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鴨川真発見記 平成25年8月

 第102号 鴨川納涼&京の七夕開催

鴨川の夜を楽しむイベントを覗いてみました

 今年も

「鴨川納涼」8月3日(土曜日)4日(日曜日)

「京の七夕」8月3日(土曜日)から12日(月曜日)に開催されました。

 8月3日(土)は「鴨川納涼」を覗きました。

 「鴨川納涼」は今年で第44回を数えるお馴染みのイベントです。“鴨川を美しくする会”が主催し、美しい鴨川を後世に伝えることを目的に開催されています。今では清らかな流れを見せる鴨川も、昭和40年代前半には水質の悪化やゴミの散乱が見られ、決して綺麗な川とは言えない状況もありました。

 そんな鴨川を美しくする活動が脈々と受け継がれている歴史あるイベントです。加えて、京都土木事務所では毎日の様に清掃業者に委託して、河川敷きを清掃し、みなさんに快適に鴨川をご利用頂けるようにしています。

 鴨川の三条から四条間の高水敷に様々なブースが設けられ、行政などによる啓発や、京都に在住の県人会のみなさんによるお国自慢の商品も並んでいます。

 ゆかたの無料レンタルも行われていて、会場には多くの“ゆかた姿”の方が鴨川の涼しい風に吹かれながらそぞろ歩きをされている姿が目に付きます。

<ゆかたの後ろ姿が涼しげです>

 そんな“ゆかた姿”の中でも一際目立つ姿のお二人を見つけました。ゆかた姿の頭の上には帽子のように灯籠が乗っかっています。お声掛けさせていただくと、熊本県人会の方で「山鹿千人灯籠祭」のPRだそうです。

 観光案内のホームページによると、このお祭りの一環でしっとりと優雅に舞う乙女の頭には金灯籠。 ゆらりゆらりと灯りがゆれる“千人灯籠踊り”の幻想的な美しさ。」とあります。

<千人がこの姿で舞う姿はさぞかし幻想的なのでしょう>

<熊本といえば“くまモン” “灯籠”と“くまモン帽子”、山田知事と記念写真>

 今回の鴨川納涼では、会場中央近くのメイン舞台に加えて、“鴨川北座”と称するサブ舞台が設置されました。出雲の阿国に因んでの趣向です。

 舞台上では阿国に因んだ紙芝居や出雲の阿国踊りが披露され、会場を盛り上げていました。阿国さんの像も背中に何かを感じていたのでは無いでしょうか。

<紙芝居の上演 講談師のように>

<動きが速くてわかりませんが 手元で白くばやけて居るのは扇です>

<“かもがわ北座”は和風な舞で盛り上がります>

<メイン舞台では洋風なダンスが始まりました>

 みなさんも御存知の様に、鴨川ではあらゆるジャンルの活動が行われています。周辺のみなさんから苦情が来ない様にマナーを守ってご利用ください。

<高野川の健康ベンチにて ギターセッション>

 後日、8月7日(水)に「京の七夕」鴨川会場へと向かいました。今年で4回目となり定着してきたイベントです。

 会場に到着すると、竹灯籠に灯りが灯る前から三脚にカメラを据え付けて点灯待ちの方が場所取りをされています。竹で編んだ手毬状の球体の中にLED電球を和紙でくるんで置いてあり、その上には風鈴がチリンチリンと鳴っていました。

<御池から三条間右岸 風鈴灯エリア 点灯前>

<立派なカメラが並びます>

 風鈴灯エリアを抜けると三条から四条間には様々な願いごとを書いた短冊とLEDの光で装飾されたきらびやかな「七夕ロード」が続きます。

 いつもと違う鴨川の護岸に涼を求めて人々が集います。笹飾りに浴衣姿がよくマッチしているようです。

<七夕ロード 三条側入口>

<七夕ロード 四条側入口>

<願い込めた“七夕飾り”の下に 浴衣姿の女性三人 あなたの願いは?>

 会場中央付近には西陣織で作られた“七夕飾り”が展示されており、来場の皆さんもしばし足を止めて眺めておられました。乞巧奠(きこうでん)という「七夕祭り」の原形の飾りを意識して作られているようです。

