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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(2023年4月、ものづくり振興課)
株式会社エクサウィザーズ(外部リンク)ニュースリリース
インフラ側のセンサーで様々なモビリティ等の制御を実現するハイバーデジタルツイン基盤の構築にも、兼業副業で取り組んでおられる社員もいらっしゃいます。
(掲載日:令和元年12月19日、ものづくり振興課 足利)
株式会社エクサウィザーズ(外部リンク)(京都オフィス:京都市左京区)が、ロボットのためのAI「COREVERY」(コレベリー)(外部リンク)の提供を12月12日より開始されました(上記写真は「国際ロボット展2019」にて、注ぐ水の量を、画像やジャイロセンサ等の様々なデータから学習して、注ぐ水の量を適確に量るデモの様子)。
特徴は様々ですが、まず1つは、粉体や液体を量り取る、不定形物を掴むなどこれまでプログラミングで実現できなかった制御が可能です。
2つ目は、AI・プログラミングの知識は不要で、様々な動きを"手動でも"覚えさせられます。AIによる制御を用いることで手動でもロボットに動作を学習させることが可能となるため、AIやプログラミングの知識がない方でも簡単に動作を設定できます。
3つ目は、まさしくAIの真骨頂ですが、作業を振り返り学習を続けるため、使えば使うほど理想の動きに近づいていきます。
ロボットが熱い!ですね。
(掲載日:平成29年9月9日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
(掲載日:平成29年2月8日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
株式会社エクサウィザーズ(外部リンク)(京都支社:京都市左京区)の古屋代表取締役CEO様にお話をおうかがいしました。
―京大発ベンチャーでらっしゃいますね。
古屋) 京大発と言って良いのかよく分かりませんが、京都大学情報学研究科博士課程在籍時にエクサインテリジェンスを仲間と一緒に立ち上げました。大学院では、ディープラーニング等、機械学習の技術を医療に応用する研究をしていましたが、この技術をもっと世の中に活用していきたいと考え、AIベンチャーの立ち上げを選びました。その背景には、ディープラーニングが大量のデータやサーバーが必要で、大学のみで研究するより、企業さんと一緒に研究・開発していくのが良いだろうというのがありました。また、日本のアカデミック界隈では、新規性の観点からディープラーニングは受け入れられにくいという背景もあり、国内のディープラーニング研究者や指導者が少ないという実情の打開をしたいという思いがありました。
―なるほど。
古屋) そこで大学の産学連携部門に相談したところ、元DeNA取締役会長の春田氏を紹介いただき、共同創業者としてこの会社を立ち上げました。現在、メンバーも増えつつありますが、まだまだ増やしていきたいので、人材募集中です。本社としている東京には営業部門がありますが、開発は全て私のいるこの京都支社が行っており、人員の大半が京都支社におります。
―ズバリ、同業他社との相違は?
古屋) AIを謳ってらっしゃるところは増えてきていますし、もちろんすごいところもあるのですが、当社は先行して機械学習技術に取り組んで来ましたので、高い技術、ノウハウを有しています。また、技術だけでなく、ビジネス経験豊富なメンバーが入っておりますので、技術とビジネスの両面からサービスを作っていける点が強みです。
―具体的な事業の概要について教えてください。
古屋) 1つは、産業分野へのAI導入で、具体的には医療分野、製造業を中心に共同研究開発を行っております。
―なるほど。
古屋) 2つ目は、AIプラットフォームの提供です。現在、弊社ではAIプラットフォームの開発を行っており、AIのエンジニアのいない企業様に対してもAIを使ったシステムの導入を行っています。ディープラーニング等、機械学習の最新の技術をキャッチアップし、各企業さんに合ったAIシステムを構築出来るところに強みを持っています。
―素晴らしい。
古屋) 3つ目は、機械学習に精通した技術者がまだまだ少ないですから、データサイエンティストの育成も行っております。私自身も大学等で講義しております。
―産業分野へのAI導入の具体例としてはどんなものがありますか。
古屋) 医療分野の例で言いますと、AIを使ってMRIやCTの画像から冠動脈を自動抽出するというものがあります。これにより、診断スピードのアップ、医師の負担軽減に繋げていきたいと考えております。
―ということは、別目的で撮影した画像からも自動的に発見される、疑いのない人でも早期に発見されるというような素晴らしい時代が来るかもしれないですね。すごい! ディープラーニングによる手法とこれまでの手法の違いを、ド素人の私に分かりやすく言うとどうなりますか?
