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地域の方々がよりよく暮らせるように・・山城地域で活動を続けています
木津川市に移住後、特定非営利活動法人を設立し子育て支援活動、福井さなえさん/特定非営利活動法人こそだてママnet☆
子育て支援活動を始めたきっかけを教えてください。
私は奈良市出⾝ですが、結婚に伴い川崎市へと引っ越して、3年後に⻑⼥を出産しました。川崎市は当時、待機児童問題で全国ワースト3に⼊る程で、私もご多分に漏れず 「働けない、預けられない」という孤⽴状態に陥り、⼦どもと⼆⼈っきりの時間を過ごしました。 これまでの⼈⽣の中で⼀番孤独で苦しい時期だったと思います。
団地内に親⼦向けのボランティアスペースが開設されており、障がい者支援や学習支援は行われていましたが、子育て⽀援は実施されていませんでした。
子育て⽀援をお願いできないか?と尋ねたところ、スタッフの⽅から「それなら、さなえさんがやってみてはどうですか?」と返されて、「それもそうか・・・」と納得して活動を始めました。区役所に相談したところ、「区としては ⾃主保育をおすすめしています 」との回答でした。わたしもこのとき初めて知ったのですが、自主保育とは未就学児を対象とした保護者主導の保育の取り組みです。
わたしは、公園に出向いて、お⺟さん⽅に「⼀緒に遊ばせてみませんか?」と声をかけ、それが自主保育の始まりでしたね。
14年前、次⼥の妊娠がきっかけとなり、子育ては空気のきれいなところで・・・と思うようになりました。夫も学⽣時代には関⻄に住んでおり、お互い「関西は人が住むのにいいところやんね」と話し、出⾝地に近い⽊津川市へと引っ越すことになりました。
現在の生活について教えてください。
夫は引っ越しを機に転職しました。
転職先の社⻑さんがCSR経営に関⼼をお持ちで、私が以前⾃主保育をしていたことを夫から聞いたようで、スポンサーとして協⼒したい、とお声がけをいただきました。それがきっかけで子育て支援を始めたのですが、お⺟さんがヨガ体験をしている最中、別室で泣いている子どもの声が聞こえて、親も子もリラックスできない状態になってしまったんです。
親⼦にとって、無理なくストレスが溜まらない⽣活スタイルは何だろう・・・とずっと考えていました。
ある⽇、 知⼈にさそわれ⼦どもを連れて⽊津川市の⿅背⼭(かせやま)に⾏った時のことです。
森にいるだけで⾃然にリラックスできて・・・⼦どもたちは勝⼿に遊びまわって⾃然に友達ができて・・・1⽇全てがうまく回ったように感じて、この1⽇をお⺟さんたちと共有できれば・・・と思いました。その⼟地を整備している団体さんにその想いをお伝えすると「親⼦⼀緒にどうぞ使ってください」とおっしゃってくださいました。
その段階ではまだNPO法⼈にするつもりはなかったのですが、⼦育て⽀援で知り合った⽅から勧められて、2017年にNPO法⼈を設⽴しました。
法⼈運営やイベント型の 「森のようちえん」、その他のクラスでは、保育⼠や幼稚園教諭、公認⼼理師など有資格者に限らず、⾃主保育実践者や公務員、⼦育て本の翻訳者やカフェ経営者等、たくさんの方と活動を進めています。
⼦どもたちが里山に入り⼈が移動することで、里山の維持管理につながる側⾯もあります。また、昨年からは各地で多様な学びの場を実践されている方々と⼀緒に「⼦どものまなびを考える会」(仮称)を⽴上げ、学校に⾏きにくい⼦どもを持つ保護者とその⼦どもをどうやって⽀援できるか・・・を考えています。令和6年春には園児から中学⽣対象のオルタナティブスクール 「森kichiスクール」 (仮称)を開校予定で、定期的にスクール体験会を実施しています。
地域の魅力についてお聞かせください。
京都や大阪エリアにも程近く、「便利な⽥舎」というイメージがあり、⾝近な⾃然が魅⼒ですね。
豊かな⾃然環境に⾝を置き過ごした記憶は、⼤⼈になっても⼼に残ると思います。
活動に際して、行政等の支援で役立ったことをお聞かせください。
NPO法⼈は⽴上げ時期が⼀番⼤変で、京都府地域力再生プロジェクト支援事業交付金(現、京都府地域交響プロジェクト交付金)を利⽤させていただきました。
本年度からは京都府の社会教育委員に任命され、わたしたちがこれまでやってきたことは 「社会教育」であって、地域の⽅により良く暮らしていただくためだったのだ、と改めて認識しました。初めはこれほど長く活動を継続できるとは思いませんでした。
⾏政だけでなく、周囲の方や民間企業からも助成をいただいています。
これから移住(子育て)を考える方へ、先輩移住者としてアドバイスをお願いします。
「⾃然が近い」ということで、京都市内、⼤阪から移住される⽅がいらっしゃいますが、転居後の⼦育て世帯は⼾惑われることが多いと思います。
その時には、私たちNPO法⼈のような「京都府⼦育て⽀援団体認証制度」に認証されている団体にご相談いただくことをお勧めします。
https://kyoto-kosodatepia.jp/ninsho/ninshodantai/
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