令和6年　年頭のごあいさつ

活力にあふれ誇りの持てる京都づくりへ

京都府知事 西脇隆俊

明けましておめでとうございます。府民の皆さまにおかれましては、つつがなく新しい年をお迎えのこととお慶（よろこ）び申し上げます。

昨年を振り返りますと、まず新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に変更され、世の中が少しずつ日常を取り戻しました。長きにわたり感染防止対策にご協力いただいた府民の皆さま、そして、医療従事者をはじめ関係の皆さまに、心から感謝と敬意を表します。そして、明治以来中央省庁で初となる文化庁の京都移転が実現しました。千年にわたる歴史と文化が日々の生活に息づく京都で国と協力して新しい文化政策を創（つく）り上げることは、京都のみならず日本全体の地方創生推進に向けての大きな一歩であり、私たちは着実に新たな歴史の扉を開けつつあります。

「進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む」。これは、明治時代に活躍した啓蒙（けいもう）思想家・福沢諭吉の言葉です。目まぐるしく社会が変化を続ける現代において歩みを止めることは、後退するに等しいかもしれません。しかし、時代の変化を柔軟に受け容れながら、受け継がれてきた伝統に常に新しい息吹を吹き込む営みは、これまで京都が脈々と続けてきたことであり、これからも京都が担っていくことです。時には歩みを止めて振り返ることも必要ですが、社会が歴史的な転換点を迎えている中、小さな歩みを積み重ねて大きな前進につなげ、新しい価値を常に生み出し続け、活力にあふれ誇りの持てる京都づくりを進めてまいります。

来年には、いよいよ大阪・関西万博が開幕します。新名神高速道路も全線開通に向け、着実に整備が進められております。私たち京都が得意とする交流の力を発揮して、多くの人、企業、文化の「新しいつながり」を創り、伝統と革新を融合させながら、未来の京都を担う人や企業を育て、文化を創ってまいります。そして「文化の都・京都」を世界に発信しながら、世界の人たちを京都府全域でおもてなししたいと考えております。

今年は辰（たつ）年です。雲を払い、蒼天（そうてん）に向かって昇っていく龍のように、私たちに託された京都の未来に向けて、京都府総合計画に掲げた一つ一つのプロジェクトを大きく動かしてまいります。

今年一年の皆さまのご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げ、新年のごあいさつといたします。

府民の皆さまに開かれた議会を目指して

京都府議会議長 石田宗久

令和6年の年頭に当たり、府民の皆さまに謹んで新年のお祝いを申し上げます。皆さまにおかれましては、新年を清々（すがすが）しいお気持ちでお迎えのことと心からお慶び申し上げます。

長らく続いたコロナ禍によりさまざまな制約がありましたが、昨年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に変更され、府内各地で大勢の観光客の姿を目にするようになるなど、かつてのにぎわいが戻ってまいりました。また、昨年3月には文化庁が京都に移転し、名実ともに「文化の都・京都」として歩み始め、今年は府立植物園が開園100周年を迎えるなど、京都が日本文化の花開く土壌として、さらに発展していくものと期待しております。

この間、京都府議会では、昨年春の府議会議員選挙により選出された議員が新たなスタートを切り、私も5月に第83代京都府議会議長に就任したところであります。以降、昨年夏の台風第7号により被災された方の生活支援や災害復旧のための補正予算を迅速に審議・可決するなど、機動的な対応に努めてきました。引き続き、府民の皆さまの期待と信頼に応えるべく、精一杯職務に取り組んでまいります。

私たち府議会議員は、府民の皆さまからの思いや考えをお聞きし、その実現のために府議会として政策提案機能や監視機能の充実、また、府議会を皆さまに知っていただくためのさまざまな取り組みを進めてまいりました。特に、これからの未来を担う若い世代にもっと政治や府議会に関心を持ってもらいたいと考え、議員と直接意見を交換する「出前高校生議会」や「大学生との座談会」を実施しています。

こうした機会を通じて、府民の皆さまにさらに身近に感じていただける議会の実現を目指すとともに、皆さまのご意見をしっかりと施策に反映させることで、お一人おひとりの生活が、より豊かに、希望に満ちたものとなりますよう、今後とも職務に邁進する所存です。

今年の干支（えと）は辰です。「龍の水を得る如し」という言葉がありますが、これは龍が水を得て天に昇るように、一層勢いを得ることを表す言葉です。コロナ禍から大きく飛躍した昨年。本年はその勢いが昇り龍のように増し、さらに幸せな1年となりますようお祈り申し上げ、新年のごあいさつといたします。