選定理由 |
過去現在を通じて標本の採集例が少ない。近年は見かけることもほとんどどない。保津(竹内, 1962)のほか村田:近畿地方植物誌36(1995)42頁に芦生・向島の2ヶ所が記録されているだけである。 |
形態 |
畑地や河原、荒地などにはえる1年草。茎は高さ20〜50cm、単生または数本叢生する。花序の長さ4〜10cm。花穂は花序の枝先に単生。小穂は褐色、長さ7〜12mm、10〜20個の花をつける。鱗片は幅広い倒卵形、長さ1.5mm。円頭で中肋は緑色、突出してやや外曲。果実は3稜形、長さはおよそ1mm。
◎近似種との区別
全体の姿はカヤツリグサに似る。カヤツリグサの花序は少し大きく長さ5〜12cm、花穂は複生するがチャガヤツリは単生する。また、カヤツリグサの小穂は黄褐色。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.406,日本の野生植物I:183頁 |
分布 |
本州、四国、九州、アム−ル、中国大陸。
◎府内の分布区域
中部地域、南部地域(京都市・乙訓地域、山城中部地域)。 |
生存に関する脅威 |
河川の改修など。外見は目立たず、希少種と気づかぬうちに危機的状況に至る可能性が高い。 |
必要な保全対策 |
自然を学び、愛おしむ姿勢の涵養、それに要する指導者の育成など、行政の取り組むべき事柄は多い。 |