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平成21年9月28日
京都府建設交通部
指導検査課
075-414-5221
平成21年度第1回京都府公共事業評価審査委員会の概要は、下記のとおりです。
平成21年9月3日(木曜)午後1時30分から午後4時20分まで
平安会館「平安の間」
吉川和広(よしかわ かずひろ)委員長(京都大学名誉教授)
河地利彦(かわち としひこ)委員(京都大学農学研究科教授)
深町加津枝(ふかまち かつえ)委員(京都大学地球環境学堂准教授)
福本桂子(ふくもと けいこ)委員(公募委員)
森田宏明(もりた ひろあき)委員(NHK京都放送局副局長)
(芝池委員、松井委員は欠席)
(五十音順、敬称略)
建設交通部 部長、技監(土木担当)、理事、担当課長ほか
農林水産部 技監、担当課長ほか
亀岡市 上下水道部長ほか
精華町 事業部長ほか
本事業の事前評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、新規着手の必要性が認められることから、京都府の方針案のとおりでよいと判断される。
今回審査した事業の再評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、おおむね適切に進められており、各事業主体から提出された対応方針案(3件とも「継続」)のとおりでよいと判断される。
(1)報告事項
再評価の手続きが行われたと位置づけられる河川整備計画が策定されたため、川上谷川河川整備計画について報告を行った。
(2)次回委員会等の予定
第2回委員会(現地調査) 平成21年10月22日(木曜)午前
第3回委員会 平成21年11月 5日(木曜)午前
(1)大井手川 総合流域防災事業について
(委員)想定氾濫区域内の現況はどうなっているのか。
(河川課)ほとんどは農地として利用されている。家屋については、7、8軒である。
(委員)大井手川の最大流量時には、木津川の水位も上昇していると考えられるが、木津川への流入について問題ないか。
(河川課)大井手川の流域は小さく、大井手川の流量がピークとなる時刻は、大河川である木津川の流量がピークになる時刻より早くなるため、木津川への流入については問題ないと考えている。
(委員)維持管理費の内訳はどのようなものか。
(河川課)堤防の草刈や河床の堆積土砂の除去等、通常の河川の維持管理として毎年必要な経費であり、整備後50年間の経費を見込んでいる。
(委員)30年に1回程度発生する洪水を想定した改修計画であるが、何に基づく考えか。
(河川課)大井手川の氾濫区域における資産の集積状況や土地利用状況を勘案して決めている。
(委員)現在では生息が少なくなっているメダカが大井手川にはいるが、工事における配慮はどのように考えているか。
(河川課)一度に工事をするのではなく、区間を分け、7年をかけて整備していくため、施工にあたっては改変状況の推移を見ながら適宜対策を考えていきたい。
(委員)大井手川での農業用水の取水施設は何箇所ぐらいあるのか。また、取水施設の改修にかかる費用は全体事業費に含まれているのか。
(河川課)取水施設は2~3箇所あり、河川改修により1箇所に統合する方向で地元と調整している。全体事業費には取水施設の改築費用も含めている。
(委員)その場合、便益には河川改修により取水施設を改築することによる利水の便益もあるはずであり、費用便益は総合的に勘案すべきであると考える。
(委員)大井手川の現状が農業用水としての役割を果たしていることを踏まえ、用水に関する記述を工夫されたい。
(河川課)用水に関する記述は、ご指摘の主旨を踏まえ修正する。
(委員)工事中に道路の通行止め等により、住民の生活に不都合とならないようにしてもらいたい。また、安全面からもガードマンを配置願いたい。
(河川課)工事で通行止めとならないようにする。また施工時の安全性も配慮する。
(2)丹波広域基幹林道 深見大布施線・肱谷四谷線 建設事業について
(委員)森林整備実績からすると、トータル22年間で1,606haという数字が出ているが、今後10年間で同じくらいの量の整備をするということであれば、これまでの倍のペースで実施しなくてはならない。これまでは、今後10年間での整備計画に相当する計画は無かったのか。
また、今後、目標数値をどのように達成していくのか。
