インタビュー:身近な川の生物調査 参加者の声
京都聖母学院中学校・高等学校サイエンス部の取組紹介(インタビュー)
サイエンス部さんを訪問し、調査を通して感じたことや分かったこと、調査をするときの独自の工夫点や新たに調査を始める人へのアドバイスなど、お話を伺いました。
~京都聖母学院中学校・高等学校サイエンス部の皆さん~
取材日:平成30年4月27日
≪クラブ紹介≫
- 部員は13名(高校生2名、中学生11名)で、毎週月曜、金曜に活動。
- 生物班、科学班、レゴ・プログラミング班の3班で調査、研究。
<現在の研究>
生物班…カビの研究
湿度を高くしたり、酸性の液体に浸すなど、様々な環境を作り、カビがどのように生えていくのかを研究。
科学班…糸電話の研究
糸の素材や長さ、コップの種類や大きさなどを変えることで、聞こえやすさがどう変わるのかを研究。
レゴ・プログラミング班…レゴロボットの研究
パーツを組み合わせ、ロボットを作成し、歩かせたり、物を持ち上げさせたりと、ロボットの動きについて研究。
昨年から部員も増え、生徒さんそれぞれが興味あることについて、自ら考えて研究し、和気あいあいと楽しく活動されています。
注※一昨年の調査の様子が掲載されています。
インタビュー
調査に参加されたきっかけは何ですか。
昔から長い間調査に参加してきていて、部員や顧問の先生が変わっても、部全体で参加する毎年の夏の恒例イベントとして参加しています。
調査をされてみてどんなことを感じましたか。
- 知らない虫に実際に触れてみて、こんな水生昆虫がいるんだということを知れたり、きれいな川にもグロテスクな虫がいたりして、新たな発見でした。
- 初めは虫に触れることに少し苦手意識があったけれど、調査をしていくにつれて、きれいな水やきたない水を知ることができるこの調査を面白く感じるようになりました。
調査結果はどのように取りまとめ・活用されていますか。
- ポスターを作成しています。昔もポスターを作っていたようでしたが、ここ何年かは作っていなかったので、一昨年から復活させました。さらに、今年の学院祭では作成したポスターを展示したいと思っています。
長年続けて調査をして分かったことや良かったことはありますか。
- 調査は、高野川の上流地点「八瀬比叡山口駅付近」と下流地点の「河合橋付近」の2地点で実施していて、やはり上流の方が水が澄んでいて、周辺もきれいなところが多く、下流にいくと、ゴミがあったり、臭いを感じることがあります。
- こういう違いは授業で習って知ってはいたけれど、実際に調査をしてみて実感することができました。
調査をするときの独自の工夫点などはありますか。
- 同じ川の複数地点で調査をするときは、下流で調査をしてから上流で調査をしています。
- 川の下流地点で調査をするときは、水が濁っていて足元が見えなかったり、石にコケが付いていて滑ることがあるので、気を付けながら調査をしています。
新たに調査を始める人にアドバイスはありますか。
今後、調査をしてどういうことを探っていきたいですか。
- これからも調査を続けて、下敷きに載っていない種類の生物も見つけてみたいです。また、調査を通して、川の水は汚れていくものだということを実感したので、どうすれば川の水を汚さずに生活できるのかを考えていきたいです。
この他に、水環境に関する研究は何かされていますか。
- 去年、小学校の池にいるメダカとミナミヌマエビを取ってきて、水槽で飼育し、ミナミヌマエビの水質浄化の生態について観察しました。
- ミナミヌマエビによって水槽の水がきれいに保たれていて、その水浄化能力には驚かされました。
- ミナミヌマエビはきれいな水にしか生息できず、繁殖も難しいけれど、そこではよく繁殖していて、水のきれいさは生物の繁殖にも大きく関わっていることがよくわかりました。
≪顧問の先生から一言≫
20年以上前から長い間参加してきたこの調査にこれからも継続して参加し、サイエンス部の生徒達と楽しく調査をしていきたいと思います。
調査結果
平成29年度から過去10年の間に京都聖母学院中学校・高等学校サイエンス部さんが調査された結果及び調査地点です。
表1 過去10年間の調査結果一覧 |
図1 調査地点位置と環境基準点位置図 |
≪参考≫
京都府内の公共用水域の水質の汚濁状況を把握するため、測定計画に基づき水質常時監視調査を実施しています。(詳しくは『公共用水域及び地下水の水質測定計画並びにその結果』ページへ)
図1の調査地点周辺の環境基準点における水質測定結果は以下のとおりです。
注※身近な川の生物調査における「水質階級」が示す環境