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今年の3月頃から、府内の定置網に小型のクラゲが大量に入り、漁業者を困らせています。調べてみたところ、このクラゲは有櫛動物門有触手綱カブトクラゲ目カブトクラゲ科のカブトクラゲであることが分かりました。
名前のとおり形は兜によく似ており、大きさはだいたい10センチまでです。体色は透明で、光が当たると虹色に光る筋状の器官が体側に8本付いています。体は非常に脆く、指でつまみ上げただけでも潰れてしまう程です。
人を刺すことはありませんし、コップなどに入れて眺めるとなかなか綺麗で楽しめます。しかし、あまりにも大量に発生すると産業被害を引き起こします。さらに、彼らが動物プランクトンを大量に食べることにより、海の生態系に少なからぬ影響を与える可能性が心配されます。
京都府立海洋センター主任研究員 上野陽一郎
(平成20年5月14日、京都新聞掲載)
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