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平成24年に高浜発電所における福島第一原子力発電所と同等の事故を想定した拡散予測を実施し、風向による放射性物質の拡散方向等を公表しましたが、今回、住民のより現実的な避難を検討するため、新規制基準に合格した原子炉が想定する放射性物質の最大放出量が放出されたものとし、実気象日の気象条件により拡散予測(SPEEDI)を実施しました。
新規制基準に合格した原子炉が事故時(格納容器破損モード)において想定する放射性物質セシウム137の最大放出量100テラベクレル、また、その他核種を福島第一原発事故におけるセシウム137に対する割合により算定した量が高浜・大飯発電所各1炉から10時間に渡り均等に放出されたとの想定で、放出開始から24時間後の拡散を予測。
過去3年間(2016~2018)の実気象データから、気象庁福井県小浜観測所における風向が京都府に向いていること、同じ方向の風が6時間以上継続すること等を条件に以下の日を選定。
ケース |
選定した実気象日 |
放出継続時間 |
平均風速・風向 * |
1 |
2017年8月3日 AM1時00分 ~8月4日 AM1時00分 |
AM1時00分 ~10時間 |
地上:東南東 5.7m/秒 上空:南東 5.0m/秒 |
2 |
2016年9月24日 AM1時00分 ~9月25日 AM1時00分 |
AM1時00分 ~10時間 |
地上:東南東 2.5m/秒 上空:南東~南南東 2.2m/秒 |
3 |
2016年4月14日 PM7時00分 ~4月15日 PM7時00分 |
PM7時00分 ~10時間 |
地上:北 5.2m/秒 上空:北西~北7.5m/秒 |
* 地上は、気象庁小浜観測所の観測値(地上約25m)
上空は、関西電力(株)高浜・大飯発電所の排気塔約76mの高さにおける推計値
今回の拡散予測では、高浜・大飯発電所が同時に発災し、両発電所から新規制基準による放射性物質の最大量が同時放出された場合でも、拡散地域の1時間当たりの空間線量率(放出開始から24時間後)は、原子力災害対策指針に定める避難基準OIL2の20マイクロシーベルト/時以下となり、UPZ内の住民は屋内退避による防護措置にとどまり、避難を要しない結果となりました。
なお、本予測は、一定の条件(上記2)におけるシミュレーション結果となります。
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