種子植物 カヤツリグサ科
チャガヤツリ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | なし |
選定理由 | 過去現在を通じて標本の採集例が少ない。近年は見かけることもほとんどない。保津(竹内 1962)のほか村田:近畿地方植物誌(2004)161頁に芦生、向島の2か所が記録されているだけである。 |
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形態 | 畑地や河原、荒地などにはえる一年草。茎は高さ20~50cm、単生または数本叢生する。花序の長さ4~10cm。花穂は花序の枝先に単生。小穂は褐色、長さ7~12mm、10~20個の花を付ける。鱗片は幅広い倒卵形、長さ1.5mm。円頭で中肋は緑色、突出してやや外曲。果実は3稜形、長さはおよそ1mm。全体の姿はカヤツリグサに似る。カヤツリグサの花序は少し大きく長さ5~12cm、花穂は複生するがチャガヤツリは単生する。また、カヤツリグサの小穂は黄褐色。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅰ(平凡社)183、原色日本植物図鑑 草本編Ⅲ(保育社)240、日本カヤツリグサ科植物図譜(平凡社)720-721 |
分布 | 本州、四国、九州、沖縄県、アムール、中国大陸。 ◎府内の分布記録区域 中丹地域(調査不充分)南丹地域、京都市域南部、乙訓地区、山城地域北部。 |
生存に対する脅威 | 河川の改修など。外見は目立たず、稀少種と気づかぬうちに危機的状況に至る可能性が高い。 |
必要な保全対策 | 自然を学び、愛おしむ姿勢の涵養、それに要する指導者の育成など、行政の取り組むべき事柄は多い。 |
特記事項 | 普通品とされることがあるが、コチャガヤツリやオオチャガヤツリの誤認が多く、チャガヤツリは近年では稀少種であろう。もともと河川の氾濫原や荒地にはえるものであると思われ、そのような立地の植物の多くが稀少種となっている現状と軌を一にするものと考えられる。 |
執筆者 津軽俊介、光田重幸