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プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会 顧問 桑子 博行
インターネットやSNSは、もはや我々の生活に欠かせないものとなっています。一方で、激しい誹謗中傷や差別を助長するなど重大な人権侵害が起きています。これらのインターネット上の権利侵害情報の書き込みに対する被害者救済を図るための法律として、プロバイダ責任制限法が2002年に施行されています。
この法律は、インターネット上で名誉毀損(きそん)やプライバシー侵害など、権利侵害情報が流れた際に、(1)プロバイダやサイト管理者が侵害情報を削除することができる基準を示すとともに、(2)被害者がプロバイダなどに対し、匿名(とくめい)で情報の発信をした者・情報を書き込んだ人の氏名、住所などの情報の開示を求めることができる権利を創設したものです。
いま、インターネット上の誹謗中傷など人権侵害情報の多くはSNSを利用したものが大半となっていますが、2002年に施行された当時はSNSなどのサービスは出現しておらず、発信者を特定することが困難なケースが出ているのが現状です。
こうした問題の多くは、インターネットの匿名性が関係している場合も多く、発信者を特定するために通常2回の開示請求の裁判手続きが必要となります。また、プロバイダが保有している通信ログなどの情報が保存期間を過ぎて消去されてしまう問題もあります。このような問題を解決するため、発信者を特定するための新たな裁判手続きが作られたものです。
インターネット上の誹謗中傷など人権侵害の減少を期待したいと思います。
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