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西脇知事が、府民の皆さんと自由に語り合い、頂いたご意見を府政に活かす「行き活きトーク」。
今回は丹後・中丹・南丹・山城の各地域を巡り地元の皆さんと地域の未来について意見交換を行いました。
登壇者
山本さん
丹後は機械金属業が盛んで、丹後人ならではの粘り強さが製造や製品開発に生きています。課題はやはり人手不足。若者への魅力発信が必要です。
田茂井さん
和装素材の製造で日本文化を支えると同時に、丹後ちりめんだけでなく多様な織物が集積する懐の深い産地。担い手と設備の高齢化が顕著です。
岡﨑さん
府内随一の果物産地として多種多様な品目を生産し、近年は海外への輸出も増えています。課題は高齢化により不足する担い手の確保ですね。
村上さん
阿蘇海は内湾性の魚から二枚貝まで水産資源が豊富です。しかし温暖化などの環境変化の影響を受けて捕れなくなってしまった水産物も。
岸さん
移住者として、丹後は非常に魅力的です。地場産業の現場や、丹後での暮らし方などを観光の視点で捉え、発信していきたいと思っています。
岡﨑さん
果樹は植樹から収穫まで5年を要し新規参入しにくいのですが、高齢化で離農する人と就農希望者をマッチングできれば道が開けるのでは。
岸さん
海岸漂着ゴミの問題を切り口に、エコツーリズムの視点で若者たちを丹後の関係人口に取り込めたら。
田茂井さん
織物産業を若い人につなぐには「稼げる産地」になることが必要。新分野への挑戦や海外展開を進め、ものづくりの夢と楽しさを伝えたいですね。
村上さん
丹後の魚の価値を高めるために、漁業者と漁協、仲買さん、飲食店さんまでの関係者が連携して品質管理に取り組むことが必要。
山本さん
丹後でチャレンジする若者を地域が応援する流れが進んでいます。この流れを進めていきましょう。
多彩な側面を持つ丹後の魅力にわれわれ自身が気付き、発信することで人を呼び込み、産業振興につなげる。そんな好循環を生み出していけるよう、府としても取り組んでまいります。
登壇者
田村さん
一世帯あたりの子どもの数が全国的に見ても多く、家族ぐるみの付き合いもたくさん。地域のおじいちゃん、おばあちゃんに孫のように見守っていただいています。
上原さん
地元から離れて身に付けた知識や技術が、Uターンで戻ってからでも生かせるチャンスがあることに魅力を感じます。また、どこに行っても、人とのつながりが実感できる身近な街が素晴らしいですね。
松原さん
来年から看護師として地元で働く予定ですが、自分の住み慣れた地域で働くことは、地域の特性を理解した上で患者さんと関わることができるので、その強みを活かして地域医療に貢献できると考えています。
小谷さん
子育て中のお母さんでも希望に合わせた時間で働けるチーム(team.m)を創りました。急な予定が入ったお母さんがいても、他のメンバーがフォローできる仕組みがうまく機能しているので、企業でも採用されると面白いと感じています。
松原さん
舞鶴の良さをもっとアピールして、都会からUターンが増えたり、地元の人もこの地域に住んで良かったと感じられる工夫が必要。
上原さん
将来、子どもたちにとって一番良いタイミングでこの綾部に戻ってもらえたらうれしい。そのために自分の会社だけでなく、そこに連なる人たちの仕事や家庭など「暮らし」全体を守っていきたい。
田村さん
特別な目的があって綾部に来る、というわけではない、私のような普通に勤める人でも、田舎暮らしができることを伝えていきたい。
小谷さん
地元の方も、このとても魅力的な地域に気付いて欲しい。そして、子どもたちに伝えてほしい。また、子育てしながら、介護しながら働ける、柔軟な働き方ができる環境を中丹で早く整えて欲しい。
地元とのつながりを持ち続けることが、故郷にとどまる人、戻ってくる人を増やすカギになると感じました。人生の節目にキャリアチェンジでふるさとを選択してもらえるよう、中丹地域の魅力向上に皆さんと共に取り組んでまいります。
登壇者
入木さん
脱サラして、有機農業を実践しています。農家人口が減っている中で新たな販路も開拓しながら、後に続く人を増やしたいと思っています。
西田さん
山を守り引き継ぐため森林を管理しながら、山の仕事を伝えていくために、地元の小学校での授業や府立林業大学校での指導に携わっています。
佐田さん
