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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(2023年9月20日、ものづくり振興課 足利)
第9期フェニクシーインキュベーションプログラム一般公募(外部リンク) |
(掲載日:令和2年8月6日、ものづくり振興課 中原、浦出)
株式会社フェニクシー(外部リンク)(京都市左京区)の広報・国際開発ディレクター飯島由多加様にお話をお伺いしました。
—フェニクシーさんは昨年6月に創設されたところですね。
飯島)はい。弊社ファウンダー久能祐子と英国出身のKate Goodallが2014年に米国ワシントンDCで設立した「ハルシオン(Halcyon)」をモデルに、日本独自の展開として2019年6月に専用施設「toberu」を京都に開設し、ソーシャルインキュベーションプログラムの提供を始めました。
創業メンバーは、前述の久能のほか、元メリルリンチ日本証券社長の小林いずみ、マネックスグループCEOの松本大、TomyK代表の鎌田富久、そしてアールテック・ウエノをCEO(当時)として上場させた弊社代表取締役の橋寺由紀子です。
—錚々たるメンバーですね!
飯島)アドバイザリーボードには、経済財政担当大臣も務めた大田弘子政策研究大学院大学特別教授、越智仁三菱ケミカルホールディングス代表取締役社長、山極寿一京都大学総長など各分野を代表する12名の方を迎え、実のある議論を通して弊社事業へ助言いただいています。先日も「イノベーションを阻む組織の壁」について議論をしました。
—各界の代表者の意見を運営に取り入れておられるのですね。
フェニクシーさんは「ソーシャルインキュベータプログラム」を提供されているということですが、他のインキュベーターとの違いはなんですか?
飯島)まず、「社会課題」を自分のアイデアで解決したい人を対象に支援をしているというところです。私たちは社会課題の解決=ビジネスチャンスだと捉えています。収益と同時に社会的インパクトも追求し、インパクト投資やESG/SDGs投資を呼び込み、その投資が新たなインパクトを生み出す好循環、エコシステムを構築します。
—なるほど。
飯島)「大企業発ベンチャー」にフォーカスしているのもの特徴です。企業に在籍したまま起業・社内事業化に挑戦する人材を集め、4ヶ月間のインキュベーションプログラムでビジネスモデルを作り上げます。
これまで2クール開催しましたが、その中で生まれたビジネスモデルを自社に持ち帰り、実際に予算化され、事業化に向かっている事例も出ています。
—インキュベーションプログラムではどのようなことをされるのですか?
飯島)まず、プログラム期間中は、フェロー(プログラム参加者)を所属企業等から完全に分離し、toberuに居住していただきます。時間と空間を共有してこそ生まれるイノベーションがあると考えており、共創と競争の環境づくりを意識しています。
—合宿みたいですね!
飯島)そうですね、有志で早朝ランニングする方々もいます(笑)
―プログラム期間中、入居者はどのような過ごし方をされるのでしょうか?
飯島)一日のはじまりは朝食からです。「フードインキュベータ」と呼んでいるのですが、飲食店開業を目指している方などにフードスタッフとして朝夕食を作っていただき、開業前の実践の機会として活用してもらっています。
—なんと、フードスタッフさんにとっても挑戦の場になっているのですね!
飯島)そうなんです。朝食後は、こちらで用意したセミナーやワークショップに参加していただきます。私たちの強みのひとつはハルシオンとの連携です。投資家に向けた米国流のピッチ技術の指導を直接受ける機会を設けています。投資家やメンターに実践形式でピッチし、忌憚ない指摘・助言を受ける「Pitch Session」をフェニクシーでも導入し、甘やかすことなく育てる環境がよりよいビジネスモデルを生み出すことにつながると考えています。
隣接する京大とも連携し、京大の講義に参加したり、相互にピッチ演習をすることもあります。
—米国や京大との繋がりが強みですね!
飯島)はい。残りの時間は、各自、個別作業やネットワーキングをしています。施設内には図書室併設のラウンジなど共有スペースを多く設けており、気軽に他業種の企業から来ているフェローの意見を聞けるような場づくりをしています。形式的・一時的ではない本質的な「交流」を生むことができることも、滞在型プログラムを展開する弊社ならではの強みです。
—確かに、一過性のイベントでは生まれない、より深いイノベーションの創出が期待できそうです!また、施設にもこだわりを感じます。
飯島)はい。建設にあたっては、ソーシャルイノベーションが生まれるために必要な機能を考え抜きました。壁全面にホワイトボード加工を施したスペースも、できるだけ際限なく議論を展開できるよう設けたものです。また、アート作品を展示するなど柔軟性や創造力向上につながるような工夫をしたり、普段はなかなかない内省の機会になるよう、哲学コンサルタントが主導するファシリテーションプログラムなども設けています。
—御社のインキュベータプログラムに参加するための要件は何ですか?
飯島)インキュベーションプログラムの開催ごとに、HP上で募集をしています。(1)「企業に在籍している方」と、(2)「起業家」の大きく2つのカテゴリーがあり、(1)については、企業様に「スポンサー」になっていただいた上で、その社内で志願された方にご参加いただきます。(2)については、創設1年未満、売上高1億円以下の社会起業家を対象に広く公募しており、起業時に株式の3%相当をSK Impact Fund(創業者である久能が設立しているファンド)に対して付与できることを条件にご参加いただけます(いずれも選考あり)。
第3期(2020年秋開始予定)の応募はすでに締め切ってしまいましたが、今後順次プログラムを展開していく予定です。
—新たに「toberu2」も建設中だとか?
飯島)はい、今は「toberu」1棟と、フェローや修了生が利用可能な東京のシェアスペース「浜町ラボ」がありますが、新たに「toberu 2」を近隣に建設予定です。まさに現在、どのような機能を持たせるか詰めている所ですので、楽しみにお待ちいただければと思います!
—多くのソーシャルイノベーターが生まれてくることを楽しみにしています!
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