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背中と腹に堅くて巨大な棘を具え、黒色で縁取られた堅くて大きな黄色の鱗を身にまとった姿が「松かさ」に似ているマツカサウオは、水族館でも人気のある魚です。この魚の下顎の先には発光バクテリアが住んでいて発光魚としても名が知られています。
丹後の海では、水温の高い夏から秋にかけて刺し網や定置網で混獲されていますし、海水浴中に浅場の藻場や岩場で見かけることもあります。
丹後ではこの魚を食べる習慣はありませんが、筆者の試食では、白身で意外に美味しかったと記憶しています。なお、鱗が堅いので腹から内臓を取り出し、日陰で乾燥させれば立派な標本ができます。
京都府立海洋センター主任研究員 濵中雄一
(平成18年7月12日、京都新聞掲載)
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