<竹と西陣織の装飾飾り>

 そのお隣には、今年初の試みで、目玉アトラクション“プロジェクションマッピング”を映し出す機材がスタンバイしています。

<三台のプロジェクターが立体的な映像を映し出します>

「プロジェクションマッピングとは」でネット検索してみると、

映画館のような専用のスクリーンではなく、凹凸のある壁面や、建築物・家具など立体物の表面にプロジェクターで映像を投影する手法。広告、各種イベント、メディアアートなどで利用される。3Dプロジェクションマッピング。

とあります。

 全国の様々な建物で実施されているようですが、河川の護岸の例は見あたりませんでした。

 早速護岸の最前列に陣取って、映像を待ちます。

 「いつになったら始まるの?7時からって書いてあったのに・・」と待ちくたびれの御婦人もおられます。会場には日没からと書いてありました。おそらく会場入口看板の“7時から9時30分まで”の表示を見て勘違いされたのでしょう。

<7時~9時30分は全体の開催時間です>

 こんな声も聞こえてきました。

 「なんで8月に七夕?7月だと夏休みに入っていないからかな」

 後日、主催関係者である京都府商工労働観光部観光課の方に確認すると、やはり旧暦の7月7日は今の8月に当たることに由来しているそうです。

 現在は“七夕”といえば梅雨の季節を連想しますが、旧暦のお祭りは真夏の夕涼みだったのでは無いでしょうか。

 そうこうしているうちに、突然ライトが点灯し対岸を照らしました。その光の中に自転車で通り過ぎる人の姿があります。この光景がまず見物人に受けていました。

<突然ライトに照らされると“びっくり”します>

<自転車を降りて歩かれます>

 そして、舟が映し出されました。始まるまでは「もう帰ろう」とぐずっていた子どもも、大喜びで映像の展開を楽しんでいます。

<舟がゆっくりと流れていきます>

 上映中、対岸の高水敷は通行止めにしていないので、人が自由に通ります。

 偶然、映像の動きに通行人の動きが合うと、あちらこちらから「あの動きは計算してあるの?」と聞こえてきました。

<映像内の自転車と“同じ方向”に“同じくらいのスピード”で移動する>

<ピンクが本物 黒が映像>

 そして、かつて地上(現川端通り)を走っていた京阪電車が続々と登場し、子ども達は“またまた”大喜びです。乗り物が好きな子どもが多いですね。

<トレードマーク緑の列車が通り過ぎます>

<旧特急が川に飛び出してきました>

<今度は新型特急が飛び出します>

 「あれ新型特急や」と子どもが叫んでいます。

<そして新旧特急が交差して行きます>

 最後に子ども達の笑顔の写真が流れました。ここで高水敷の限界がハッキリ出てしまいました。電車は少々ねじれて写っていても逆に躍動感があっていいのですが、子どもの笑顔がねじれているのは少々残念です。

<今年初めての試みです 改良すればいいだけです>

 電車がうねりながら鴨川に登場した時に思いました。鴨川が平安京造営時に四神相応で“東の青龍”と位置付けられた事を思うと、鴨川に“青龍神”の映像が現れたらと思うのは私だけでしょうか。

(四神相応のイメージイラストPDF 京都土木事務所H作成)(PDF:390KB)

 そしてこちらも新たな取り組みです。みそそぎ川にLED電球を沈めての演出です。

<歌舞練場の提灯とライトとLEDのコラボ>

<他の光が入らない角度まで下がると こんな感じです>

 風鈴灯エリアに戻ると、柔らかな光が幻想的な空間を演出しています。若いカップルもその“光”に吸い寄せられる様にしゃがみ込んで明かりを見つめます。人間、暗いところに明かりがあるとそこに引きつけられる様です。

<明かりに吸い寄せられるのは“虫”も“人間”も>

 京の七夕の会場はこの鴨川会場と堀川会場があります。鴨川会場のこの区間は3年前の整備以前は、あまり人が集わない場所でしたが、整備後多くの方に利用頂いています。等間隔に座るカップルあり、丸くなって食事をするグループありと大変賑やかになりました。

