特集知って備える気象災害
「気象災害」とは、大雨などの気象現象によって生じる災害のこと。最近では短時間に狭い範囲で非常に激しく降る雨が頻発し、府内でも避難が必要になる状況が各地で発生しています。気象の傾向や災害時の情報収集について正しく知ることが、命を守るための備えにつながります。
京都府内における近年の気象災害の例
- 平成25年
1台風第18号
人的被害6名
住家被害5,470棟 - 平成26年
28月大雨
人的被害3名
住家被害4,854棟 - 平成29年
3台風第18号
人的被害2名
住家被害1,110棟 - 平成29年
4台風第21号
人的被害10名
住家被害1,527棟 - 平成30年
57月豪雨
人的被害12名
住家被害2,455棟 - 平成30年
6台風第21号
人的被害59名
住家被害11,600棟 - 令和元年
7台風第10号
人的被害4名
住家被害5棟 - 令和元年
8台風第19号
人的被害4名
住家被害9棟 - 令和2年
97月豪雨
人的被害2名
住家被害38棟 - 令和4年
107月前線等による大雨
人的被害4名
住家被害8棟 - 令和4年
11台風第4号
住家被害33棟
最近、雨の降り方が変わった?
7月の集中豪雨の発生回数は過去45年間で約3.8倍に
降水量の多い集中豪雨ほど増加傾向にあり、梅雨期、特に7月の増加傾向が顕著に見られます。
3時間積算降水量130ミリ以上の集中豪雨の発生回数
(全国のアメダス1,300地点/1976~2020年)
出典:気象庁気象研究所報道発表(令和4年5月20日)を基に作成
長期変化傾向は、右肩上がりに増加しています。
記録的短時間大雨(ゲリラ豪雨)大半が7~9月に発生
記録的な雨量が短時間に観測される、いわゆるゲリラ豪雨は年々増加傾向にあり、大半は7~9月に集中しています。
出典:国立情報学研究所「記録的短時間大雨情報データベース」を基に作成
<図表の説明>
年別の発表回数
2013年77回
2014年53回
2015年38回
2016年58回
2017年109回
2018年123回
2019年96回
2020年109回
2021年64回
2022年161回
月別の発表回数
1月11回
2月0回
3月5回
4月13回
5月16回
6月51回
年間の
約83%が
7~9月に
集中
7月240回
8月285回
9月216回
10月45回
11月5回
12月1回
最近10年間に約97%の市区町村で水害が発生
全国にある市区町村の半数近くで、10年間に10回以上の水害が発生しています。
平成23~令和2年の水害(河川)の発生件数
- 水害が10回以上の市町村:45.6%
- 水害が5~9回の市町村:28.7%
- 水害が1~4回の市町村:22.5%
出典:国土交通省「水害統計調査」
大雨災害発生の危険度を高める線状降水帯
線状降水帯の発生は予想が難しい一方、発生時には大雨災害の危険度が急激に高まることがあるため、注意が必要です。
線状降水帯の代表的な発生メカニズムの模式図
- 1低層を中心に大量の暖かく湿った空気の流入が持続
- 2局地的な前線や地形などの影響で空気が持ち上がり雲が発生
- 3大気の状態が不安定で湿潤な中で積乱雲が発生。上空の風の影響で積乱雲や積乱雲群が並ぶ
- 4線状の強い降水域
出典:気象庁「線状降水帯に関する各種情報」を基に作成
\逃げ遅れないよう避難方法を考えておこう!/
浸水災害の場合の避難方法
屋内
ひざの高さまで浸水した時は、建物の上の階や近所の高い場所へ移動
川遊び中
大雨洪水注意報・警報が出た時は、すぐに避難
土砂災害の場合の避難方法
外への避難が危ない時は、上の階のガケと反対側へ避難
自宅の周辺で少しでも危険な前兆現象を見たり聞いたりしたらすぐに避難
雨が激しくなってきた…いつ避難を始めればいいの?
