最近の感染状況を踏まえた今後の対応について
最近の感染状況を踏まえた今後の対応について
令和2年11月27日 京都府
1 全国の感染状況と特徴
全国の新規感染者数は11月以降増加傾向が強まり、2週間で2倍を超える伸びとなり、過去最多の水準となっている。
感染リスクが高まる「5つの場面」
場面(1)飲酒を伴う懇親会等
- 飲酒の影響で気分が高揚すると同時に注意力が低下する。
また、聴覚が鈍麻し、大きな声になりやすい。
- 特に敷居などで区切られている狭い空間に、長時間、大人数が滞在すると、感染リスクが高まる。
- また、回し飲みや箸などの共用が感染のリスクを高める。
場面(2)大人数や長時間におよぶ飲食
- 長時間におよぶ飲食、接待を伴う飲食、深夜のはしご酒では、短時間の食事に比べて、感染リスクが高まる。
- 大人数、例えば5人以上の飲食では、大声になり飛沫が飛びやすくなるため、感染リスクが高まる。
場面(3)マスクなしでの会話
- マスクなしに近距離で会話をすることで、飛沫感染やマイクロ飛沫感染での感染リスクが高まる。
- マスクなしでの感染例としては、昼カラオケなどでの事例が確認されている。
- 車やバスで移動する際の車中でも注意が必要。
場面(4)狭い空間での共同生活
- 狭い空間での共同生活は、長時間にわたり閉鎖空間が共有されるため、感染リスクが高まる。
- 寮の部屋やトイレなどの共用部分での感染が疑われる事例が報告されている。
場面(5)居場所の切り替わり
- 仕事での休憩時間に入った時など、居場所が切り替わると、気の緩みや環境の変化により、感染リスクが高まることがある。
- 休憩室、喫煙所、更衣室での感染が疑われる事例が確認されている。
2 課題と今後の対応
最新の感染状況等を踏まえた重点的な感染防止対策を推進
府内の最新の感染状況
- 11月17日に49人の新規感染者を確認し、特別警戒基準に到達
- 第1波(1月30日から6月15日)では高齢者の割合が高かったが、夏から秋(6月16日から10月21日)にかけて若年者の割合が増加。最近では、高齢者が再び増加(59人→94人)。病院や高齢者施設等で集団感染も複数発生
- 同居家族からの感染の持ち込み原因は会食が最多
- 大学生の感染が再び増加(20人→39人)しており、他府県では大学生の課外活動等に起因するクラスターも発生
- 新規感染者のうち、大阪府陽性患者の接触者数が増加(11人→21人)
(注)上記の数値は、直近2週間(11月12日から11月25日)とその前の2週間(10月29日から11月11日)の比較
1. 府民・事業者等の皆様への要請
(1)感染防止の3つの基本(身体的距離の確保、マスクの着用、手洗い)の徹底
(2)こまめな換気と適度な保湿
(3)発熱等の症状がある場合の外出等の自粛
(4)飲食機会における感染防止の徹底
(5)大阪市など感染拡大地域への飲食を目的とした往来は極力控えること
2. 3つの重点対策の強化
(1)飲食店等における感染防止対策
(2)大学生等における感染防止対策
(3)高齢者等、重症化リスクのある方の感染防止対策
3. 医療相談検査体制の充実・強化
(1)身近な医療機関で相談できる体制を強化
(2)インフルエンザ流行に備えた受診、検査体制の強化
(3)入院、施設療養、自宅療養の適切な運用
3 府民・事業者等の皆様への要請
感染拡大を防ぐために、この3週間に集中して、府民・事業者等へ改めて感染防止対策を要請
(1)府民・事業者等の皆様へ
- 感染防止の3つの基本(身体的距離の確保、マスクの着用、手洗い)を実践すること
- 寒い環境でも、こまめな換気と適度な保湿に留意すること
- 発熱等の症状がある場合は、帰省や旅行、外出を控えること
- 感染リスクが高まる「5つの場面」に留意すること
- 事業所の皆様には、年末年始の休暇の分散取得を奨励いただくこと
- 大阪市など感染拡大地域への飲食を目的とした往来は極力控えること
【飲食機会において、特に留意いただきたいこと】
ガイドライン推進宣言事業所ステッカー掲示店舗の利用を徹底し、
- 大人数での大声の会話・歌唱を伴う宴会・飲み会は控えること
- 宴会・飲み会の時間は、2時間を目安とすること
- 発熱等の症状がある場合は、参加を控えること
(2)大学生等の皆様へ
(3)高齢者等重症化リスクのある方、施設関係者等の皆様へ
- 医療機関、高齢者施設等への面会については、原則として自粛すること