<近隣のお店の明かりで照らされています グループ利用が多いです>

<等間隔のシルエットも浮かび上がります>

 風鈴灯エリアでの鑑賞は、比較的灯りの少ない御池大橋側がお勧めだと思います。今回の「京の七夕」で感じたことは、鴨川の三条から四条の間は、常に光の演出に“勝るとも劣らない”光で溢れていることでした。

 

平成25年8月8日 (京都土木事務所Y)

 

 第103号 御覧いただいている皆様の声に支えられて

御指摘、情報提供ありがとうございます

 鴨川真発見記も最近では認知度も上がってきたようで、御覧いただいている皆様から“誤り”の御指摘や情報提供をいただくようになりました。

 京都土木事務所内で対応できる内容と、対応困難な内容がありますが、関心を持って御覧いただいている事に感謝しております。

 そんな情報提供から“鴨川真発見”です。

 ある方から、北山大橋下流の鴨川(京都土木事務所の目と鼻の先)である野鳥の目撃情報があり、少し気にして見ておりました。

<北山大橋>

 情報では“ある野鳥”が北山大橋下流100m位の所の“中州”に居るのを目撃したという情報です。現在の鴨川の中州は、草が背高く伸びておりその中の様子を窺い知るのは大変困難です。

<北山大橋から下流を望む>

 ましてや、肉眼だけで見ている私には無理だろうと思っていました。そんなある朝、いつものように鴨川を眺めながら事務所へと向かう途中何か動くものが視界に入りました。最近、近くの小さい字は見えませんが、遠くの視力がアップしました。

<北山大橋下流100m付近の中州は草が茂っています>

 対岸下でかなり遠くですが、確かに何かが動きました。ハトよりは大きいようですが、少し中途半端な大きさだなと思いながら、カメラのズームを目一杯に寄せて撮影してみましたが、良く解りません。

<最大限のズームでこんな感じ わかりますか?>

 そこへ、川の中まで降りてきた散歩中のワンちゃんがその野鳥に近づきました。野鳥は驚いて飛翔し、対岸からこちらの岸近くで川の中へ降り立ちました。

<犬に驚いて飛び立つ野鳥>

<こちらに向かって飛んできます>

 またまた、ズームを使って写真を撮り事務所で見てみることにしました。撮影したその場では、“ゴイサギ”の首を長くしたような、はたまた“アオサギ”の首を短くしたような、と思っていましたが、パソコンで拡大してみると明らかに違います。

<あまり見かけないシルエットです>

<こちらがアオサギ>

<ゴイサギは目が赤いです>

 情報提供のあった野鳥名をネット検索すると、どうやらそっくりな画像が出てきました。その名は“ササゴイ”です。

<“ササゴイ”拡大するとこんな配色です 目も赤くありません>

 例によって「日本野鳥の会京都支部」の方に聞いてみると、“ササゴイ”に間違い無しでした。

 ササゴイは京都府の“準絶滅危惧種”に指定されているそうですが、更に進んで“絶滅危惧種”に指定されるほどに激減しているそうです。

 目撃情報は資料が残っている昭和58年からの状況で、10羽を越えたのは僅かに2年だけ、一桁の数字が並び、中には0羽の年もあります。

 ササゴイは、夏鳥として飛来し繁殖するそうですが、日本野鳥の会の方も“どこ”で繁殖しているのでしょう???と首をかしげておられます。

<ササゴイの写真 日本野鳥の会京都支部提供>

 “鴨川”はおろか“京都府全域”でも珍しい野鳥との事です。鴨川真発見記第74号「“鴨川発見”素人野鳥観察少しバージョンアップ」でご紹介しました「カワアイサ」以来の発見となりそうです。

 情報を持っていなければ、“ゴイサギ”かな“アオサギ”かな、と見過ごしていた野鳥と出会うことができました。これも情報提供があって“こそ”と感謝申し上げます。

 

【追伸】

 東京在住の男性から、思わず「お見事」と周りの同僚に報告せずにはいられない“声”が届きました。

 鴨川真発見記第38号「みそそぎ川に流れる水は何処から?」を御覧になってのメールです。

 この方も“みそそぎ川”の取水口が何処にあるかという事に興味を持たれ、2009年12月、2011年11月と2回にわたり京都鴨川へお越しになって探して回られたそうです。

