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9月29日からの2日間、私たちは石川県の九谷焼の窯業地を見学しました。今回の研修旅行で訪れた製陶所を見て思ったのは、一口に九谷焼といっても窯元・製陶所によってその特徴は様々で、その製造方法も異なっていて、とても興味深かったということです。陶芸を学び始めた私たちにとって、非常に刺激的な2日間となりました。
初日に見学した「九谷青窯」では、従来の伝統的な九谷焼の技法を踏まえつつ、現代の新しい感覚を取り入れた器を製作されていました。職人は一人一人が作家でもあるという特徴的な工房で、職人の個性を活かしたもの作りをされており、非常に有意義な時間を過ごすことができました。職人のみなさんも若い方が多く、分業というよりも各人が柔軟に幅広く作業をこなすといった感じで、会社自体が独立を応援しているのも珍しく、独立志向の人にとってはとても良い環境なのではないかと思いました。
その他に印象に残っているのが「上出長右衛門窯」です。こちらは1階にロクロ場と窯場があり、2階に絵付の作業場がありました。所狭しと積み上げられた製品にも目を奪われますが、ロクロ場で作業をする職人さんの手の速さに圧倒されました。私たちもあのスピードで作れるようになるにはどれくらい時間がかかるのだろう…と自問すると、途方に暮れてしまいます。2階にある絵付場では、絵付の職人さん達が黙々と作業をされていました。一人一人多種多様な絵付をされていて、その繊細さに度々目を奪われました。焼き上がりが楽しみだと思うものも多く、私たちはロクロばかりで絵付の経験がなかったので、とても興味を魅かれました。
校でも連日先生によく指摘されるのが「スピード」です。特に訓練を始めたての頃は手が遅く、湯呑を1個作るのにもとても時間がかっていました。今回の研修旅行で生の製作現場を目の当たりにして、先生方が言われていることの大切さを改めて実感しました。仕事として陶芸を成り立たせるには、限られた時間の中でどれだけクオリティ高く製作できるのか、どれだけ顧客のニーズを捉えることができるのか、それが重要なのだと改めて実感しました。
また、研修旅行では普段とは違う同級生の姿を見られた点も良かったです。校で毎日共に実習に励む仲間は、日々訓練に真剣に取り組んでいて、それはそれで素晴らしいことなのですが、研修旅行の2日間は、それとは違うリラックスした姿を見ることができ、色んな話もできたので、仲も深まったように思います。
今回訪れたどの窯元も、仕事中にも関わらず私たちの質問に対して丁寧に答えていただき、大変有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
訓練も残り日数が少なくなってきましたが、これまで学んだことを一つ一つ大事にしながら、さらに素晴らしいもの作りができるように邁進していきたいと思います。
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