「分かりやすく、使いやすい公共交通ネットワーク実現会議(丹後地域)」第5回会議開催結果
1 開催日時
平成18年9月19日(火曜日)午後1時から午後3時20分
2 開催場所
アグリセンター大宮(京丹後市大宮町口大野228番地の1)
3 会議の概要
(1)「丹後地域公共交通ネットワーク改善実行計画(中間まとめ)」
(概要版)(PDFファイル、68KB)(PDF:64KB)
(資料1)表紙(PDFファイル、12KB)(PDF:9KB)
(資料2)目次(PDFファイル、296KB)(PDF:294KB)
(資料3)現状・課題、考え方(1ページから2ページ)(PDFファイル、68KB)(PDF:66KB)
(資料4)「改善実行計画」一覧(3ページから4ページ)(PDFファイル、32KB)(PDF:29KB)
(資料5)速やかに改善に着手するもの(5ページから16ページ)(PDFファイル、44KB)(PDF:43KB)
(資料6)「改善先行実施例」(17ページから20ページ)(PDFファイル、168KB)(PDF:165KB)
(資料7)「改善予定事例」(21ページから24ページ)(PDFファイル、164KB)(PDF:161KB)
(資料8)中期的に対応を検討するもの(25ページから32ページ)(PDFファイル、32KB)(PDF:28KB)
(資料9)将来的な課題として検討するもの(33ページから40ページ)(PDFファイル、32KB)(PDF:30KB)
(資料10)参考(41ページから46ページ)(PDFファイル、220KB)(PDF:219KB)
(資料11)参考資料(47ページから73ページ)(PDFファイル、928KB)(PDF:927KB)
(資料12)委員名簿(PDFファイル、20KB)(PDF:17KB)
(2)中間まとめ要旨
(「改善実行計画」の基本的な考え方)
- 失敗を恐れずに、まず、モデル的・実験的に、できるところから改善に取り組む。
- 公共交通を、事業者任せにせず、利用者も行政も一緒になって自ら考え、皆で良くする。
(「改善実行計画」の主な内容(例))
- すみやかに改善に着手するもの【平成18年度内に着手】
<ダイヤ>昼間の時間帯を中心に、覚えやすい「パターンダイヤ」を導入
<運賃>100円刻み等の分かりやすい運賃設定(京丹後市で200円バス運行)
<駅・停留所>駅等に四季の花を植栽、美化活動
バス停の移設(弥栄病院敷地内にバス乗り入れ)
<車両>ノンステップバス導入促進
<情報提供>地図上路線図、乗換案内、起終点時刻等が一目で分かるような表示
<その他>乗務員等のホスピタリティ向上
(先行実施例)土休日ダイヤ設定:タンゴ悠遊号の運行(7月22日から8月20日の土日)
駅・停留所:網野駅前駐輪場整備・KTR各駅の観光案内板修繕(京丹後市)
- 中期的に対応するもの【概ね3年以内に対応】
<運賃>鉄道・バス相互乗継ぎのできる共通割引乗車券
<駅・停留所>駅のスロープの勾配改善
- 将来的な課題【期限は設けないが、改善を目指す】
<ダイヤ>午前の早い時間に丹後に着く特急の運行(→前倒し検討の要請あり)
<情報提供>携帯電話を利用した情報提供
(改善実行の進行管理)
- 今回の計画を最終形にしない
- 今後、改善を進める中で、新たな課題が出てくればそれらにも対応
- 地元が中心になって、適宜、状況を把握、フォローアップ会議等により検証、継続的に改善(PDCAサイクルにより推進)
(3)協議における主な意見等
今井座長あいさつ
- 今回、中間的にまとめる「改善実行計画」は、1、失敗を恐れずに、まず、モデル的・実験的に改善に取り組む 2、公共交通を事業者任せにせず、利用者も行政も一緒になって自ら考え、行動し、皆で良くしていく ことを基本に、実行する案をまとめたもの
- この取組は、いかにして実行していくかが大切
藤城企画環境部長説明
- この会議は、「計画」を作るための会議ではなく、改善を実行するための会議
- 地元の皆さん方の思いが一番大切。極めて具体的な内容で、今すぐにでも取り組もうではないかという計画になっている
- 中間まとめとしているのは、最終のものではなく、今後も改善を継続し、新しいアイディアをどんどん入れていくことを意図
京丹後市中山市長
- 「午前の早い時間に丹後に着く特急の運行」は、可能な限り早期に検討すべき案件。産業・観光の面からも極めて重要
- 10月から、関係各位の協力により200円バスの実証運行を開始。同じ支援をするなら、より多くの方に乗っていただき、喜んでいただけるバスを支援すべきとの思い
- 京都駅・大阪駅の案内表示板に『丹後方面』もしくは『京丹後方面』を入れてもらえないか
宮津市井上市長
- 公共交通は、地域における大きな財産。これまで「財産を活かす」観点での利用がなかったので、今後、地域全体でお客さんを呼べる仕組みづくりも含め、財産の活用という視点で考え、できるところから取り組む
伊根町向井町長
- 地域の魅力づくりが大切。魅力があれば、多少不便でも、お客さんはお越しになるので、魅力あるまちづくりを進めたい
与謝野町奥野主幹
- 改善計画を、行政としてどこまでやっていくかが課題。まず実行し、時点、時点で確認し、進めていくことが大切
