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図鑑などで魚を調べていると「タイ」とつく名前の魚が多いことに気付かれると思います。キンメダイ、コショウダイ、イシダイなど「タイ」と付く名で呼ばれる多くの種類は、実は、「タイ」の仲間ではありません。魚の王様「マダイ」にあやかり、このように呼ばれているようです。
チダイ、クロダイなどとともにキダイは、れっきとしたマダイの仲間です。丹後では、「れんこだい」とも呼ばれています。体は黄赤色、背中に黄色班があるのが特長です。新鮮なものほど頭が黄色をしています。
本州中南部から東シナ海に分布しており、丹後の海は北限に近いところです。大きな移動をせず、水深100メートル前後までの砂泥質の海底に生息しています。
キダイは、小ぶりながらも祝儀物として祝膳の姿焼きで用いられるほか、きれいな色をいかし、折り詰めなどの尾頭付きには格好の素材になります。
京都府立海洋センター海洋調査部長 角田孝一(現、京都府水産事務所)
(平成18年9月20日、京都新聞掲載)
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