 そしてついに、京都府立医科大学病院のすぐ上流に、それと確信できる取水口を発見し、写真撮影をされて“納得”して東京へお帰りになられたようです。

 おそらく、取水口を探して見つけることが出来て“達成感”と“満足感”を最高のお土産に帰路に着かれたこととお察しします。

<メールを頂いた御本人が撮影された写真>

 最近になって、「鴨川真発見記」の存在にお気づき頂いたようで、第38号は特に興味深く隅々まで御覧いただきました。その中で気になる点が一点浮上してきました。

 ご自分があの“達成感”と“満足感”で確信された「取水口」の位置と、「鴨川真発見記」に掲載したPDFにリンクされている“位置図”に示した「取水口」の位置が少し違っているのです。

<取水口部分拡大>

 すぐにでも走って“確認”に行きたいと思われたそうです。そこで、その“もやもや”をスッキリさせたいと思われ、「この位置図」と「ご自分の確信」の“ズレ”について確認のメールを頂いた次第です。

 御指摘のとおり、位置図作成時の“ミス”です。真の取水口は位置図が示す“落差工”の一つ下流側の“落差工”に設けられています。

 この御指摘は、お恥ずかしい事ではありますが、ここまで細部に至って御覧頂いている方がおられるという“喜び”の方が勝ってしまいました。

 御指摘が無ければ、このままとなるところでした。感謝申し上げます。

 ミスを御指摘頂いたことが、一目で解る形で修正をさせていただきました。御確認ください。

<ミスの跡を残して修正しました>

 今後とも皆様の“声”に支えられて「鴨川真発見記」続けていきたいと思います。皆様の“声”をお待ち申し上げております。

 

平成25年8月7日 (京都土木事務所Y)

 

 第104号 鴨川探検再発見第32弾 開催されました

子ども達は“猛暑”“酷暑”もはねのけて

 8月18日(日曜日)、時候のあいさつも「残暑」へと移っている“お盆明け”ですが、日本列島炎上と言われるほどの記録的な暑さの中実施されました。

 今回は鴨川の水生生物の観察と水質調査がメインのイベントです。午前中は京都土木事務所の会議室で「NPO自然観察指導員」さんのお話を聞いて、勉強します。

<受付では資料と“まゆまろ団扇”が手渡されました>

 この日も連日の30度後半の気温のため冷房も効きが悪く、更に会議室に保護者、指導員、職員も含めると60人以上が集合して、体温で室温が上昇します。

<熱気ムンムンの会議室>

 参加者の皆さんは、汗をかきかき指導員さんのお話に耳を傾けます。そして、聞いたことの確認です。魚の“ヒレ”に色を塗り分けて、“ムナビレ”“オビレ”などなど見本を見ながらしっかり学習できました。

<ここの“ヒレ”は何ていうの?>

<見本を見ながら塗ってみよう>

 元気はつらつの職員から、水遊びをする時の注意点も勉強して、午後からはいよいよ鴨川へと向かいます。

<子ども達に問いかけながら、川遊びの時の注意点を>

 今回は人数も多く、4つの班に分かれての探検です。各班の誘導職員に導かれて並んで鴨川へ到着しました。慌てないでゆっくりと川の中へと進みます。

<3班の人、ついて来てください>

<いよいよ鴨川へと入ります>

<さあ 何が捕れるかな>

 みんな思い思いに“中州”“寄州”沿いに網を潜らせます。すぐに「捕れた」の声が“あちら”“こちら”から聞こえてきます。

<この茂みの下にいるんだな>

 今回は、地元テレビ局や新聞社からも取材の方がお見えになっています。テレビカメラが、子どもの網に入った生き物を撮影します。子どもにも良い思い出となる事でしょう。

<こんな魚が網に入ったよ>

 「鯉がいた」と走りながら網を構える少年、少女。その鯉かどうかは解りませんが、追う先に居合わせた親子の網に体長40cmほどの鯉が入りました。鯉はしばし観察の後、リリースされました。

