキですか?」なんて質問してみましたが、全く見当外れの「ツグミ」でした。
<ツグミの名は耳にしますが実際に目の前にしてもわかりませんでした>
<綺麗な模様です>
こちらも自分史上初お目見えの野鳥です。ミミズか何かを咥えているのかと思ったら「くちばし」でした。こちらも野鳥の会さんに確認していただくと「タシギ」と教えていただきました。護床ブロックの隙間に長い「くちばし」を差し込んでエサを捕獲するそうです。
<水を飲んでいるのか“タシギ“くん>
<くちばしは結構長いのね>
<そこまで長いのですか>
まだまだ鴨川限定でも知らない鳥だらけです。
川の中には「ヒドリガモ」が浮かんでいますが、その傍に1羽だけ違う種類のカモが浮かんでいます。「ヒドリガモ」のメスでは無いようです。
その特徴の金の目、「キンクロハジロ」のメスです。昨シーズンは多くの「キンクロハジロ」が鴨川に姿を現して得意の潜水をみせてくれていましたが、今シーズンはこの1羽が初お目見えです。黒に真っ白が映えるオスにも早く会いたいものです。実はこの「カモ」私のお気に入りです。
<「ヒドリガモのオス」の後ろから「キンクロハジロのメスが続きます」>
北大路橋上流に滞在している「ヨシガモ」も1羽だけ他の種類のカモと行動しています。
何か理由があるのでしょうか?ただの変わり者なのでしょうか?知る由もありませんが・・・。
<単独行動のその訳は・・・こちらはキンクロハジロ>
<こちらはヨシガモ>
潜水といえば、最近これまで潜水する姿を見たことが無かった「カモ」が瞬間的ではありますが、全身水の中に潜る姿をカメラで捕らえました。野鳥の会の方もあまり見たことが無いとのことでしたので御紹介します。
何気なく歩いていると、“バシャ”“バシャ”と川の中が騒がしいので、水浴びをしているのかなと顔を向けると、勢いを着けて水の中に全身を潜り込ませています。なんと「ヒドリガモ」の団体がオスもメスも器用に潜っては浮かび上がりを繰り返しています。
<中央の水しぶき(三羽分)が潜った跡です。全身水の中に消えました>
<この4羽のうち2羽が>
<今潜りました>
「なにこれ」という感じでしばらく見とれてしまいました。潜った場所に潜水艦が浮上するように“ぽっかん”と浮かび上がってきます。おしりを上げて頭を水の中に突っ込んでいる姿は良く目にしますがこれは初めてでした。
<ジャボンと潜って>
<プカリと浮かび上がります>
こちらは、普段は背筋をピンと伸ばした様に姿勢が良くて、胸の白がダンディーな「オナガガモ」。水に頭を潜らせる時も「おしり」を真っ直ぐ上げてその姿勢を長時間キープする「シンクロナイズドスイミング」の様な綺麗な姿勢のこのカモが、いかにもだるそうな泳ぎ方です。水を飲みながら泳いでいるのでしょうか。
<いつもは“シャキッ”とした印象>
<社交ダンスでも踊りはじめそう>
<疲れた体を休めているの>
<逆にこの姿勢苦しそう>
最後に、昨年末「日本野鳥の会京都支部」が鴨川で開催されました「探鳥会」で、「こんな野鳥と会いました」と写真の提供をいただきましたので紹介させていただいます。
水に潜って水中をトコトコ歩いて昆虫を採取する「カワガラス」です。私はまだ見たことがありませんので、是非見てみたいと思います。
<カワガラス 写真提供:日本野鳥の会京都支部>
こちらは鮮明な画像の「キセキレイ」です。私の使用しているカメラではこんなに寄った鮮明写真は撮れませんので是非御覧いただきたいです。
<キセキレイ 写真提供:日本野鳥の会京都支部>
今後とも日本野鳥の会京都支部の御協力を得ながら、少しずつグレードアップして参りたいと考えております。
平成25年1月25日 (京都土木事務所Y)
これぞ京都の底冷えと言わんばかりに冷え込んだ朝、鴨川ファンは今日も懲りずに鴨川へ向かいます。スキーウエアを着込んでいますが、手足の先がジンジンと痺れてきました。
高野川のゴロ石の上にちょこんと乗っかっているのは、最近憶えた「ツグミ」です。砂地をバックにすると見つけやすいですね。
<川の中の石の上です>
<砂地にツグミ>
少し体が暖まったところで鴨川との合流点に差しかかると、「コンコン、コンコン」という音が耳に入ってきました。川の中の「水たまり」が氷ついて厚めの氷をはっています。
<出町の広い空間にコンコンと響きます>
