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アンコウの仲間は、オタマジャクシのような形で、頭の先に背びれの先端が変化した誘引突起を持っています。この突起を揺らめかせて小魚などをおびき寄せてパクリと一口で食べてしまいます。それで anglerfish (釣りをする魚)と呼ばれています。
丹後では、秋季の底引き網によく太ったアンコウが入ってきます。冬季には浅瀬(水深50~60メートル)にも生息することがあり、定置網に入ることもあります。
代表的な食べ方は「あんこう鍋」で、水戸や常磐地方の漁師料理がはじまりとされています。身はあっさりとした白身ですが、あん肝はねっとりとした濃厚な味で珍重されます。えらや皮なども食され、背骨以外にはほとんど捨てるところがありません。
京都府立海洋センター技師 柳下 直己
(平成16年11月24日、京都新聞掲載)
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