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人権口コミ講座 161

「ヤングケアラーの現状と今後の支援の在り方」

一般社団法人 ケアラーアクションネットワーク協会 代表理事

持田 恭子

ヤングケアラーの現状

ヤングケアラーとは、ケアを必要とする家族を支えている子どもの総称です。介護だけではなく、見守りや声かけ、気遣いや配慮などの感情面のサポートや、生活を支えるためのアルバイトなどの労働や家事、日本語が不慣れな親に代わっての通訳や手続き代行、幼いきょうだいの養育など、さまざまなケアをしています。

大人がヤングケアラーを発見しようとすればするほど、弱者として扱われたくない子どもは見つからないように隠れてしまいます。見つけてほしいけれど遠慮して声を出せない子どももいます。子どもたちは、自分に置き換えて想像しながら話を聴いてほしいと『共感的な理解』を求めています。

ケアラーに関心を持つ人が増えたことはうれしいことですが「介護をするかわいそうな子ども」という印象が社会に根付いてしまいました。「家族が家族のケアをするのは当たり前だ」という風土がある中で、ヤングケアラーとその家族は他者に頼ることができず、ケアを抱え込んでしまうのです。ケアラーが他者に頼る「受援力」を養うには、社会が「いつかは自分も誰かをケアするかもしれない」と自分事としてケアを捉える風土に変わる必要があります。

私たち一人ひとりにできること

家族のケアをしている子どもには、同年代のケアラー同士で対話をする集まりがあることを伝えてください。子どもたちは、そこで気軽に愚痴が言えるので、存分に気持ちを発散することができます。そして、新たな気付きや発見を得ることもあります。ひとりでは解決できないことがあっても、仲間と話すことで選択肢の幅が広がります。大人は子どもの力を信じて、子ども同士で対話ができる場所を増やしていきましょう。私たちもヤングケアラーが自分の力を引き出せるようにサポートをしていきます。

◎令和6年1月発行の「人権口コミ講座25」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。

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