特集1連携で生み出す、まちの元気!学生の力×地域の力
人口当たりの大学数が日本一を誇る京都府では、大学の「知」と学生の「力」を生かし、地域と連携して諸課題に取り組むプロジェクトが進んでいます。地域をフィールドとして学ぶ学生たちの可能性が、地域に活力をもたらしています。
「大学生が府内各地で「地域連携プロジェクト」を展開
PROJECT 01
食品ロスがテーマのカフェで交流を
京都産業大学 むすびわざプロジェクト in あやべ
綾部市を拠点としたゼミ活動の中で「カフェを通じた地域おこし」を実践。その一環として、現代社会学部の4年生、小川さんが、同市内のレンタルスペースで、食品ロス削減をテーマに2日間限定のカフェをオープンしました。残り物を活用した「リメイクアレンジ」によるメニューが好評で、「お客さまに『レシピを教えて』と言われ、カフェを通じた交流を実感しました」と小川さん。卒業後は都市部での就職が決まっていますが、「週末を利用してまたカフェを開きたい」と話します。
綾部でとれた規格外の野菜や、前日の夜に提供した食材を活用して作る「リメイクレシピ」。肉じゃがはポテサラに、かぼちゃのサラダはコロッケ風にアレンジします。
学生
カフェを通じて、フードロス問題を考えるきっかけを作れたらと思っています。
現代社会学部 4年生
小川 夏花さん
教員
移住定住ばかりでなく「週末起業」など、地域との関わり方は多様になっています。
現代社会学部 教授
滋野 浩毅さん
地域の人
若い方がいてくれると地域が活気付きます。継続的に来てほしいですね。
中丹素敵農女会研究所
代表 和田 知子さん
京都産業大学むすびわざプロジェクト
地域と連携したその他の取り組み
学生や教員が市民と交流しながら、地域を活性化させることを目的に、地域資源の発掘や現地調査、新たな取り組みの提案などを行っています。
綾部市天文館パオで、地域の子どもたちを対象に「自分だけの星空スコープを作ろう」を開催。
子どもたちが「探偵」となって、地域の魅力を発見し、それをまとめ発表する「綾部こども探偵」を開催。学生たちはこども探偵の「助手」となり、調査やまとめをサポート。
PROJECT 02
「商店街を〝笑店街〟へ!」が合言葉
京都文教大学 地域連携学生プロジェクト 商店街活性化隊 しあわせ工房CanVas
「CanVas(キャンバス)」は、宇治橋通商店街振興組合の公認を受け、商店街の活性化を目指す学生団体。総合社会学部2年生の蠣崎(かきざき)さんと同1年生の和田さんは、地域と歩む取り組みに惹(ひ)かれ、入学と同時に参加したといいます。取材をしたこの日の活動は、もうすぐ開かれる写真展「宇治ふぉと!」の準備。商店街の店主に、展示スペースの貸し出し協力を求めると、どのお店も二つ返事でOK。店主たちも「これまで培ってきた信頼関係の賜物だ」とにこやかに話します。
CanVasは、例年10月に開かれる宇治橋通り商店街で一番大きなイベント「笑顔がいっぱいわんさかフェスタ」にも全体の実行委員として参加。準備段階から商店街や地域の人と密接に関わっています。
他にも、この地域では、宇治茶の魅力を広く発信するプロジェクト「宇治☆茶レンジャー」による宇治茶スタンプラリーなどの活動も展開しています。
学生
活動を通じて地域のために頑張れる自分を知り、地域との信頼関係を深めることができました。
総合社会学部 3年生
CanVas代表 山中 怜奈さん
教員
地域活動をする学生には、能動的な姿勢で動くよう、アドバイスしています。
総合社会学部 准教授
アドバイザー教員 片山 明久さん
地域の人
学生や卒業生たちが第二の故郷のように立ち寄ってくれるのがうれしいですね。
婦人服さんもと
中西 敏さん
地域の人
京都文教大学の学生は地域の一員です。商店街にすっかり溶け込んでいます。
茶だんご本家 総本家大茶萬
須知 昭匡さん
地域で活躍する先輩
大好きな町の魅力を、多くの人に伝えたいから
(公益社団法人)宇治市観光協会 兼井 茜さん
私もCanVasで4年間活動させていただき、地域の人たちとのつながりができました。現在の職場は、2年生の時のインターンシップでお世話になったご縁があります。自分が「好きだ」と思える地域に貢献できる仕事にやりがいを感じています。
他にも府内でいろいろ動き出しています
大学&学生と地域との連携プロジェクト
地域が抱える課題の解決策を模索する
京都大学「住民・世代間交流促進を通じた日置コミュニティ活性化事業」
宮津市日置地区で地域づくりについて広く地域住民・世代間で議論できる場の創出に取り組んでいます。学生が住民と一緒にアンケートを作成しながら、活動への参画を通して、地域の実態把握や課題へのアプローチを検討しました。
子どもたちとの交流で地域の子育てを支援
京都教育大学×京丹波町「教育と子育ての町」プロジェクト
京丹波町の子どもたちと幼児教育専攻の学生が「わらべうた遊び」や「人形劇」などを通して交流。子どもたちが学生と一緒に体験した歌やお話を家庭でも楽しむことで、親子の絆づくりにも役立っています。
地域の特産物を多言語で情報発信
京都府立大学「地域貢献型特別研究(ACTR)」
京都府・市町村などと連携して地域の課題解決に取り組んでいます。その一環で、学生が城陽市の特産物の生産者を取材し、日英独中韓の5カ国語で紹介する動画を作成したほか、市民の皆さんにも発表しました。
子どもたちに絵を描く楽しさを伝える
京都精華大学「八幡市の小学校でのイラスト教室」
マンガ学部の教員と助手、学生8人が、八幡市立南山小学校で5年生を対象としたイラスト教室を実施。児童たちは表情の描き方や動きのつけ方などのコツを教わり、熱心に制作していました。
地域の方に幻想的な世界をお届け
京都橘大学「ライトアップイベント『冬灯夜(とうとうや)』」
山科地域の伝統工芸品 京焼・清水焼の灯(あか)りと、学生が制作したプロジェクションマッピングで幻想的なクリスマス空間を演出 。学生や地域の方にお楽しみいただきました。
「生物多様性保全」「熟議」から地域づくりにアプローチ
龍谷大学×京丹後市大宮町「持続可能な地域づくりプロジェクト」
生物多様性農業の普及を目指した「ゲンゴロウ郷(さと)の米」の農法確立とブランド化に地域団体と共に取り組むプロジェクトのほか、地域の人がまちについて楽しく考える場づくりにファシリテーターとして関わる取り組みも展開中。
環境保全型農法による米の商品化に取り組む
龍谷大学×南丹市日吉町「南丹プロジェクト」
南丹市日吉町で、農業振興を目指すブランドづくり、商品開発に向けたグループづくりのための農家・住民研修会、中学生と大学生が共に地域の価値を再発見する連携授業、環境保全型農法によるお米の商品化などに取り組んでいます。
学生の皆さん、一緒に地域を盛り上げましょう
公式LINEアカウント・京都府「大学・学生の力」
「学生の意欲・活力」と「府の事業」をマッチング。教育、文化、環境など多様な分野で、学生の皆さんに参加いただける府の事業を配信しています。
きょうと府内定着等推進事業
府では、大学と市町村や企業・団体が連携して、学生が課題解決に取り組む授業や研究活動などの事業を支援しています。
[お問い合わせ]
大学政策課
TEL:075-414-4526
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