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人権口コミ講座 160

持続可能な社会のために消費者が出来ること

DT弁護士法人 弁護士

定金(さだかね) 史朗

エシカル消費とは何か

皆さんは日常生活の中で製品やサービスを購入し利用する際にどのような点に着目して、購入する製品やサービスを決めているでしょうか?多くの人にとって価格、品質やブランドイメージといった点も重要な検討要素になると思いますが、その製品やサービスがどれだけ人や社会、環境に配慮しているかという点を気にしたことはあるでしょうか。

特定の製品の製造過程やサービスの提供過程において、労働者の公正な労働環境が担保されているか、環境に対する配慮がなされているかといった倫理的な視点に基づく選択的な消費行動をエシカル消費と呼びます。

エシカル消費の実践

エシカル消費の実践として、どのような行動を取ることが期待されるでしょうか。例えば、衣料品を例に挙げると、値段を安くすることを考えれば、製造コストを可能な限り削ればよいとなりそうですが、その結果、海外の縫製工場の従業員の賃金を不当に下げる企業が現れた場合、消費者として、そのような企業の製品は購入しないという行動を取ることが考えられます。

現実には、日々慌ただしく生活している我々にとって、利用する全ての製品・サービスについて、その製造過程等における倫理面に関する配慮を把握することはおよそ不可能です。そこで皆さんが好きなブランドや企業が人権問題や環境問題についてどのような取り組みを行っているかを調べてみることをお勧めします。近時多くの企業が統合報告書やCSR報告書といった様式やウェブサイト上で自社の人権や環境問題に対する取り組みを発信していますので、このような調査を通じて、各企業の取り組みを主体的に評価し、長期的に応援する企業を選別することから始めてはいかがでしょうか。

◎令和6年1月発行の「人権口コミ講座25」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。

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