選定理由 |
府内の生息地が限られ、個体数も減少している。 |
形態 |
殻は小型三角形で、殻長部は大きく盛り上がり、殻長より後方がやや長い。輪肋は太くて粗い。殻長は最大で4cmに達する。 |
分布 |
滋賀県、京都府、大阪府に分布し、八郎潟、河口湖、諏訪湖などにも人為的に移植されている。府内では琵琶湖疏水、巨椋池、宇治川に生息する。
◎府内の分布区域
淀川水系。 |
生態的特性 |
1年(殻長1cm)で性成熟に達し、寿命は最大で8年である。雌雄異体で、繁殖期は5〜8月である。体外に放卵・放精し、受精は水中で行われる。受精卵は水中で発生が進み、4日後には仔貝となって底生生活に入る。 |
生息地の現状 |
干拓により巨椋池では絶滅した。疏水と宇治川はともに水質汚濁のため環境が悪化しており、現存個体数はわずかにすぎない。 |
生存に対する脅威 |
河川改修による生息場所の破壊や水質汚濁による環境の悪化。また、外来種であるタイワンシジミとの競合も、存続を脅かす要因と考えられる。 |
必要な保全対策 |
用水路の改修の際には貝類の調査を行い、本種などの生息を確認する必要がある。改修に当たっては土砂を入れた保護区域を設定し、改修後に貝類が生息できる環境を創設する必要がある。 |
その他 |
琵琶湖・淀川水系固有種 |