平成29年 春 文化財修理現場見学会 国宝東寺大師堂
教王護国寺(通称:東寺)様の御協力により、「文化財を守り伝える京都府基金」に御寄附をいただいた皆様限定の文化財修理現場見学会を開催し、合計10名の方に御参加いただきました。
1 日時
2 場所
3 概要
- 東寺では、平成27年度から大師堂(西院御影堂)の修理が行われています。今回は、文化財修理を担当する職員の案内により、大師堂の修理現場を見学しました。
- 東寺大師堂は国宝に指定されており、現存する建物は約630年前に建てられたものです。現在は檜皮葺屋根の葺替工事が行われています。「檜皮(ひわだ)」とはヒノキの樹皮のことで、京都では多くの寺社等の屋根に見ることができる、日本特有の屋根葺材料です。見学時には古い檜皮の解体が終わり、屋根葺職人が新しい檜皮を取り付けている作業を間近に見学することができました。
- お堂の中では、床板解体調査の様子を見学したほか、箔押し修理が施された錺(かざり)金具の説明を受けました。実際に触らせて貰うと、金具のズッシリとした重さから建物が経てきた歴史の重みが感じられ、また新旧の職人の技に触れる貴重な機会となりました。職員から、単なる修理ではない「保存修理」の考え方、意義等について説明させていただき、文化財保護について理解を深めていただきました。
- 当日は少人数だったこともあり、和やかな雰囲気の中、活発な御質問をいただきました。御参加いただいた方からは「普段入れない所に入れるので、毎回楽しみにしています」等のご感想をいただきました。