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「ほんまもん」という言葉が多用されるが、これは具体的にどのような意味をもつのか。
このビジョンでは、長い歴史の中で、芸術の域にまで高められた、伝統文化、生活文化をはじめとする多様な優れた京都の文化を「ほんまもん」の文化と表現していますので、御理解をお願いします。
なお、文化芸術振興基本法の「文化芸術の振興に関する基本的な方針」においても、これに対応する言葉として「優れた文化芸術」という言葉が使われています。
「産業と密接に結びつく」とあるが、例えば和装文化の振興を目指し和柄Tシャツを販売したとして、産業と結びつけようとすると、どうしても中国製のものを使用することになる。このように本当の京文化を振興させることと産業面の活性化を結びつけることに対し、どのように考えているのか。
京都では、文化と産業が密接に結びあい、共に発展してきた歴史があり、文化力による経済の活性化にあたっては、例えば、伝統産業などの技術や技法を他分野へ応用して新たな市場を開拓したり、京都の伝統的な素材を用いて新たな製品を開発したりするなど、京都の文化と産業がともに活性化するような取り組みが重要であると考えております。文化による新たなマーケット創出を目指した起業化コンペティションなどの実施に当たっても、この様な視点に配慮しながら取り組みを進めてまいります。
御意見のとおり、府民の皆様が様々な形で、身近に文化に触れ、親しむ機会を提供するとともに、京都の伝統文化や多様な文化芸術の発信機能を強化していきたいと考えております。
「異分野交流」とあるが、具体的にはどのような伝統芸能を結びつけようとしているのか。それに対し、「ほんまもん」をつくることと矛盾はしないのかどうか。
京都府では、これまで、能とモダンダンス、バレエ、フラメンコ等との共演や、ジャズ、クラシック、モダンダンス、バレエ、日舞、舞踏、剣舞等の異分野交流などの取り組みを進めてきており、今後、他分野への拡大を検討しているところです。こうした分野の多彩なアーティストの御協力を得ながら様々な取組を進めるとともに、アーティスト間の交流が促進されていくことにより、さらに芸術性の高い優れた芸術の創造につながっていくものと考えております。
子どもたちに、ほんものの伝統文化・芸術を体験させることは、子どもたちの成長の上でも、文化振興の上でも、大切なことであり、学校・家庭で積極的にそのような機会を持つべきである。今後、文化・芸術を体験できる場が広がることを期待する。
このビジョンでは、文化力による次世代の育成を基本目標の一つに掲げ、学校教育等における文化の体験学習の充実や、様々な「ほんまもん」の文化を体験する仕組みづくりや場の提供を行っていくこととしております。御意見のとおり、今後とも、こうした体験の場が広がるよう努めてまいります。
子供に農村を見てほしい、知ってほしいと思う親は7割を超えるという。それは親世代が自ら農村に子供を連れて行くことが難しく、学校教育の一環として行ってほしいという意向であり、京都府北部にある美しい地域を是非子どもたちに伝えてほしい。
京都府においては、美しい自然や現代につながる人々の営みなど、地域固有の豊かな文化を保存し、未来に継承しようとする各種の取組が実施されています。こうした取組と連動しながら、農山漁村体験をはじめとした、次世代育成の取り組みを進めてまいります。
京都府では、「源氏物語千年紀事業」として京都・関西・日本の文化を国内外に発信するための様々な取り組みを、京都市、宇治市、京都商工会議所等とタイアップして行うこととしております。
源氏物語をテーマとする展示会・ 講演会、出版、映画、「食」や、生涯学習等、源氏物語の魅力を再認識したりするための取組や、多彩な切り口からの事業を府民や企業の皆様とも協働しながら展開していくこととしており、皆様の御理解と御協力をお願いいたします。
若者の場合、「京都の景観」は、茶色の看板になっているコンビニやファーストフード店を見て理解する。東山の和風のマンションも住民からは和家屋を望む声もあるが、観光客には「なるほど京都である」と思わせるものである。これは学生の意識にもつながるし、とても大切であると考える。
御意見のとおり、京都の景観を守るため、様々な取り組みが行われているところです。今後とも、京都市をはじめとする市町村、府民、NPO、事業者の皆様と連携・共同しながら、良好な景観形成の推進を展開していく体制や仕組みを整えていきたいと考えております。
宇治市では9月に「宇治市文化芸術団体連携協議会」がスタートし、「芸術文化協会」の設立準備に向けて進み出した。この様な市民レベルの動きが国民文化祭の成功に向けて、推進体制の一翼を担うことが出来ればいいと思う。
京都府では、府民の皆様の日頃の活発な文化活動が国民文化祭に結実するよう、芸術家と地域の文化の担い手間の交流の促進等の取り組みを推進するとともに、市町村はもとより、御意見のような文化関係団体とも連携しながら国民文化祭の成功に向けて頑張ってまいりたいと考えております。
明治政府のシステムは富国強兵であったが、およそ80年で崩壊した。21世紀の現代の政府の有様は富国強文(文明)だと思う。
御意見のとおり、京都府においても、京都ならではの「文化力」によって京都を活性化するため、このビジョンにより様々な取り組みを進めてまいります。
条例をつくり、基本指針を策定しているということを、どれだけの人が知っているのだろうか。せっかく作った条例などをできるだけ多くの人に知ってもらうためにパンフレットを作り文化施設や文化NPOなど、文化活動を行っている人たちに届くようにすべき。
文化力条例をはじめ府の文化施策については、これまでから「府民だより」等を通じて府民の皆様にお知らせしてきたところです。併せてビジョン策定後には、条例やビジョンに関する冊子やパンフレット等を作成・配付することにより、より多くの皆様に、条例・ビジョンの内容を知っていただき、府と連携・協調して様々な活動が活発に行われるよう、取り組んでまいりたいと考えています。
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