<あっ!でっかい鯉が居た まてまて!>

<おっと 鯉捕獲>

<どんな“鯉” 見せて 見せて>

 目の前に小魚がたくさん泳いでいるものの、その速さに網は追いつきません。“下手な鉄砲数打ちゃ当たる”の精神で網を振り回してみる子や、ゴルフのスイングの様にタイミングを計って振り下ろす子と工夫してみる様子も見受けられました。

<護床ブロックの上の浅い所には小魚が“うようよ”いるのですが・・・>

<それそれ 運が良ければ魚が入るかな>

 この辺りをエサ場にしている「ダイサギ」が、上空まで来て“くるり”とUターンして飛び去って行きました。もう少しの間待ってください。

<今日は混み合っています>

 猛暑日が続いていますが、生き物達は確実に季節の変わり目を知らせています。赤とんぼが白く浮かんだ雲の中に浮かび上がります。赤とんぼは、既に8月に入る頃には鴨川沿いで群飛んでいました。

<写真右上が“赤とんぼ”>

 そして、川から上がる時間が来ました。一旦土木事務所へ捕まえた生き物を持ち帰って観察します。

 その前に、水質検査です。簡易な水質検査パックで鴨川の今日の水質はどうかと、薬液の色の変化を観察しました。

<この中に鴨川の水を入れてください>

 捕まえた水辺の生き物を観察用の容器に移して、何が捕れたか確認していきます。指導員の方から、「これは何」と教えてもらって記録していきます。

<色んな生き物がいます>

 最後に各班毎に何が捕れたか発表していきます。指導員さんから、この班はこんな珍しい生き物が捕まりましたと補足説明されます。

<アメリカザリガニ、ブルーギルなどなど>

<体の“縦縞”“横縞”も種類判別の目安です>

 その例としては、昨年度は一匹も捕まえる事が出来無かった「カマツカ」が今年は各班共に複数捕まえられたという説明です。

 子供の頃から鴨川近くで生活されている、ある年配の男性から、「鴨川には昔は“カマツカ”が沢山生息していたのに、最近は全く見かけない。どうしてだろう?」と疑問を投げかけられた事がありました。

<“カマツカ”聞き慣れない名前です>

 その時は、「鴨川の有無など河川環境が「カマツカ」の好む環境で無くなったのでは」と話しておりました。 

<“カマツカ”上から見るとこんな形>

 ここ数年の間、中州除去を“少しずつ”“試行錯誤”しながら実施していますが、その影響で「カマツカ」の好む環境に近づいているのかもしれません。

 観察を終えた生き物達は、”すみか”である“鴨川”へと放流してこの日の“探検”を終えました。

 なにはともあれ、熱中症で倒れる方もなく無事終了することができました。

 皆様お疲れ様でした。

 

平成25年8月22日 (京都土木事務所Y)

 

 第105号 鴨川真発見記100号突破記念特集

春から初夏そして本格的な夏へと”鴨川の花の彩りを振り返る”

 桜の独演といった感のある「春の幕開け」とともに一気に華やかになった鴨川ですが、その見頃の時期が過ぎた後も「次々と花咲き」切れ目なく「彩りのリレー」が続きました。

 今回は、春から8月までに目を楽しませてくれた「これはなんの花」をご紹介したいと思います。

 京都府立植物園のNさんに加えて、若きホープUさんのご協力を頂いて、ご紹介させていただきます。ご両人には花の写真を見ていただいて「おそらくこれでしょう」というヒントをいただき、ネット検索で見比べながら確認作業をしました。

 植物にお詳しい方からは、「違うんじゃ無いの」とのお声もあるかと思いますが、素人に免じてご容赦ください。

 最初にご紹介するのは、クローバー(シロツメクサ)と同様に花ビラが鋭利なツメの形をしている“コメツブツメクサ”です。色は黄色でコメツブの様な小さな花が数多く咲いていますが、足元に咲いているので、普通に歩いていると見落とします。シロツメクサのミニチュア版といった感じです。

<コメツブツメクサ>

(2013年5月1日撮影)

 “コメツブツメクサ”の小さな花を地面に従えて、一段高い所で対象的に大きな花を1つだけ咲かせているのは“マツヨイグサ”です。

<マツヨイグサ>

(2013年5月1日撮影)

