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ナマコは夏が苦手です。水温が18度以上になると活動を停止し、夏眠状態になって暑い夏をやり過ごします。
秋以降、水温が下がると再び活動を始め、泥や砂に含まれた有機物を餌として食べて大きくなります。このようにナマコは、海底の有機物を取り除いて環境を守る重要な役割を果たしているのです。
ナマコの旬は冬から春です。この季節の丹後の海では、ズワイガニや寒ブリなどの超大物が主役を占めています。一方、その傍らに、一品として添えられる酢ナマコは、コリコリとした歯ざわりで、キラリと光る名脇役を務めています。
地味な存在のナマコですが、丹後の冬の味覚として、欠かせないものの一つです。
京都府立海洋センター専門員 岡部三雄(現在、退職)
(平成16年12月22日、京都新聞掲載)
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