その氷をカラスが二羽並んで、「くちばし」でノックしています。その中に閉じ込められた「食べ物」を取り出して食べています。天然の冷凍庫から食料の調達とは、カラスは頭の良い野鳥と変に感心してしまいます。
<食べ物見つけた>
<氷が随分割れました>
下流に向かって歩いていると、「ユリカモメ」が群れ飛んで水面から何かを拾っているようです。エサを与える人の姿は見えませんが、何か投げ込まれたような感じです。
以前と比べると飛来する数が減ったということですが、その姿は「京都鴨川冬の風物詩」の座は盤石の様子です。
<橋の下に向かって群飛びます>
<まだ今シーズン見ていない人は是非>
色んな種類の野鳥が一箇所に集まっている姿を良く目にします。
<アオサギがカモのところへ向かいます>
いつもは慌ただしく動き回る「コサギ」も、首をすくめて朝の太陽で暖を取っている様にも見受けられます。
<朝日が真っ白な体をより浮かび上がらせます>
<コガモも元気>
太陽がだんだん高い位置に移動して若干寒さが緩んだからか、野鳥の動きが活発になってきました。マガモ、ヒドリガモに混じって一羽だけ水中に潜ったり、水面を滑るように移動したりとアクティブに動き回っているのは「キンクロハジロ」のメスです。
<潜水から水しぶきを上げて現れました>
<スイスイ泳ぎます>
<水面を滑るように走ります>
マガモが一番体が大きいと聞いていますが、こうして比べるとかなりの差があります。
<最後尾がキンクロハジロのメス>
<マガモのオスに護衛されているようです>
四条大橋までやって来て「ふと」顔を上げると、目の前に碧い鳥が。「カワセミ」です。
ポケットからカメラを出す一瞬で四条大橋の下、肉眼では一見しても気づかない程遠くへ移動してしまいました。
<茶色いお腹が見えているのがカワセミ>
なんとか精一杯のズームで撮影してみました。カワセミのメスだそうです。四条の繁華街の近くにまでカワセミがいるとはとびっくりです。日本野鳥の会京都支部の方に見てもらうと「おめでとうカワセミのメスです」というお言葉をいただきました。
<正面を向くと首の白い点が蝶ネクタイみたい>
五条まで来ると、小学生が賑やかに野鳥観察をしています。私如き大人がその魅力に引き込まれて行くのですから、子供のそれは好奇心に満ちあふれているのでしょうね。
<「ほおかむり」しているような>
その小学生の覗く双眼鏡の先に、私には見慣れない姿がありました。いつも見慣れた黒い「カワウ」に混じって頭から首にかけて「白い」羽が生えた個体が見えます。
<オス?メス?どっちが白くなるのでしょうか>
これは何?「幼鳥?」とこれまた野鳥の会の方にお尋ねすると、「繁殖期のカワウ」だそうです。知らなかったがまた1つ知識を蓄積です。
「オナガガモ」は「オスメスペア」で石の上で羽繕いです。水の中でも、水の外でも動きが揃っています。
<羽繕いも同時>
<なおれも同時>
<見つめる方向も同じ>
案内板もこの季節はどこも露出して人目に付きます。(ここのはいつもですが)
<今日は何キロ歩こうか>
マガモがオスメスペアで泳ぎながら首を上下させてタイミングを合わせています。突然オスがメスを水に沈めて乗っかりました。これは求愛から繁殖行動のようです。マガモは鴨川でも繁殖しているのでこんな光景も目にすることがあります。
<上に乗っかりました>
<あっという間の出来事でした>
そこへ茶色く横切る野鳥は、前回紹介しました「タシギ」です。あっという間に中洲の枯れ草の茂みに隠れてしまいました。ここで、プロのカメラマンなら「待つ」のでしょうが、あっさり見切りを付けて先に進みます。鴨川の魅力は野鳥だけではありませんから。
<草の枯れた中洲は完全に保護色です>
<こんな模様なんですから>
野鳥へのエサやり行為です。御本人は「良いことをしている」と思っておられることが多いですが、野鳥に人工的な食べ物を与えることは「野鳥」にとって幸せとは言えないのでしょうか。
<えさを求めてユリカモメが舞飛びます>
寄り州の澱みにも氷がはって、マガモも草野の上でお昼寝です。
<写真ではわかりにくいですが左半分が「氷」です>
<こちらは草刈りされて案内板もスッキリ>
吹く風は冷たく頬を叩きますが、「空の青」と「雲の白」を仰ぎ見ると爽快な気分になるのでした。アオサギも空を仰ぎみていました。
<おっとっと>
<綺麗な空>
<気分爽快1>
<気分爽快2>