(森林保全課)丹波広域林道としては、起点から終点まで開通されておらず、整備計画は立てていなかった。これまでは、部分的に開通している区間について、府全体の間伐計画などに基づいて整備を進めてきた。今後は、京都議定書の約束期間の間に府全体で21,000haの間伐を実施する施策を講じている中で、丹波広域林道沿線の間伐を主とする整備目標も達成される見込みである。
(委員)全線がつながることで、林業と関係のない車が多数入り込む心配はないか。
(森林保全課)オフロードラリーや不法投棄などが心配されるが、管理者となる市町とともにワーキンググループを作り、管理のあり方について検討している。現在は、ゲートを設け通行を一定制限している。
(委員)調書表紙の全体事業費とB/C(費用便益分析)の総事業費と額が違うが何故か。また、評価は、完成が近づくと、残事業費が少なくなり、普通は、B/Cが大きくなるが、逆に前回より小さくなっている。林業生産面積が減ったためか。
(森林保全課)B/Cは、開設、舗装の事業費だけでなく、維持管理費を含めて計算するため差が生じる。B/Cが下がった理由は、評価マニュアルが平成20年度に改正されたことと、木材価格の低迷である。
(委員)評価の手法が変わったのであれば、前回の評価結果と単純に比較することはおかしい。別々に記載する方が良い。一般の人が分かるように調書は直すべき。
(森林保全課)表の構成も含め修正する。
(3)亀岡市 亀岡処理区 公共下水道事業について
(委員)前回評価時と比べて事業費が増大し、計画人口が減少している。それぞれの理由を文章で表現しないと理解できない。計画区域の拡大による事業費の増大があるのか。
(亀岡市)主に薭田野・吉川地区を拡大しており、全体計画面積が拡大したため事業費が増加した。
(委員)良好な環境の形成及び環境保全について、この下水道事業をしたことにより渡月橋水質観測地点のBODが下がったようにとれる。他の事業や取り組みがあってBODが下がっていることも考えられるので、誤解が生じないような表現にならないか。
(亀岡市)亀岡処理区は、桂川上流域に位置するので、桂川の良好な環境の形成に一定の役割を果たしている。誤解が生じないような表現に改める。
(委員)新たに区域拡大した地区について、下水道整備手法の検討を行った結果、後者を選択したとあるが、これは何を指すのか。
(亀岡市)公共下水道事業で整備することを選択した。特定環境保全公共下水道によって整備するか、公共下水道に接続して整備するか、建設費、維持管理費を比較検討した結果、公共下水道に接続して整備するほうが有利と判断したものである。
(委員)その比較検討した建設費、維持管理費を資料に入れるべき。
(亀岡市)了解した。
(4)精華町 九百石川・菅井排水区 公共下水道事業について
(委員)被害額の算出において、事業未実施のとき30年に一度想定される洪水と50年に一度想定される洪水の被害額が同額となっているのはなぜか。
(精華町)想定される浸水範囲が、同じとなるので同額となる。
(委員)浸水エリアの想定にあたり、地図を250m間隔で区分けしているが何か基準があるのか。
(精華町)統計データの区分に合わせて分割している。
(委員)被害軽減期待額の220億8800万円の算出根拠は何か。
(精華町)1年間の平均被害軽減期待額を算出し、それを現在価値化して、評価対象期間の被害軽減期待額を算出している。
(委員)代替案の説明で、既計画案20.5億円は、単純に施設整備だけの金額を比較したのか。また、費用便益比の費用との違いは何か。
(精華町)代替案については、残事業費のみを比較している。費用便益比の費用については、維持管理費等を含めている。
(委員)既計画案と代替案の調整池案では費用差が小さいので、他の要因があるのであれば、金額だけではないということを表現した方がよいのではないか。
(精華町)表現方法については京都府と調整を行い、記述を追加する。
(委員)「全体事業費」と費用便益分析の「費用」との違いや、社会的割引率を使用し現在価値化するものや、そうでないものがあり混乱している。下水事業に限らずそれぞれの事業に関連するものであり、事務局から次回委員会で説明願いたい。
(事務局)了解した。
建設交通部指導検査課
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