 葉は、すっかり枯れてしまっているのに、先端に球状にまとまった花の固まりを“アフロヘアー”のように揺らしています。ヒメムカシヨモギでしょうか?オオアレチノギクでしょうか?判断がつきませんが、少し変わった佇まいです。

<ヒメムカシヨモギ?オオアレチノギク?>

(2013年5月1日撮影)

 観賞用によく栽培される“ツルニチニチソウ”が特徴ある葉の上で青い花を咲かせています。

<ツルニチニチソウ>

(2013年5月1日撮影)

 白くて細い花ビラは、“ハマダイコン”でしょうか。“ハマダイコン”は野菜の大根が野生化したものだそうです。そういえば、大根の花なんて見た記憶がありません。 

<ハマダイコン?>

(2013年5月1日撮影)

 西アジアからヨーロッパが原産の“キショウブ”です。“キショウブ”は明治頃から栽培されているそうで、湖沼や河川に拡散している外来種だそうです。

<キショウブ>

(2013年5月12日撮影)

 観賞用に栽培されている“ハナショウブ”もどちらも“アヤメ科”だそうですが、ハナショウブには“黄色”の花は無いそうです。

 また、五月五日に“しょうぶ湯”としてお風呂に入れる“ショウブ”が“ショウブ科”でその花は、ヤングコーンの様な突起状の花を咲かせるそうで、全く別の植物だそうです。花の咲く前の茎を使用しているのだと思っていました。

 寄り州に陣取ったキショウブでしたが、除去された堆積土砂の後で、茎を出す場所を誤ったのか、かろうじて花が水面から顔を出しているのもあります。

 “しょうぶ湯”ならぬ“キショウブ”の行水とでもタイトルしておきましょう。

<キショウブの行水>

(2013年5月21日撮影)

 小さなキクの様な花が紅白に咲いているのが“ペラペラヨメナ”です。ペラペラの葉が“ヨメナ”という食用に用いられる植物に似ているのがその名の由来だそうです。

<白とピンクの“ペラペラヨメナ”>

(2013年6月7日撮影)

 鮮やかな“黄色”の花の群れがあります。実はこの植物“オオキンケイギク”は、在来の植物の生態系に重大な影響を及ぼすおそれがあるとして、いわゆる「外来生物法」による“特定外来生物”に指定されています。栽培、運搬、販売、野外に放つことが禁止されているので、綺麗だからと家で栽培すると罰則規定が“適用されます”ので御用心。

<“オオキンケイギク”>

(2013年5月24日撮影)

 “ヒルガオ”は鴨川ではよく目にする花です。朝に花を咲かせる“アサガオ”に対して、昼間に花を咲かせるので“ヒルガオ”です。今朝、夏休み明けで“アサガオ”を学校へ持っていく児童を見かけました。“アサガオ”の自然生えは見たことが無く、人が手を掛けてあげないと咲かないのに対して、“ヒルガオ”の方が“たくましい”のでしょうか。

<淡いピンクの“ヒルガオ”>

(2013年6月9日撮影)

 “オオキンケイギク”とは違って「特定外来生物」には指定されていません。この“ハルシャギク”も原種は外国です。植物は外来種が多いですね。花びらの周り半分が黄色の種類もあって“オオキンケイギク”と間違われることもあるそうです。

<“ハルシャギク”>

(2013年6月11日撮影)

 ナデシコといえば、“なでしこジャパン”という言葉が浮かびますが、ナデシコの花が浮かびません。大和撫子という言葉に表されている“ナデシコ”は“カワラナデシコ”だそうで、細く可憐な花を日本女性に見立てているとのこと。鴨川で見た記憶がありません。

 このピンクの花は“ムシトリナデシコ”と種類だそうです。“ムシトリ”と聞くと“食虫植物”かと思いますが、さにあらず。分泌する粘液に虫が貼り付いてしまうということでこの名が付けられたそうです。

<“ムシトリナデシコ”>

(2013年6月11日撮影)

 “ナスビ”の花に似た花を咲かせているのが“ワルナスビ”です。“ワル”は“悪”で悪いなすびという意味だそうです。生命力が非常に強く、名付けた方が持ち帰り庭に植えたところ、爆発的に繁茂したため、根絶やしにしようとしても少し残った根が何度も繁茂を繰り返したそうで、悪いやつということで“ワルナスビ”だそうです。

