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ハリセンボンはフグの仲間ですが、体の表面に長い針状のとげがあります。このとげは鱗が変化したものです。名前はユーモラスで、名は体を表す典型的なものですが、とげの数は実際には1,000本もなく370本前後だそうです。
丹後の海では、秋から初冬にかけて、強い北西の季節風によって、岸近くに吹き寄せられ、定置網に大量に入ってきます。絞りきった網の中で浮いているハリセンボンの群れは壮大です。
また、時化の後の浜辺に、波で打ち上げられた15センチほどのハリセンボンをよく見かけます。これからの季節、最近はやりのビーチコーミング(海辺に打ち上げられた漂着物の観察、蒐集などを目的にした海岸の散策)のお目当てにいかがですか。
京都府立海洋センター 主任研究員 傍島直樹
(平成17年11月30日、京都新聞掲載)
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