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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業等を紹介するページです。
(令和3年8月18日、聞き手・文:ものづくり振興課 丸山)
株式会社古畑園(宇治田原町)の森田代表取締役にお話をおうかがいしました。
--まずは、御社の歴史から教えてください。
森田)弊社がある宇治田原は日本緑茶発祥の地と言われており、当時は簡単な製法で作られた赤茶色のお茶でしたが、緑色で味も香りも圧倒的に優れた緑茶が1738年に発明されました。そのような地で当社は、江戸中期の宝永年間に茶農家として始まり、明治時代初期よりお茶の販売を始めました。現在で、12代目となります。
--12代ですか。すごいですね。なぜお茶がそこまで発展してきたのでしょうか?
森田)当時の情勢など詳しくはありませんが、緑茶は高価なものとして扱われ、明治時代には外貨を獲得する輸出商品になっていたと聞いております。当時、弊社も東京や横浜までお茶を送っていました。その後、他の農家さんからもお茶を卸してもらうようになり、大正時代には通信販売を始めました。
--通信販売ですか。当時は画期的なものだったのではないですか?
森田)はい。当時はインターネットなど当然ありませんし、宅急便もありませんでした。往復ハガキで全国へ商品案内を送り、申込みがあれば、郵便小為替等でお支払いしてもらう仕組みで、郵便局や国鉄を使って配送していました。当時のお茶は高級品であったため、購入していただくお客様も裕福なご家庭が多かったようですね。
--すごいですね。そこから事業をどんどん拡大されていったのですね。
森田)はい。1962年に法人化しており、「京の老舗」として表彰もいただいております。
--様々な時代の変化があるかと思いますが、そのような中で生き残り、発展してきた秘訣は何ですか。
森田)良いモノをリーズナブルに提供することにより商品自体が広告になりました。そして、発祥が茶農家ですから、代々受け継がれて来たお茶の栽培の知識、鑑定の目利き、ブレンドの技、そしてお客様からの信用や実績等を有していることが非常に大きいかと思います。
--現在はどのような販路が多いですか。
森田)昔と変わらず、今でも小売がメインとなっています。数十年来のお客様も多く、直販で定期的に購入いただく形です。卸売については国内外の茶専門店、レストラン、宿泊施設等へも出しております。輸出の割合はまだ少しですね。宇治田原町のふるさと納税にもご使用いただいています。
--お茶の京都にも参画され、事業展開されていると聞きました。
森田)はい。JR西日本様の「TWILIGHT EXPRESS瑞風」という豪華列車の瑞風ラウンジ京都で提供する、京都のお茶を選ぶコンペがありました。そこでは、企業名も伏せて、お茶の品評会のように審査され、弊社はそこで「京都のお茶」として選ばれました。それは非常に嬉しかったですね。
--すごいですね。最近は、若者のお茶離れなど言われておりますが、何か対策はされていたりしますか。
森田)はい。若い人にお茶に興味を持ってもらうため、若い方にも手に取って頂きやすいパッケージとわかりやすい商品ラインナップを企画し、「teaon(ティオン)京都」という新ブランドを展開しています。老舗の煎茶・玉露という堅いイメージではなく、気軽に飲んでいただけるように10年前に立ち上げました。EC販売がメインなのですが、おかげさまでご好評頂いております。ブランド立ち上げから2~3年後に、楽天サイトにも出店しています。大手ECプラットフォームは出店者間の競争もありますが、父の日や母の日などのイベントのある時は特に売れやすいですね。
--こちらは、新商品でしょうか。
森田)はい。国産あい鴨の生産・加工・販売を手がける山城農産株式会社様とコラボレーションして開発した、鴨肉とほうじ茶で作ったレトルトカレーです。5年程前から構想し、コロナ禍に入った1年前から本格開発に着手しました。茶葉の需要が減少する中で、お茶を使用したお菓子は多くのメーカー様が既に販売されており、何か違う形で日本茶の世界を広げたいと感じたことがきっかけです。
--なるほど。なぜカレーを作ることになったのですか。
森田)食生活の変化などから、調理が簡単なもの、そして日本人であれば誰でも好きな食べ物ということで、「レトルトカレー」が良いのではないかと着想しました。さらに、コロナで中食が増えてきていることや、自分へのご褒美として「ちょっと贅沢で、美味しくて健康によさそうな商品」を作ろうということで、素材にこだわり、少し高価で高級なものを追求しました。
--カレーと言えば、チキンやビーフをイメージしますが、なぜ鴨肉にされたのでしょうか。
森田)当初は、地鶏などを使ったカレーを検討していたのですが、合鴨肉について調べてみると、栄養、成分の面で非常に魅力を感じ、合鴨肉がよいのではないかと感じるようになりました。同じ地域で合鴨を飼育されている山城農産株式会社様と繋がり、徹底した飼育管理の中で育てられている「京鴨」を使用させていただこうと決めました。
--なるほど。しかし、抹茶のカレーは見かけますが、ほうじ茶とは珍しいですね。
森田)煎茶や抹茶、玄米茶など候補はあったのですが、自然に美味しく食べるカレーとしてはほうじ茶がベストであると判断しました。抹茶の方がインスタ映え等するのですが、合鴨肉との相性や味の面を考えると香ばしいほうじ茶の方が最適でした。ほうじ茶パウダーをスパイスに混ぜ、さらに、浸出したほうじ茶を使用しています。
--それは味わい深くて美味しそうですね。他に特徴はありますか?
森田)AZU CURRY Lab.を展開されているカレー研究家の内藤あづ紗さんによる監修を受け、小麦粉、香料、着色料、化学調味料を使用せず体に優しいカレーなのに本格的な味に仕上がっております。
(本品製造工場では、特定7品目や小麦粉を使用した製品を製造しています。)
--こだわっておられますね。どちらで購入ができますか?
森田)弊社ホームページをはじめ、JR宇治駅の観光案内所や、山城農産株式会社様、AZU CURRY様でお買い求め可能です。
先ほど紹介したteaon(ティオン)京都<サイトリンク>でも販売しております。
tenon京都 楽天 https://item.rakuten.co.jp/teaon/c/0000000116/(外部リンク)
teaon京都 本店 https://teaon.net/(外部リンク)
宇治田原町のふるさと納税の返礼品としても、カレー3箱とほうじ茶のセットがございますので、是非、さとふる、ふるさとチョイスのサイトから検索・納税をお願いします!
是非皆様、汗をかきながらご賞味いただきたいです!
--ありがとうございました。今後の展開も楽しみです!
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