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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(掲載日:令和3年11月9日、聞き手・文:ものづくり振興課 丸山)
第65回京都府発明等功労者表彰(創意工夫功労者)を受賞されましたミル総本社の岸永さんと正面さんにお話を伺いました。
-新商品を発売されたのですね
岸永)はい。先日、賀茂なすのお味噌汁を発売しました。
あかもくの味噌汁、しめじの味噌汁と合わせて、京都シリーズが3種となりました。丹波しめじの味噌汁は、優良ふるさと食品中央コンクールに推薦いただき、食品産業局長賞(外部リンク)を受賞したので、大変光栄でした。
-ありがとうございます。あかもくの味噌汁も美味しそうですね。
岸永)今、一番人気の商品ですね。関東圏のお客様などには、あかもくが大変珍しいようですし、とろみも出るので味噌汁とマッチしてるのだと思います。
新商品の開発は大変でしたか?
岸永)そうですね。以前取材いただいたフィットライフコーヒーをはじめとした飲料の商品開発は慣れていましたが、今回は京野菜を使うこともあり、フリーズドライのテストを何度も重ねました。色々な野菜で試したのですが、お湯をかけてもうまく戻らないものもあるので、今も賀茂なす以外の野菜で試作をしています。
賀茂なすはフリーズドライに向いており、加工がしやすかったです。
-京都府でも、令和元年度食品開発支援事業で、京野菜の加工特性について研究を行いました。
岸永)こういったデータを、中小企業が一から蓄積するのはとても難しいので、大変ありがたいです。
-試作は全て自社でされているのですか?
正面)はい。商品開発部のメンバーで、テストをしており、フリーズドライの工程では京都府中小企業技術センターにもお世話になっています。うまくいったら、OEMを依頼している工場で量産をします。
-府の施設も活用いただきありがとうございます。商品の特徴を教えてください。
正面)一般に販売されているインスタントの味噌汁と異なるところとしては、弊社で開発した乳酸菌GABAを入れていることや、減塩により塩分をカットしており、「かるしお」認定(外部リンク)されていることです。
-京野菜の味噌汁というだけでも貴重な印象を受けますが、それでいて減塩、さらにGABA入りとなると健康的ですね。
岸永)はい。弊社主力商品のフィットライフコーヒーはトクホを取得しておりますので、健康食品としての知見や経験を蓄積してまいりました。お味噌汁も、日々の食事に取り入れていただき、乱れがちな食生活のサポートができたらという思いでつくりました。
一人暮らしの学生や社会人がターゲットでしょうか?
岸永)いえ、実は、弊社の顧客はご高齢の方が多いです。小売店では取扱をしておりませんので、コーヒー飲料を愛用いただいているお客様に、併せてご購入いただいています。
-どちらで購入が可能ですか?
正面)自社通販サイトや楽天市場を中心に販売しています。今後は、若年層のお客様にも届けたいと考えています。
-今後の展望はありますか?
岸永)GABAを使用した商品開発を進めていきたいと考えています。現状は、味噌汁のラインナップが3種類しかないので、聖護院だいこんや堀川ごぼうなどにも挑戦したいです。
-ありがとうございました!今後とも応援しております!
(掲載日:平成28年2月3日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
平成26年度元気印企業の株式会社ミル総本社様。今回、同社執行役員・Web事業部長の杉山様にお話をおうかがいしました。
―まず、御社の事業概要をお聞きしたいのですが、平成14年度京都府中小企業技術大賞優秀技術賞の「フィットライフコーヒー」の特徴を中心に教えてください。
杉山) 当社は、トクホ(特定保健用食品)をはじめとする健康食品の製造販売をおこなっています。コーヒー、お茶その他のドリンク、基礎化粧品等を扱っています。それらの中で、主力商品に成長した「フィットライフコーヒー」とは、食物繊維(難消化性デキストリン)入りのインスタントコーヒーで、血糖値の上昇を穏やかにするものです。大手企業がひしめくトクホ(特定保健用食品)血糖値部門で第4位のシェアを占めています。
―購入方法、そして売れ行きはいかがでしょうか?
杉山) メインはテレビショッピングや新聞広告による通販です。中高年の女性を中心に支持をいただいており、リピート率も非常に高いです。本社横にコールセンターを設けており、お年を召した方にはオペレーターとの会話を楽しんでくださっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、ネット通販も「楽天市場」や自社サイトで行っています。
―一般のインスタントコーヒーより少し高くても、こうした機能性に優れたものをお客様はお求めなのですね。
杉山) お得な「定期コース」もございます。お客様のご好評に応えるべく、現在、本社近くに新工場を建設中です。
―新規参入も多い業界だと思いますが、そんな中での御社の強みは何でしょう?
杉山) 平成9年に「エコライフ」という、ビフィズス菌を増やして腸内の環境を良好に保つ、ヨーグルト風味ドリンク、平成12年には先述の「フィットライフコーヒー」が、それぞれトクホを取得しました。特に、当時はトクホのコーヒーはなく、当社はその先駆けです。
―そのように大変なトクホを取得された理由は?
杉山) 健康食品市場はたしかに成長市場であり、様々な新規参入が相次いでいます。トクホ制度ができる際、当社社長の藪がその基準づくりに関わったこともあり、自らトクホを取得することを考えついたものです。最初から「無理だろう」という姿勢ではなく、ひらめきやチャレンジ精神を大切にし、それを実現するための「あきらめない努力」が大事だと考える当社の社風があってのことだと思います。
―なるほど、1977年創業でらっしゃいます。随分長く健康食品に携わってこられたわけですが、会社名のミルは、豆を挽くコーヒーミルのことですか?
杉山) よく言われるのですが違うんです(笑)。子供の成長にとって大切なミルクを意味しています。創業当社は乳酸菌飲料事業を行っていました。
―GABA(γーアミノ酪酸)の開発もされてますね。
杉山) 天然アミノ酸の一つであるGABAは、抑制性の神経伝達物質として興奮を抑え、ストレスを低減する作用が認められており、それを用いた商品は世に多くあります。また、GABA自体の生産方法も様々あり、当社では、京都府中小企業技術センターに技術指導を受け、平成15年に特許登録した、GABAを含有した乳酸発酵食品を製造する方法や、京都府立医科大学にデータ蓄積・解析で協力を得ながら研究してきた「トマト発酵ギャバ」を開発してきました。
―今後の展開について聞かせてください。
杉山) 糖だけでなく脂肪の吸収の抑制について研究を進めています。トクホ市場において、中性脂肪・体脂肪市場は血糖値市場の7倍に上ります。お困り、お悩みの方がより多いのです。
―敢えて課題を挙げるとすれば?
杉山) そうですね。大手から新規参入まで、多くの企業がひしめき合う健康食品市場において、中小企業である当社がうずもれないように、「京都色」をもっと押し出していきたいと思います。京都の会社が、京都で作っているのですから。
「京都発」の健康食品で、健康と幸せをサポートされる同社の今後の展開がますます楽しみです!
株式会社ミル総本社https://www.mill.co.jp/(外部リンク)
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