選定理由 |
経ケ岬(竹内, 1962)や村田:近畿地方植物誌34(1993)29頁に冠島と記録されているだけで産地が極めて限定され、個体数も少ない。また、経ヶ岬の近年の確認情報はない。なお、大本花明山植物園には舞鶴市成生産の標本が保管されている。 |
形態 |
海岸近くのやや湿った林下に多い。偽茎は葉柄より短く、葉は2個でほぼ同大。小葉は3枚で菱状広卵形鋭尖頭で先端は糸状に伸びる。花期の頂小葉は長さ10〜30cm、果期にはさらに大きくなる。仏炎苞はあぶみ形、長さ7.5〜10.5cm、暗紫色または白緑色で一部暗紫色、隆起する白条がある。舷部は袋状に巻き縁は耳状に張り出す。先端は前方に突き出る。
◎近似種との区別
海辺に多く、広く長大な3小葉をもつ葉が2枚。特異な形の仏炎苞をもつものは他にない。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.328,日本の野生植物I:132頁,京都府草木誌:p.106。 |
分布 |
本州(関東地方以西)、四国、九州、琉球、朝鮮半島(南部)、台湾、中国大陸。
◎府内の分布区域
北部地域。 |
生存に関する脅威 |
海岸の開発。道路や駐車場の新設など。マニアによる園芸用採取。 |
必要な保全対策 |
海岸沿いの山林開発や道路の新設、駐車場の設置などに先立つ詳細な生物調査が必要である。そのうえで諸開発の適否を判断すべきである。園芸採取の禁止。 |