- 高齢者等重症化リスクのある方は、人混みや感染多発地域への外出は極力控えること
- 高齢者等に会う際には、厳重に体調管理するとともに感染防止対策を徹底すること
4 3つの重点対策の強化
安心して飲食店を利用するために
(1)飲食店等に対するガイドライン遵守の要請
- ガイドライン推進京都会議によるステッカー掲示の徹底
- 府警本部・保健所の立入調査等の機会を活用したガイドライン遵守啓発
- 府警本部が実施する社交飲食店等への管理者講習の機会を活用したガイドライン遵守啓発(約1,000店舗)
- 対策チームによるクラスター発生店舗、感染防止対策不備店舗等へのガイドライン徹底指導
(2)接触確認アプリ等の普及推進
- 「こことろ」等接触確認アプリの利用者、登録店舗等の一層の拡大と感染者との接触が確認された利用者に対するPCR検査の徹底
大学・小中高生が安心して学生生活を送るために
(1)大学における感染防止対策の継続・強化
- 大学内でのオンライン受講環境の整備や学生寮の相部屋解消等、学内の感染拡大防止対策の支援
- 大学連携会議を通じ、日常生活においても徹底して3密を避け、飲み会においても大人数での大声の会話を控え、2時間を目安とするなど、改めて感染防止対策の徹底を要請
(2)小学校・中学校・高校における感染防止対策
- 冬期における教室の換気、手洗いの励行など感染防止対策の徹底を要請
- 部活動や集団活動、さらに授業後や昼食時、部活動後など気の緩みやすい場面でのマスク着用徹底などを注意喚起
(3)大学保健センター等と連携した感染防止対策
- 医療機関・施設等で実習する大学生等を対象としたPCR検査支援
- 大学保健センター等が実施するPCR検査支援
- 感染状況等の迅速な情報共有
重症化リスクのある方の感染拡大を防ぐために
(1)高齢者施設等の感染予防・感染拡大防止対策
- 医療機関や社会福祉施設等での集団発生時には、専門医等からなる施設内感染専門サポートチームを速やかに派遣し、感染拡大防止対策を徹底
- 食事介助、防護服の着脱等動画による職員研修及びチェックリストによる点検の実施
- 介護施設等での患者発生時に、市及び老人福祉施設協議会等との協定に基づき応援職員を派遣
(2)高齢者施設等におけるPCR検査の実施
- 重症化リスクのある方が多い医療機関や社会福祉施設等については、当該施設との間で職員、利用者の行き来がある施設も含め、徹底した積極的疫学調査を実施し、幅広く検査を実施
5 医療相談検査体制の充実・強化
インフルエンザの流行期に備え、医療相談検査体制の更なる充実・強化を図る
(1)相談体制
身近な医療機関で、発熱等の相談・受診・検査ができる体制を整備するとともに、休日・夜間やかかりつけ医のいない方からの相談は、府市協調による医療相談窓口で対応
きょうと新型コロナ医療相談センター
- 11月1日から運用開始(相談件数4,676件(11月25日現在))
- 年末年始も24時間体制で相談受付
- 多言語(英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語)での同時通訳対応、京都府国際センター等と連携した相談体制の強化
(2)受診・検査体制
発熱等の症状のある方が、相談・受診・検査ができる医療機関を拡充
PCR検査が可能な医療機関等(現時点)
診療所・病院 |
629箇所 |
 |
計686箇所 |
接触者外来 |
57箇所 |
京都検査センター |
4箇所(12月中に北部・南部各1箇所増設) |
注※京都検査センターを除く、上記医療機関の大半で、抗原検査キットを活用した新型コロナとインフルエンザ両方の迅速検査が可能
PCR検査能力 1日あたり1,450件(現時点)
(府・市、民間検査所、医療機関等による行政検査)
(3)入院、施設療養、自宅療養体制
感染者の円滑な入院・療養の受入や重症者に適確に対応するため、入院医療コントロールセンターにおいて効率的な運用を図るとともに、医療提供体制を充実
感染者の受入可能な医療機関等(現時点)
入院病床 |
650床(うち重症86床) |
宿泊療養施設 |
338室 |
自宅療養者等フォローアップチームの設置
フォローアップ情報センターに専任の看護職を配置し、医師の常駐する入院医療コントロールセンターと密に情報を共有。感染者の療養状況の把握と情報の一元管理を実施