京都嵯峨芸術大学坂上教授
- 地元の人と観光客との接点を増やすには、旅館と鉄道あるいはバスとの連携が今後のポイント
- 丹後の魅力である「食」を活用した駅弁のニーズはかなりあるのではないか
- 大阪や京都の発地ベースで案内・発券の情報が徹底されていない
JR西日本大西福知山支社長
- 北近畿はすばらしい観光資源があり、京阪神からたくさんの方に来てほしい。地元の取組や案内方法等は御相談にのらせてもらう
- KTRとも協力してネットワークの一体性確保に努力したい
如意寺(旧久美浜町)友松住職
- この計画をどんどん進めて欲しい。協力もしていきたいが、住民の側には限界もあるので、行政や事業者からの提案や誘導が必要
- 人口減少社会では域内利用者増は困難。域外からの誘客が必要。「改善実行計画」は、丹後の総合観光戦略の中に位置付け、横断的な取組にするべき性質のものと考える
- 線路のそばの植栽など、地元の方なら参加していただけるはず。魅力ある駅をまずいくつか作り、それから広げていく工夫もある
北近畿タンゴ鉄道株式会社辻本社長
- 地域の皆様の利用が人口の減少、地場産業の停滞以上に落ち込んでいる
- 地域の皆様が乗らないような鉄道には観光客も乗らない。特に、列車通勤、列車での出張などビジネス利用をお願いしたい
- KTRもこの案にあることはできる限り具体化していく
- 京阪神との連携という面ではJRと、地域では丹海バスと協力して、困難な経営環境を打開していきたい
丹後海陸交通株式会社高見社長
- この計画をまとめるに当たって、利用者の声を十分に吸い上げていただいたことに感謝。事業者単独ではできなかった
- 今後の進行管理においても、PDCAサイクルの中で、さらに利用者の意見をとり上げていただきたい
加悦フェローライン株式会社山根係長
- 利用者、行政、事業者の意見も参考にしながら、よりよい公共交通を目指したい
天橋立観光協会宮崎会長
- いかにきめ細やかな情報提供ができるかが誘客の課題
- 乗車マナーについても、利用促進に関しても、もっと子どもたちに交通に親しめる環境を与え、小さいときに関心を持たせる必要がある。高校生になってからマナーは直らないし、親しみを持つことで利用度も上がるのではないか
- 本計画はもう少し細やかに対応時期の分類をすべき
- 魅力のある観光地はどんなに不便なところでも集客力がある
丹後町観光協会中江氏
- これまであまりバスには乗らなかったが、200円バスなど、よい取組があるので、是非乗ってみたいし、お客様にも勧めたい
- シートがいたんでいたり汚れたりしていることで目に付くことがあり、お客様の目線に立ち、最低限の修繕などはお願いしたい
近畿日本ツーリスト株式会社井上課長
- 乗ること自体に価値があり目的となれば、自然とお客様は集まってくる
株式会社JTB西日本吉田支店長
- 丹後には観光素材が多いにもかかわらず、活かしきれていない
- 地元の方々から「こんなものは売れないか」など提案できないか
京都リビング新聞社藤田編集長
- 広報と宣伝で丹後の魅力をもっと発信すべき
- 地元旅館等のホームページにはほとんど最寄駅からの案内が載っていないので改善が必要
丹後地方商工団体連合協議会安田会長
- 業界で月に1回は京都に行くが、自動車を利用する者がほとんど。ビジネスはスピードが勝負。公共交通もいかに速いかが課題
- 観光客にとっては車中が楽しければ時間がかかっても気にならないので、例えば「ちりめん列車」など特徴ある演出が必要
京丹後市峰山町老人クラブ山本会長
- 公共交通の確保のためには高齢者も頑張らなければと感じる
- まずは府や市の職員が率先してKTRを利用すべき
- KTRの沿線各地の観光資源(名所・旧跡・温泉など)と地場産品(果物狩り)をセットした小旅行の企画商品があれば、老人クラブで利用の呼びかけができる
- 高齢者や障害者には、駅舎での上り下りが困難なので改善策を考えてほしい
京都大学大学院中川助教授
- 公共交通を地域をあげて応援することは大変重要
- 行政支援は、赤字の補てんではなく、利用者の利便性向上のために行うべき
- パターンダイヤは利用を増やすためには大変有効
- 中期的対応、将来課題も、できる限り前倒しし、できることはどんどんやるべき
- 広報は大変重要。地元利用者だけでなく、観光客にもこんなに便利なものがあるということを知らせるようにしたい。また、利用者が増えたらそれを積極的に広報することによって、さらにお客さんは増えていく
- それぞれの委員の属する組織の中でもこの取組の話をしていただきたい。全員の英知を結集してよりよい公共交通を実現していきましょう
丹後広域振興局前川副局長
- 計画の作成が到達点ではなく、如何にして実行していくかが課題であり、本日がスタート地点
- この取組は、「公共交通ネットワーク改善」だが、愛すべき丹後地域を活性化するための取組
- 地元を愛し、地元に誇りを持てるものにする取組であることから、事業者任せにせず、地元住民と行政が、関係者と協働し、できることから着実に改善を図ることが肝要であり、継続的な改善となるよう、京都府も、地元の皆様方と一緒に積極的に取り組む