<気分爽快3>
平成25年1月30日 (京都土木事務所Y)
うっすらと雪化粧し「晴天」となった休日、朝日は鴨川・高野川に影と光のコントラストを見せてくれます。
<光と影の世界 高野川上流>
高野橋上流では五山の送り火の1つ「法の山」が朝日に照らされています。手前に影と奥に光の世界です。高野橋下流でも光と影が景色を作り上げます。
<日が当たらない左岸の寄り州には雪が残ります>
<水面を滑る ヒドリガモ ユリカモメ カルガモのシルエット>
日陰になっている部分では、川の中に氷がはった上に少し雪が舞い降りた跡が残っています。カルガモも頭を羽の下に押し込んでじっと寒さをこらえているようにも見えます。
<中洲に沿って凍っているようです>
<寒そうです>
子供が積み上げたのでしょうか、昔ながらの河原のイメージ「石が積み上げ」てあります。昔見た映画のワンシーン、「お婆さんが河原で石を積み上げる」が甦ってきます。
<一個、一個バランスを考えて積んでいきます>
日の当たる右岸はそれなりに暖かそうですが、左岸は見るからに寒いです。
そんな中、自転車の一団がすれ違って行きます。オフロード用でタイヤも太く、雪の上でも安定しているようですが、油断は禁物慎重にお願いします。
<こんな日は右岸、左岸どっちを選択しましょうか>
<きちんと1列に並んで走行 マナー良し>
河合橋の一本松も青空をバックに記念撮影。青かった松ぼっくりもすっかり成熟しました。
<ここでも光と影を感じます>
賀茂大橋から上流を望むと鴨川・高野川のうっすら雪景色の朝が一望できます。そろそろ野鳥の行動開始でしょうか、トンビ、ユリカモメが早朝の青空に多数舞います。
<出町の三角地帯もうっすら雪化粧です>
<朝日を浴びてトンビ、ユリカモメが空を舞います>
日陰の雪の上で、真っ黒なカラスが動いていると、何だか影絵のようです。うっすら雪化粧をバックにしたユリカモメも印象的です。
<光を当てて影を作る影絵とは違い、日陰でよりカラスの黒が影のよう>
<鴨川冬の風物詩 ユリカモメ>
寒くてもいつもの日課の散歩は欠かせない人も多いと思います。
<防寒対策も万全です>
人も飛び石を渡って散歩されています。
<飛び石には雪が乗っていないので安心して渡れます>
気温も上がってきて、走る人も増えて来ました。
<朝日に向かってジョギング、ウォーキング>
出雲路橋からの風景は、どんな表情も心和ませてくれます。振り返ると自分の足跡が付いて来ています。
<出雲路橋からのすがすがしい景色です>
<足跡がついてきているようで・・・>
次の日も連続して薄化粧な朝を迎えました。
そんな中、これまでに見たことは無かったシーンに出会いました。河川敷の下に「首輪を付けたネコ」がジーと何かを見つめているようです。
<ねこが何かを見つめています>
良く見てみると、その目と鼻先にヌートリアがいるではないですか。
ヌートリアの方は視線を避けている様子ですが、ネコは凝視しています。
<ネコの目の前にヌートリア>
ヌートリアはネズミの仲間ですが、とても体が大きくなります。そんな巨大ネズミをどうしようというのでしょうか。
<ネズミの匂いがするんだけど・・・・>
ネコよりもネズミが強いといえば「トムとジェリー」を連想しますが、果たしてネコは相手がネズミと知っているのでしょうか。
こちらの視線に気づいたのか、ネコは振り向いて「こいつ何者?」とでも言いたげでした。
<これって狩ってもいいの?>
前日より少し早い時間に出町に到着すると、「光と影ここに表現してみました」と頭の中で解説が聞こえてくるようなシーンです。
<光と影のハザマで>
日陰で暗く見える水面から、落差工を落ちる水が朝日に照らされて光ります。落ちた水は白いしぶきを上げて流れて行きます。その落ちる水の上に「ユリカモメ」の白い姿がこれまた朝日を浴びて鮮明に浮かび上がっていました。
<左端のユリカモメが開いた翼も朝日を受けます>
足元を見ると、色んな靴跡に混じって三本指の鳥の足跡が沢山見て取れます。雪で覆われた世界では、鳥も人も犬も多くの足跡を見せてくれます。雪の感触も踏みしめて歩いてみました。
<雪の上だからこそ見える足跡もあります>
平成25年1月31日 (京都土木事務所Y)
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