古屋) 例えば、りんごとバナナを判別しようという時、従来手法だと、りんごは「赤い、丸い」、バナナは「黄色い、細長い」という特徴を人が定義して、その情報を画像から抽出し、判別していました。しかし、ディープラーニングは大量のりんごとバナナの画像を集めさえすれば、あとはコンピュータの力を使い、大量の特徴を作り出し、その中から、りんごとバナナの判別に効いている特徴量を自動的に見つけます。つまり、従来手法では、人の手で「赤い、丸い」などの特徴を定義して、その特徴を抽出する必要があったのですが、ディープラーニングだと、人間だと気付きにくい、例えば、りんごは「小さな斑点がある」バナナは「先と端が青みがかっている」など細かい特徴を自動で見つけることできます。
―ほほう。
古屋) 乱暴ですが、もっとわかりやすく言うと、従来手法は拳銃で狙いを定めて打つのに似ていて、ディープラーニングはマシンガンでとりあえず当たるまで打ち続けるというのに似ています。
―なるほど。他にはどんな例がありますか?
古屋) 医療で言えば、がん細胞の発見にも役立つと考えております。
―個人情報ってなかなか集めにくいですが、データの確保はどうするのですか?
古屋) ディープラーニングにはおもしろい性質がありまして、転移学習と言って、全く違う領域のデータで学習した学習済みのモデルを他分野へ流用することが可能です。これにより、データがたくさんとれる分野で学習させて作ったモデルを、データ量が少ない分野に適用していくことができます。医療分野はデータを集めにくい領域ですが、データを集めやすい業界で、AIを学習させ、それを医療に転用することで、少ないデータでも高精度な学習をさせることができます。また、乱暴になりますが、例えば、工業分野で配線(コード)を抽出するモデルを作り、そのモデルを医療画像から血管抽出に転用するという具合です。
―おもしろいですねえ。
古屋) そして、それは開発期間の短縮、ひいてはAI開発の低コスト化にもつながるわけです。
―なるほど。
古屋) また、これは経験則的にも理解しやすいと思いますが、種類の違うデータ・セットを同時に学習させるマルチモーダル学習というものがあります。この手法は画像と音声を同時にAIに学習させることで、画像のみで判別するより、精度があがるというものです。この手法を医療に応用すると、例えば、CT画像だけでの腫瘍発見は7割の精度だったとします。一方、バイオマーカーなど様々な検査値の情報と画像を同時に学習させた場合、8割以上にアップするというものです。例えば、食品検査等でも、食品サイズだけでなく他のデータも組み合わせることで、高い精度を実現できるようになります。
―ハイクオリティですね。
古屋) そうですね。ディープラーニングは、従来手法に比べ、高いQCD(品質・コスト・納期)を実現できる可能性が高い手法になります。
―大変勉強になりました。最後に、今後の展望はいかがでしょうか。
古屋) 東京ではAIの企業の数も増えてきています。しかし、私どもは、地方発のベンチャーとして、地方での働き口を作りたいと思っています。そして、AIが人の仕事をサポートし、人間は機械のような単純作業に時間を奪われるのではなく、人にしかできない血の通った仕事に注力出来る世界になると良いなと思います。
講義もされてるだけあって、今回大変分かりやすくAIについて教えていただきました!同社の今後の発展が大変楽しみです。
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