これからは仕事を掛け合わせる時代。猟師、ジビエ加工、デザイン、内装の仕事をしつつ、地元の空き家活用をサポートする活動も行っています。
藤田さん
こども園の野外活動フィールドを整えたり、園や「わの会」の活動を発信しています。子どもたちと地域の方、子育て世代や地域の人同士のつながりが活動を通じて生まれてきています。
山岸さん
地域の食材を生かした飲食業を営んでいます。先々は、食を通じて子どもたちが生きる力を身につけたり、地域の方と食や自然を通じた助け合いネットワークをつくりたいと考えています。
藤田さん
プレッシャーを感じて子育てされている方が多い中、ここは受け入れてくれる安心感がある。この雰囲気を大切に、子どもたちが将来戻ってきたい「面白い」地域にしたいです。
山岸さん
キッチンカーで出向いて、その地域の野菜やジビエを使って「こんなことができる!」ということを広めたり、人と交流する機会をつくりたいです。
西田さん
人間が手を入れた山は手入れをしなければ維持できないことや山の仕事について、森林環境教育や野外学習を通じて伝えていきたいです。
入木さん
有機給食プロジェクトや、「わの会」さんなどいろんな組織と一緒に子どもたちを支援する取り組みを広げたいです。
佐田さん
子育て世代が帰ってきたくなるように、自身の活動を通じて田舎の仕事やその魅力を発信していきたいですね。
皆さん、とても高い問題意識を持ち、かなり先のことまで考えて活動されていることに驚かされました。府としても、皆さんの活動や南丹地域の魅力などを守り維持できるよう支援してまいります。
登壇者
栁田さん
若い人が少なくなる中で伝統を続けていくには、地域でつながりを持つことが大事です。保存会という組織の維持に力を入れたいと考えています。
野田さん
最近、ボルダリングの新エリアがオープンになり、上級者の方に1泊してもらえるようになりました。初心者の方に滞在してもらうため、お茶の体験などを組み込んだ観光プランが用意できれば。
北さん
茶畑のすぐ近くに民家がある特徴的な景観を維持していくためには、やはり人口が必要です。和束町に住みたい人と空き家とのマッチングができれば、移住が進むのではと考えています。
籠嶋さん
かつて生産地であった地域にも、今では「和束茶カフェ」などお店がたくさんできています。新しい取り組みにもチャレンジしながら、「宇治茶」ブランドをより強くしていきたいですね。
籠嶋さん
宇治茶ブランドを支える仕組みの中で茶農家をやれていることが、日本の原風景的な景観を維持できている大きな理由の一つと思っています。
北さん
「大阪・京都の近くで、これほど美しい景色はないのでは」と訪れた皆さんがおっしゃるように、アクセスのしやすさには可能性を感じます。
栁田さん
南山城村の伝統「田山花踊り」は、コロナ禍で中止が続いていましたが、後世に残そうと、昨年は神事の様子を動画に収めました。
野田さん
笠置には関西屈指のボルダリングエリアをはじめ、釣りやキャンプなどを楽しめる自然環境も揃っており、高いポテンシャルがあります。
景観をはじめ、風土や人柄など地域の魅力というのは、そこにずっと暮らしてきた方々の努力の積み重ねによるものです。相楽東部の豊かな地域資源を未来につなげるために、地域と行政とが一緒になってまちづくりを進めてまいります。
[お問い合わせ]
広報課
TEL:075-414-4071 FAX:075-414-4075
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今回、各地域において多様な立場で活躍されている皆さんに各地の強みや魅力を伺い、いかに京都府が個性豊かな地域資源に恵まれているかを改めて実感しました。そして、近年の働き方・暮らし方の意識変化が新たな人の流れを生み、これまで当たり前のものとして捉えてきた地域資源に新たな価値を見いだす流れができつつあることに心躍る思いを新たにしています。
京都府では、令和4年、改正した移住条例を施行し、多様化する移住ニーズへの対応や、移住者と地元の皆さんとの交流促進などに取り組んでいるところです。高齢化や人手不足などの地域課題に対しても、関係人口を増やすことが解決の糸口となります。
既成概念にとらわれることなく、柔軟な発想を取り入れて地域を活性化し、あらゆる世代が未来に夢を描きながら働き暮らすことができる京都府を実現してまいります。
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