\そんな時、迷わず行動できるよう作っておこう!/
「災害・避難カード」
災害発生時に逃げ遅れないためには、時系列で避難行動を想定しておくことが大切です。そのため、事前に作成しておきたいのが、地域の災害リスクを知り、避難のタイミングなどを決めておく「水害等避難行動タイムライン」。その要点を「災害・避難カード」にまとめ、各家庭でいざという時に備えましょう。
それって、いったい何?
「いつ」「どこへ」「どのように」避難するかを決めておく計画のこと
どんなメリットがあるの?
「もしも」を「見える化」することでいざという時に的確に避難できる
こんなカードです。
具体的な避難先を「見える化」
避難の合図(スイッチ)は?
- 水害のリスクが高まってきた時に、「何がどうなったら避難するか」を具体的に決めておく
水害の記入例
例)○○川の洪水警報の危険度分布が紫色になった時 △△地区に「警戒レベル4」が発令された時
土砂災害の記入例
例)○○町で、土砂災害警戒情報が発令された時 △△地区に「警戒レベル4」が発令された時
避難先は?
- ハザードマップで確認の上、避難先の第1候補と第2候補を決めておく
指定緊急避難場所
水害の記入例
例)○○小学校、△△中学校、□□公園
土砂災害の記入例
例)○○小学校、△△中学校、□□公園
次善の避難場所
水害の記入例
例)○○公民館
土砂災害の記入例
例)○○さんの家
どのように避難?(メモ欄)
- 避難時の持ち物
- 地域での役割分担
- 非常時の連絡先・連絡方法
非常時の持ち出し品
アレルギー対応食品や離乳食など、個人の事情に合わせた持ち物を選びましょう。
活用しよう災害用伝言ダイヤル171
「171」をダイヤルするだけで、電話がつながりにくい時に家族などと連絡を取り合えます。
記入例
例)持病の薬、ベビー用品、介護用品、衛生用品などを持っていく/○○さんに声を掛ける/△△さんと一緒に逃げる 家族に連絡がつかない時は「171」…など
そのカード、どうやって作ればいいの?
地域の自主防災組織での避難計画作成を専門人材がサポート
作り方などに関して、防災士等をはじめとした専門人材を派遣し、各自主防災組織(自治会)などでの作成を支援しています。派遣にかかる旅費や報酬は府が負担します。
自主防災組織や自治会などで「災害・避難カード」を作る際には防災士などが出張ワークショップ等を開催し、作成を支援します。
避難情報には、どのようなものがあるの?
5段階の警戒レベルと避難情報を逃げ遅れないよう確認しておこう!
警戒レベルと取るべき行動※内閣府の資料を基に作成
警戒レベル1早期注意情報(気象庁)
今後の気象情報を確認。
安全な場所にある親戚・知人宅に移動しておくことも検討する。
警戒レベル2大雨・洪水・高潮注意報(気象庁)
避難の準備を始める。
最新情報を各種情報ツールで確認。
情報ツールの紹介はこちら▼
警戒レベル3高齢者等避難
高齢者や障害のある人などは危険な所から逃げる。
危険を感じたら自主避難!
警戒レベル4避難指示「避難指示」で
必ず避難を!
危険な所から全員が逃げる!
指定緊急避難場所へ!無理なら次善の避難場所へ!
警戒レベル5緊急安全確保
命の危険、直ちに安全確保!
災害が発生し、身の安全を確保できない可能性あり!
\目指そう、地域の防災力UP!/地域を守る消防団の活動を支援しています
普段は自分の仕事を持ちながら、火災や災害時には消防活動や救助救出などを行い、地域の消防防災リーダーとして活動する消防団員。府では、そんな地域の暮らしを守る消防団員の活動を応援しています。
地域での避難訓練などへの支援
地域の自主防災組織等と連携して行う避難誘導や、避難訓練に必要な資機材の整備を交付金で支援しています。
消防団応援の店
「京都府消防団応援の店」登録店舗(現在286店舗)で、消防団員やその家族が割引などを受けることができます。
ふるさとレスキュー
中山間地域での救助・救急力を高めるため、消防団員を中心に編成する地域ごとのレスキュー隊の活動を支援しています。
わがまちの消防団強化交付金
活動・訓練の充実や、地域と連携した取り組み、火災予防・啓発など、さまざまな活動を交付金で支援しています。
事前の情報収集や台風接近時などに見るべき情報は?
