「第8回文化力による京都活性化研究会」「第8回次世代の文化創造研究会」開催結果
日時
平成18年8月31日(木曜) 午前10時から12時まで
場所
平安会館3階 「羽衣の間」
出席者
懇話会委員ほか事務局(京都府)など
内容
(1)開会あいさつ
(2)議事(進行:鷲田座長)
基本指針中間案及び今後のスケジュールについて
事務局から、資料1-1(PDF:25KB)、1-2(PDF:21KB)、1-3(PDF:462KB)、により、「京都府文化力による京都活性化推進条例」に基づく基本指針中間案の内容、今後のスケジュール等について説明
意見交換
- 「文化力」という言葉は、今、はやりの言葉になっているが、もともと京大人文研におられた桑原武夫先生が、東京の「政治力」に対して京都は「文化力」で行くんだと言われた、京都発の非常に志の高い言葉であり、この旨を指針に盛り込んではどうか。
- 文化に関する様々な事業を府が担い、府民一人ひとりが手を携えて推進していくが、府と府民との間には地元の新聞・放送局・ギャラリー・人文系の出版社など文化を担う企業の存在があり、これらとの連携を施策に盛り込んではどうか。
- 基本的なことをきっちり押さえ継続していくことが非常に重要。継続性という観点が抜け落ちており、PDCAサイクルは分かるが、ころころ変わる感じが否めない。PDCAサイクルで見直していくと漏れ落ちてしまうものも多く、これらを拾い上げる視点が重要。一見価値がないと思われるものの中に、実は価値のあるものがあると いう、「逆バネ」が働くことがたくさんある。
- 無名の芸術家を支援する「講」という仕組みが京都には昔からある。今風に言うとサポート制度になるのかもしれないが、そういう視点を施策の中にも持てないか。
- 2008年のサミット、2010年の上海万博とアジア全体で見ると活性化した状態が継続しており、その中で文化の問題は非常に注目されていることから、京都の持っている「ほんまもん」の発信力を発揮するいい機会である。
- 総合的ウェブサイトには文化事業全体を支えるためのITのプラットフォームをしっかり作って、その上でビジネスをしたり、芸術家が発表をするような仕組みが必要。
- 文化ベンチャーネットワーク(以下「CVN」)は、この5年間、特にここ1、2年でこれが自立できるようなネットワークやコンソーシアムが生み出せる力がないと、ここに書かれているものが意味がない。そういう意味でCVNの位置付けは重要である。
- 「源氏物語千年紀」をビジネスチャンスだけで捉えるのは不満で、例えば京都の高校生全員が「源氏物語」を読む等、日本文化の中でも重要な意味を持つ「源氏物語」自体の良さを見直す機会と捉えたいと考える。
- 中間案の「京都ゆかりのアーティスト」という記載について、この様に限定する必要はないのではないか。国内外のアーティストが京都で公演し刺激を与える例もある。他の部分が外に開かれた記載だけに、この部分だけ閉じた感じがして違和感を感じた。
- 良くできた中間案であるが、今後これを実践していくのが重要で、行政で企画されたことを民間の力を借りていく手法を積極的に用いる必要がある。
- 理念としては立派であり、京都にとっては今後こういう方向性が必要だと考えるが、具体的にどう進めるかが重要。中でも観光と文化をどう結びつけていくか、文化をどう楽しんでいくかが重要で、「文化とあそぼう」というような演出が必要である。また民間企業や職人・芸術家との協力で新たな文化との接し方を考えていく必要がある。
- 商業主義の中で薄まったものが流通しており、「ほんまもん」をいかに残すかというのも行政の重要な役割。京都文化の根底にあるものを保存するだけでなく生活の場で体験させる機会を与えることが重要。
事務局から、2-1(PDF:15KB)、2-2(PDF:136KB)により18年度プラン関係事業の進捗状況及び文化ベンチャーアクションプラン(仮称)の検討経過について報告
意見交換
- 文化ベンチャーアクションプランの検討においては、文化が幅広くビジネスになることを若い世代に知らせるという目的と、案はあるがそれを具体化する方法が分からない人に起業の道筋をつけるという目的を持っており、この2つの目的の調整に苦心した。この点は、今後もCVNに支援願うことになるが、CVNは新しい「講」になると思う。
- 起業コンペについては3年以上やる必要はないと考えている。3年間で起業コンペを実施し、出てきたものを5年間程度で育てきれるか、ということについて京都府とCVNのメンバーが真剣に取り組むという趣旨だと考えている。
国民文化祭について
事務局から国民文化祭開催準備委員会の概要及び開催準備に係る当面のスケジュールについて報告
意見交換
- 京都には世界に誇る京都文化があり、京都文化を主張できるのは世界しかない。そのような視点での過去の延長線上ではない、かなり大胆な発想で国民文化祭を企画する必要がある。
(3) 閉会あいさつ