<“ワルナスビ”>

(2013年6月2日撮影)

 この“猫じゃらし”のような植物は“チガヤ”と呼ばれているそうです。“フワフワ”の尻尾のようなこの植物はよく目にするものの、これが花という認識はありませんでした。花は“花びら”と認識出来るものしか花と思って見ていなかったことに気づきました。プチッとちぎって誰かをくすぐった経験はありませんか。

<“チガヤ”>

(2013年5月24日撮影)

 “ノイバラ”が護岸に広がったり、堤防の上から垂れ下がったりしています。“ノバラ”なので、トゲがあります。茎に触る時は慎重に。

<“ノイバラ1”>

(2013年6月16日撮影) 

<“ノイバラ2”>

(2013年6月9日撮影)

 黄色い“タンポポ”の様な花を咲かせているのは“ブタナ”です。昭和初期に北海道へ上陸し、またたく間に日本全土に広がった新参ものだそうです。それにしても“ブタナ”とは。その名の由来は、豚が好んで食べることからフランス語で「豚のサラダ」と呼ばれているのを直訳して“ブタナ”だそうです。少々気の毒な感もあります。

<ブタナ>

(2013年6月16日撮影)

 赤い花を咲かせているのは、“オシロイバナ”です。その名からも想像できるとおり“オシロイ”に関連する植物です。その黒いタネを割ると、中から白い粉が現れます。江戸時代には、この粉を“オシロイ”の代用として使用していたそうです。

<オシロイバナ>

(2013年6月25日撮影)

 百合のようなラッパ形の花が咲いていました。“ハマユウ”という名前を聞いてネット検索すると、“ヒガンバナ科”ということで、“白いヒガンバナ”のように細い花びらが大きくカールしている画像が出てきました。そんな多くの画像の中に、ラッパ形の花があります。クリックしてみると“インドハマユウ”とのこと。別の情報では本当は“アフリカハマユウ”とあります。難しいです。

<“ハマユウ”>

(2013年7月1日撮影)

 その先端を“ポキッ”と折ると“アメリカンドッグ”か“フランクフルトソーセージ”といった感じの植物が“ガマ”です。茶色くなっているのは、花が枯れた姿だそうです。子供の頃は、中に“ビッシリ”詰まった綿状のタネをほぐして飛ばしたものです。

<“ガマ”>

(2013年7月2日撮影)

(2013年7月2日撮影)

 硬くて先の尖った“刀”のような葉に守られる様に白い花を咲かせているのが“ユッカ”です。“ユッカ”と呼ばれる植物にも色んな種類があるそうですが、洋館の庭に合うということで鑑賞用に日本に持ち込まれたそうです。

<“ユッカ”>

(2013年5月25日撮影)

 小さなピンクの花を咲かせているのは、“アベリア”です。園芸上の名前が“アベリア”で学名は“ハナゾノツクバネウツギ”だそうです。愛称と理解すればよいのでしょうか。植物は「この種類を総称して」とか「学名と呼称が違う」とか「亜種」とか素人には難しすぎると痛感しています。

<“アベリア”>

(2013年5月26日撮影)

 細かな花が密着して咲いていて、そこに“ソフトフォーカス”で“ぼかし”を入れたように細い繊維に覆われています。その名は“シモツケ”です。由来は、この植物が栃木県の下野(しもつけ)で最初に発見されたからということで、こちらは“地名”をいただいたようです。

<"シモツケ"

(2013年5月26日撮影)

 もりもりと元気な花を咲かせているのは“シャリンバイ”です。名は体を表すという一例でしょう。葉が茎の一節に車輪のように複数付く「輪生」という特徴から“シャリン”が頭についているそうです。

<"シャリンバイ"1>

(2013年5月26日撮影)

<"シャリンバイ"2

(2013年5月26日撮影)

 平らな所に生えている場所では、その下にすわるとちょうど良い日よけになるのが“トベラ”です。花が咲いたなと思うと、気が付けばもう散っているという瞬間的な印象のある花です。今は実を実らせています。

