マアジの一夜干し(生干し)の作り方
丹後では、春~夏にかけてマアジがたくさん漁獲されます。特に夏のマアジは小型でも脂がのっており大変美味です。今回は、手のひらサイズのマアジを使った一夜干し(生干し)の作り方を紹介します。
調理手順等はあくまでも一例ですので、参考として御利用下さい。
下処理
- 庖丁の刃を魚に立てて当て、尾ビレ側から頭の方向に向かって擦るようにウロコを取ります。なお、写真では出刃包丁を使っていますが、普通の文化包丁でも問題ありません(怪我の原因になりますので、しっかりと研いでおいてください)。なお、尾ビレの横にある固いウロコ(写真の赤丸)は「ゼイゴ」といい、通常は包丁で取ってしまいますが、今回は一夜干しにして焼いてしまうのでそのままにしておきます。
- エラぶたを持ち上げ、背側のエラの付け根を包丁の先で切り取ります。その後、エラと体をつなぐ膜をなでるように切り、反対側のエラも同じように切ったら、腹側のエラの付け根を切り取ります。
- 肛門から刃先を入れて腹を切り、エラと内臓を取り出します。
- 中骨のすぐ隣に血合い(赤い部分)があるので、包丁の先で軽く切り込みを入れます。流水で、ウロコ、血、血合いをきれいに取り除き、キッチンペーパー等で水気をふき取れば下処理は終了です。この時に、まな板なども一度きれいに洗いましょう。この状態で塩を振って焼けば「塩焼き」、酒、醤油、みりんなどで煮込めば「煮付け」になります。
開く(腹開き)
- 頭を右に向けて中骨の上側の身を切ります。何度か庖丁を滑らせるように切り、背中側の皮一枚残すようにします。内臓があったあたりは腹骨があり、少し硬いので気を付けて切ってください。
- 身が切れたら頭を左に戻し、頭の真ん中に包丁を当て、少し力を入れて頭を割りましょう。
※干物に頭がなくてもよいという方は、エラを取らずに胸ビレの後ろに庖丁を入れて頭を落とし、あとは先ほどと同じようにして開きましょう。
塩味をつける
- 干物に塩味をつける方法として、「振り塩(直接塩を振りかける)」と「立て塩(あらかじめ作った塩水に漬ける)」がありますが、今回は「立て塩」で味をつけていきます。
- 魚の種類や脂ののり方によって塩分濃度や時間は変わります。目安は5~15%(1リットルの水に塩を約50~150g)で、20分~1時間ですが、基本的に、脂が多い魚ほど塩が回りやすく、脂が少ない魚ほど回りにくいため、色々な濃さで試行錯誤してみましょう(今回は約10%で1時間漬けました)。
- 漬け終わったら水道水で軽く表面を洗い、キッチンペーパーなどでしっかり水気を拭き取ります。
干す
- 干し網の上に重ならないように、身側を上にして並べていきます。干し網はひさしのあるベランダなど、直射日光が当たらない風通しのよい日陰に干します。なお、干し網を使うことで、ハエやカラス、猫から干物を守ることができます(ホームセンターや釣具店などで販売しています)。
- 表面に指紋が付く程度まで乾いたら裏返し、ベタつかなくなったら完成です。
- 出来上がった一夜干しは、乾燥を防ぐためにラップなどに包んで冷蔵庫に入れ、2~3日以内に焼いて食べましょう。食べきれないときは、冷凍庫で1~2週間は保存できますが、できるだけ早く食べましょう。
- 寝る前にベランダに干し、朝に焼いて食べれば、最高の朝食を味わえると思います。ぜひ、お試しください。