選定理由 |
府内の宇治川が模式産地で、府内の生息地が限られている。 |
形態 |
成貝は殻高20mm前後で、カワニナ類の中では比較的小型である。縦肋は斜めに走り、殻底肋は4〜5本である。殻口は大きく発達し、殻高の1/2に達することもある。 |
分布 |
滋賀県、京都府、大阪府に分布し、府内では琵琶湖疏水と宇治川に生息する。
◎府内の分布区域
淀川水系。 |
生態的特性 |
流れの速い場所の礫などに付着している。産仔は生後10〜12ヶ月で開始し、春から秋にかけて年間20〜40個体を産出する。胎貝は大きく、殻高3mmを越えるものもある。ビワカワニナ属の中で、唯一河川に適応して種分化した種であり、学術的に貴重である。 |
生息地の現状 |
疏水では鉄道地下工事のため生息範囲および個体数が減少し、数カ所で局地的に残存しているだけである。宇治川でも河川改修などで生息範囲が狭くなっている。 |
生存に対する脅威 |
河川改修による生息場所の破壊や水質汚濁による環境の悪化。 |
必要な保全対策 |
安定して水が流れる場所に、天然石を利用した石積護岸を行うなど、生息場所の回復が必要である。 |
その他 |
琵琶湖・淀川水系固有種 |