<"トベラ"遠景>

(2013年5月18日撮影)

<"トベラ"の花アップ>

(2013年5月18日撮影)

<"トベラ"の実 つぼみは上に 実は下に向いています>

(2013年7月19日撮影)

 前出の“アベリア”と同じく名の最後に“ウツギ”付きます。“タニウツギ”は5月から6月、枝垂れた枝に“これでもか”といわんばかりに沢山の花を付けます。肉厚の花で“ズッシリ”とした質感を感じます。

<"タニウツギ">

(2013年5月6日撮影)

 小さな花が鈴のように咲いているのは“ドウダンツツジ”です。揺らせば“チリンチリン”と音が聞こえてくるのではと思わせる“涼しげな”花です。

<ドウダンツツジ>

(2013年5月1日撮影)

<鈴なりに咲く花>

(2013年5月1日撮影)

 日本の四季を連想させる花の代表格と感じるのは、梅雨の代表“アジサイ”です。特に、雨に濡れた姿は鴨川を歩く人の目を引きます。納涼床の並ぶ三条~四条間、床の切れ目に毎年色とりどりの花を咲かせます。大事に手入れされているのだと思います。

<アジサイ>

(2013年6月13日撮影)

  “良い香り”がするなと見上げれば、白く弱々しげな花が高木に咲いていました。“センダン”です。河や実は“殺虫剤”や“鎮痛剤”にも用いられるそうです。高木の花というのは、高い所に咲いているので普段あまり気にしていませんでしたが、この“センダン”をキッカケに色んな高木の花を見るようになりました。

<"センダン">

(2013年5月24日撮影)

<"センダン"の花1>

(2013年5月24日撮影)

<"センダン"の花2>

(2013年5月24日撮影)

 そして、夏が盛りの花が赤々と咲いています。幹の肌がつるつるで猿も滑るという“サルスベリ”です。“ヤナギ”や“アベリア”に囲まれて一際艶やかに咲き誇っています。

<サルスベリ>

(2013年7月27日撮影)

 

【おまけ】

 セミの鳴くシーズンも終盤に差しかかりました。大きな音量で鳴いている“セミ”も普通に歩いていると目にとまりません。逆に、その生涯を終えて転がっている姿はよく見ます。“アブラゼミ”が目の前で鳴いていたので撮影しました。

 それにしても自然界の保護色は良くできていますね。

<鳴いていないと見逃す“アブラゼミ”>

 秋も近くなって、鴨川からも虫の声が届きます。“スイッチョン”と声はすれども姿は見えずで、普段は草むらに隠れている声の主が、高水敷で待っていてくれたかの様に“微動”だにしません。

 京都市に来てからはあまり見かけないその姿を、“横”から“前”から“後”からとじっくり観察させていただきました。ネットで確認したところ、“ニシキリギリス”ではないかと思います。

<横から モモ?の部分だけで体くらいの長い脚>

<前から 仮面ライダーのモデルとなった顔>

<後から ジャンプして背中の羽根で宙を舞います>

 そして、先日テレビで見た草の花が、帰省した実家にありましたので紹介します。今年は沢山の個体を目にする“コサギ”ですが、このサギが飛んでいる時の姿に似ている花を咲かせることから“サギソウ”と呼ばれる植物です。

<白いサギが羽ばたくような花を咲かせる“サギソウ”>

(2013年8月16日撮影)

(2013年8月14日撮影)

(2013年8月14日撮影)

<みそそぎ川の“コサギ” 人に馴れています>

<翼を広げた”ダイサギ”>

<こちらは青空を舞う“アオサギ”>

 「植物」にしても「昆虫」にしても奥が深すぎて底が全く見えません。ネットでの勉強を交えて紹介させていただきました。何分素人ですので、皆様のご指導お待ち申し上げております。

 「鴨川真発見記」の文章は小学4年生の作文を目指して書いてきました。

 100号突破記念を掲げた今回は、久々に夏休みの宿題を“ギリギリセーフ”で間に合わせるという気分を味わいながら記事を仕上げました。今後ともよろしくお願いいたします。

 

平成25年8月30日 (京都土木事務所Y)

 

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