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海水浴などで海辺を訪れ、岩に付いているフジツボでけがをした経験を持つ人も多いと思います。フジツボは一見、貝のようですが、実は甲殻類に分類されており、エビやカニの仲間になります。
フジツボは、生まれてから一定期間浮遊生活を送った後に、物に付着します。船底に付いたフジツボは船が寄港する場所で、条件さえ合えば繁殖します。このような種類のフジツボには国境はありません。今や日本中に広く分布するヨーロッパ原産のヨーロッパフジツボは、その代表といえます。
丹後では、フジツボを食べませんが、青森県では、大型のミネフジツボが食用にされています。塩ゆでにし、固い殻を割ると、中に小さな身が入っています。この身は、エビとカニを合わせたような味で、意外においしい。
京都府立海洋センター主任 田中雅幸
(平成17年7月6日、京都新聞掲載)
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