地域の災害リスクを知るには?
「京都府マルチハザード情報提供システム」
住所を入力すれば、その場所の洪水時の想定浸水深や土砂災害警戒区域などをピンポイントかつ複合的に知ることができます。家から避難所までの道順を事前に確認しておけば、災害時の迅速な行動にもつながります。
インターネットは苦手なんだけど…
市町村ごとの「ハザードマップ」
災害危険箇所や避難所の場所など、地域の実情に即した防災情報を集約した「ハザードマップ」を、各市町村ごとに作成・配布。
近くの避難所の設備などを調べるには?
「避難施設カルテ」
府内市町村の避難所に指定されている施設などについて、設備や対象となる災害などを示しています。
こんな情報が分かります
- ペットの同行ができるか
- 多機能トイレやWi‐Fi環境があるか
- 一時避難か、滞在できる避難所か
- 避難経路上の危険箇所
など
外国人の方々が防災情報にアクセスするには?
「外国人のための防災ガイドブック」
英語など9言語および「やさしい日本語」で解説した防災ガイドブックを公益財団法人 京都府国際センターにおいて作成しています。
迫る災害をリアルタイムで確認したい!
「キキクル(危険度分布)(気象庁)」
河川ごとに予測される浸水害発生危険度を5段階に色分けして表示。避難すべきかどうかの判断材料として活用できます。
- 洪水害
- 土砂災害
- 浸水害
- 洪水浸水
想定区域
出典:気象庁ホームページ(https://www.jma.go.jp/bosai/risk)「キキクル(危険度分布)」を基に編集・加工
地域の避難情報をチェックしたい!
「きょうと危機管理WEB」
気象や河川、土砂災害警戒情報、避難情報、交通・ライフライン情報など、府の危機管理に関する情報をひとまとめにしています。
お住まいの地域の避難情報が表示されたら避難しましょう
地域の雨量や河川水位を確認したい!
「京都府河川防災情報」
観測地点ごとの雨量や河川水位などの情報をリアルタイムで提供し、避難行動につなげます。
雨量情報
河川防災カメラ
水位情報
雨量・水位など見たい情報を選びます
見たい地域を選びます
最新の防災情報を入手したい!
「京都府LINE公式アカウント」
防災をはじめ京都府の最新情報を発信。友だち登録&受信設定で、受信したい情報をカスタマイズできます。
受信設定で防災情報を選択
@kyoto-prefecture
「京都府防災Twitter」
京都府の防災への取り組み、防災豆知識、災害発生前の注意喚起などを発信しています。
@kyotokikikanri
「京都府防災・防犯情報メール」
事前に登録した地域の気象情報や防災情報などがリアルタイムに配信され、危険をいち早くキャッチすることができます。
※画像はイメージです。
[email protected]に空メールを送ると登録できます
激甚化・頻発化する災害から府民の皆さんを守る
昭和28年に府南部で甚大な被害をもたらした南山城水害から70年が経過しました。近年ますます気候変動の影響による気象災害が全国的に激甚化・頻発化する傾向にあり、府内でも大きな災害が幾度となく発生しています。過去の経験から得た教訓や課題に学びながら、府では河川改修や砂防・治山事業などの防災・減災対策、浸水想定区域などの災害危険情報の活用促進といったソフトとハードを組み合わせた対策を進めてきました。さらに「災害・避難カード」の普及や消防団の強化など、地域の防災力をアップし、逃げ遅れゼロを目指す取り組みをきめ細かく推進しています。
また現在、あらゆる自然災害に迅速かつ的確に対応する常設の危機管理センターを、令和5年度に一部稼働、令和6年度の本格稼働に向けて整備中です。これからも府民の皆さんの生命と財産を守るため、あらゆる危機事象への対応力をさらに強化し、防災・減災の取り組みを着実に進めてまいります
京都府知事 西脇 隆俊
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災害対策課
TEL:075-414-4472 FAX:075-414-4477
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